今日はハロウィン。学園都市の中で学生のほとんどが仮装をするという大規模な行いがされた。  
これはその中の一組の話。  
―――学生寮  
黒子はお菓子を食べながら、窓の外を見ていた。  
外では仮装した学生たちがお菓子をもらいに徘徊しているのだろう。  
と、突然扉が開く音がして振り返ると、そこに  
美琴が猫又の仮装をしていた。  
 
「黒子、Trick or treat!」  
「っ!ああ!お姉さま!何と可愛らしいお姿!」  
 
黒子はキラキラと目を輝かせて眺める。よだれ付きで。  
黒子の中で即録画する価値があると警告してくる。まさしくレアお姉さまだった。  
そんな黒子に美琴は後ずさるが、冷静に黒子にたずねた。  
 
「……黒子、いいからお菓子を出しなさい」  
「あら、すみません。わたくし今持ってませんの」  
 
しれっと黒子は即答する。後ろにお菓子の山があるにも拘らず。  
 
「なにバレバレの嘘ついてんのよ!後ろにあるのはどう見てもお菓子じゃない!」  
 
いきり立つ美琴に黒子は、お菓子の山のほうに歩いていくと。  
 
「お姉さま、だからわたくしはお菓子なんて一つも」  
 
お菓子を掴むと、テレポートで何処かに飛ばして。  
 
「持ってないっていってるじゃないですか」  
 
美琴に向けてニヤリと笑みを浮かべて言った。  
 
そんな黒子を見て、美琴は冷や汗を流す。ここに居てはいけない気がしてくる。  
しかし、負けじと反撃を(無謀にも)試みる。  
「そ、そう。だったらお菓子がないって事でいたずら……!」  
瞬間、美琴は後悔した。  
黒子がまるで待ってましたと言わんばかりに黒い笑みを浮かべているのを見たからだ。  
 
「ふっふっふ……。仮装したお姉さまがわたくしに、いたずらと称してあんな事やこんな事を……」  
 
黒子はブツブツと呟いている。  
 
「わ、私もう他のところに行かなきゃ!じゃ!」  
 
もう既に地雷を踏んでいたことにきづいた美琴は直ぐに逃げようとしたが、  
 
「さあ!お姉さま♪存分に黒子にいたずらして下さいませ♪」  
 
黒子はテレポートして美琴に抱きついた。  
 
「ちょ!ちょっと待ちなさい黒子!」  
「いーえ、待てませんわ!さあ、お姉さま!めくるめく愛のお仕置きを!」  
 
そう言って、黒子は美琴の体をまさぐり始めた。当然あんな所やこんな所も揉みまくっている。  
 
「って!ちょっ!ちょっと!どこ触ってんのよ!いたずらするのは私…ってそうじゃない!」  
「お姉さま、今夜は寝かせませんわ!」  
「い、いやぁぁぁぁぁぁ!」  
 
こうして、美琴は黒子に翌日までいたずらされるのでした。めでたしめでたし。  
 

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