「はぁ、はぁ…大丈夫落ち着け私。落ち着いて扉を開けるのよ。開けたら
『オッスー!あんたまた怪我したのー?本当にしょうがないやつねー、冷たいもので元気出しなさいよほら、これおみやげ。
ところであんた夏休み中暇よね?気晴らしにもなるし、海パンゲコ太ストラップも欲しいし、新しく出来た屋内プールに一緒に行かない?
リフレッシュにもなるし海パンゲコ太ストラップも手に入るし一石二鳥よ行きましょ行きましょ』
って言ってアイス渡せばいいのよ。それだけでいいのよ。ちゃんと練習したんだから大丈夫。
やれるわ私。やるしかないわ。この扉を開けて!一線越えるしかないのよ!!」
ドカーン
ヒソヒソヒソヒソ
「………ゴホン
まったく私としたことが。こんなことで緊張なんかしないわよ。
この汗は暑いからであってこの動悸はせっかくのアイスを溶かさないようになわけで
決してあ…あいつを誘うのに緊張してるわけではないのであって
でももし断られたら…いや無い無いあいつの性格上押しが強いのには弱いから大丈夫よ大丈夫。要は勢いよく押し倒せばそれでいいのよ!!」
ドカーン
ヒソヒソヒソヒソヒソヒソヒソヒソ
「…………と!とにかくゴー!!!」
ガチャッ
「あ゛ーづいー……なんなんだこの暑さは………
『君の部屋だけ空調壊れちゃってさ、ご愁傷様だね?』
って死活問題をさらっと流しやがってあのカエル!!ちょっと人の命を十数回救ったくらいで調子に乗るな!!
こちとら常連さんだぞ!!常連をこんなふうに扱いやがって!!なんでだ!!日頃の行いですかそうですかイエーイ!!
何がイエーイだチクショー!!ああ…不幸だ…………」
ドカーン
「んあ?……まあとりあえずこの汗まみれの服を着替えよう……
ああ金は無いのに水は出るし、いろいろと溜まるのに金は貯まらない、まったく罪な男だよ上条さんは……
やれやれヨイショ…うわぁ…ただパンツまでぐしょぐしょ……パンツも履き替える………ん?
というか誰も来る予定ないし、服脱いでいても別に………名案だそうしよう、うんそうしようそうしよう。
……おおやっぱり快適ですねー!すばらしきかな裸!時代はハダカ!!今年の夏はHA☆DA☆KAで決マリ♪」
ドカーン
「……やっぱりやめよう…上条さんにもプライドはありますもの……
妙に元気な息子を四六時中視野に入れられるほど上条さんは恥知らずではありません…」
ガチャ
「おおおおっすゥ!あんたまま股怪我したのォヲ?しょ、がっ、ナイヤツネー冷たいものでぇぇぇ」
「え゛っ……?」
「元気に……………」
「み…しゃかサン……?」
「してんじゃねぇぇぇぇぇ!!」
「ギャァァァァァァアァァァァ!!」
スバーン
「ザブーンってミサカはミサカは浴槽に飛び込んでみるー!!」
「ったく、プールじゃねェンだぞ……はしゃいでンじゃねェよガk」
バシャーン
「……………………」
「ふふーんざまあみろーってミサカはうるさい白いのに冷水を浴びせてみるー」
「…………このクソガキャァァァァァァァァ!!!」
「きゃー変な人が襲ってくるーってミサカは逃走を開始するー!」
「待てこらァァァァァァァァァァァァ!!!」
「ねぇ、縁って何じゃんよ?」
「タイミングを間違えないことかしら?」