>「あなたが落としたのは、この『素直な一方さん』ですか?
>それとも、『いつもどーりの一方さん』ですか?」
これを元に小ネタを。
『あなたの望む“彼”は――』
とてとてとて。こつんこつんこつん。
とてとてとてとてとて。こつんこつん。
「……待ちやがれ、この……クソガキィ――」
とてとてとてとてとてとてとて。こつん。こつん。
「一緒に遊んでくれなかったからだよって
ミサカはミサカは悔しかったら捕まえてみろーって言ってみたり!」
「……あァ?おい、何だこの――」
ドボン。
「どうしたの?ってミサカはミサカは転んだのかなーって振り返ってみたり」
とてとてとて。
「――ネットワークから切断されてるねってミサカはミサカは冷静に状況を分析してみたり」
少女の目の前で、地面が水面に広がる波紋のように揺れる。
その中心点から、男にも女にも見える髪の長い人間が――
空に向かって落ちるようにすうっと現れた。
「この“泉”へ落ちた君のお友達はどちらだ?」
“泉”と呼ばれた地面から、二人の少年が浮かび上がる。
「素直に君の気持ちに答えてくれる“彼”。不器用でも君の気持ちを答えようとする“彼”。
君が望む、好きな方を選ぶといい。君が望む“彼”を渡そう」
「――――」
「……答えを聞いていいか?」
「うんってミサカはミサカは静かに頷いてみたり」
「では、君の望む彼はどちらだ?」
「ミサカが望んでる“あの人”はどちらでもないよって
ミサカはミサカは全然遊んでくれない“あの人”を望んだり」
「……何故だ?」
「“あの人”は『不器用』と『素直』のどちらかだけで答えてくれる人じゃないんだよって
ミサカはミサカは思い返すまでもなかったり。
『素直』でも『不器用』でも、ミサカの気持ちに答えてくれるときもあるけど……って
ミサカはミサカは何も答えてくれないときのことを思い出して不満が蘇ったり」
「この“どちらか”の“彼”なら……君の気持ちに必ず答えてくれる」
「ミサカに都合良く答えてくれる“あの人”なんて“あの人”じゃないよって
ミサカはミサカは回答してみたり。
まったく違う意思、違う心を持った別の人間だから悲しいこともあるけど楽しいこともあるって
ミサカはミサカはネットワーク上のデータではなく、実体験から得た経験を語ってみたり」
「そうか。では、君の望む“彼”を――」
「――あァ?何だ……今のは」
「何もなかったよってミサカはミサカはあなたの手を握って引っ張ってみたり」
「引っ張ンな!」
「……だめかなってミサカはミサカはちょっと残念だけど手を離して――」
「離せとまでは言ってねェよ。代わりにこっちのペースに合わせろォ……分かったかァ?」
お わ り
「うう……爽やかでクーデレな一方通行と行動的でツンデレな一方通行が
が登場する夢を見たよってミサカはミサカは悪夢にげんなりして
今のあなたが一番良いって確信したり」
「あァ?」
「性格の向き<ベクトル>を変えたりとか絶対しないでねってミサカはミサカは
今だ悪夢が忘れられなかったり……」