その日、上条は御坂妹と歩いていた  
 
「あれ?御坂妹?」  
「何か?」  
「えっと・・・あの・・・む、胸が大きくなってないか?」  
「・・・、言われて見ればそうかもしれませんね。と、ミサカは少し驚きます」  
「でもシスターズって美琴のクローンだから遺伝子レベルで同じなんじゃ無かったっけ?」  
「いえ、医者が言うには生活環境で体型は変わるらしいのです。と、ミサカは丁寧に説明します」  
「そうなのか」  
「ではあなたは胸が大きい女性が好みなのですか?と、ミサカは聞いてみます」  
「い、いや・・・そんなことは・・・、む、胸だけで女性を判断するほど上条さんは軽い男では無いのです!」  
「そうですか・・・と、ミサカは少しがっかりします」  
「そ、そりゃフェチってのも関係してくるから多少は気になるけど・・・」  
「本当ですか?と、ミサカは間髪いれずに聞き返します」  
「あ、あぁ」  
「では他にあなたが気になる部分はなんですか?と、ミサカは真剣に問いかけます」  
「えっと・・・そ、そりゃあ・・・あ、足とか・・・腰とか胸とか色々・・・」  
「足、腰、胸、その他・・・ですね!?と、ミサカは確認します!」  
「な、なにゆえテンションあげているのでしょうか!?」  
「私のテンションが上がっている?と言うと今の状態なんでしょうか・・・と、ミサカは自問自答してみます」  
「いや最初に比べたら上がってると思うけどな。もしかしてクローンでも心とかも成長すんのかな」  
「どうでしょう・・・しかしそれは置いといて、先程の質問に答えてください。と、ミサカ要求します」  
「いやまぁそうだけど・・・(としか言い様がないような・・・)」  
「ありがとうございます。と、ミサカは感謝の気持ちを述べます」  
「いや感謝されるようなことしてねーし・・・」  
「それでは早速病院に戻って会議しますのでこれで」  
「あぁ、お前も大変だろうけど頑張れよ」  
「はい。期待に答えられるように頑張ります!と、ミサカははりきって返答します!」  
 
「・・・あれ?期待に答える?なんのだろう・・・」  
 
「それでは再確認を行います、とミサカ10032号はネットワークを介し皆にあの少年との会話を思い出してくれるようにと促します」  
「それについては興味があったので全員聞いていたと思います。と、ミサカ15000号は報告します」  
「わかりました。では早速会議に移ります。」  
「最初に、ミサカ10032号は既に胸が成長しているので、情報収集にまわってください。とミサカ146・・・」  
「では私はウエストを縮めます。とミサカ・・・」  
「私は足のケアをして・・・」  
「私も胸を・・・」  
「私はヒップを・・・」  
 
「・・・全員の意見の処理が終わりました。では実行に移ってください。と、ミサカ10032号は合図を出します」  
 
一ヶ月後・・・  
 
「あれ?御坂妹・・・また大きくなった?」  
「あなたは胸しか見ていないのですね。と、ミサカは呆れ返ります」  
「いやそんなことは・・・」  
「まぁいいです。今日呼び出したのはこの一ヶ月の成果を見てもらうためです。と、ミサカは告げます」  
「は?なんの?・・・って、シスターズ!?なんか皆殺伐として・・・」  
「私の足を見てください。と、ミサカ16000号は美脚をアピールしてみます」  
「いえ、私のウエストも見てください。と、ミサカ15050号はスリムさを強調します」  
「私の胸も見てください。と、ミサカ12・・・」  
「私の・・・」  
「な、な、な、なんだぁ!?なんかヤバいぞこれ!」  
「私たちの努力を認めてくれないのですか?と、ミサカ10032号は戦慄を覚えながら尋ねます」  
「だ、だからなんの話・・・ってあれかー!!だから期待がどうのと・・・」  
「それで、どうなんですか?と、ミサカは諦めず尋ねます」  
「い、いや、普通にいいと思うよ・・・」  
「そ、そうですか!と、ミサカは喜びを露にします!」  
「てか全員合体したら完璧になるんじゃないかなーなんて・・・」  
「!?・・・み、ミサカは衝撃の意見に呆気をとられます・・・」  
「は?いや、単なる妄想であって、そんなに真に受けられても・・・って御坂妹達!?」  
「私達は重大な目的ができました!今すぐ病院へ直行します!と、ミサカは・・・」  
「おい!おーい!・・・って!なに考えてるんだ!?あいつら」  
 
ニ週間後  
 
「そういえば最近御坂妹見ないなー」  
「なにあんたあの子が気になるの?」  
「あぁなんかいろいろあったし・・・」  
「い、いろいろ!?あ、あんた!あの子とな、何したのよー!」  
「うっ、いや、やましいことはしてませんのよ?」  
「じゃあなんで言葉を詰まらせてんの!?」  
「うわっ!ビリビリやめてー!」  
「あんたってやつはー!」  
「ギャー!・・・って、えっ?御坂妹?」  
「はい・・・やっと体型が安定したのであなたに会いに来ました。と、ミサカは報告します」  
「えっと・・・なんかいろいろと進化してませんか?」  
「はい。このパーフェクトボディを見せるために来ましたから。」  
「そ・・・んな・・・」  
「あぁ、お姉様もいらしたのですか・・・と、ミサカはわざとらしく反応します」  
「あんた・・・なにその身体・・・」  
「欠陥電気と呼ばれていましたが、革命の時は来ました。ボディに関してはオリジナルを超えていますから。と、ミサカは自慢げに語ります」  
「あ、ありえないわ・・・そんな・・・だって・・・そんなの勝てるわけないじゃない!」  
「御坂妹・・・何て言うかその・・・可愛くなったな・・・」  
「(ガァーン・・・)」  
「本当ですか!?頑張った甲斐がありました!と、ミサカ達は今までの苦労を分かち合います」  
「『達』?」  
「はい、私のボディは複数のミサカの集合体ですから・・・と、ミサカは説明します」  
「ってことはなにかぁ?合体したってことか!?」  
「平たく言うとそうです。フフフ、お姉様?こ・の・完璧なボディを手に入れられたのもお姉様のお陰です。と、ミサカは嫌味っぽく言ってみます」  
「ガガァーン!そんな・・・そんな・・・こんなのって・・・」  
「御坂?なに落ち込んでんだ?」  
「うるさーい!うわぁぁーん!全部私の責任なのよー!!」  
「御坂ー!どこいくんだー!おーい!」  
「お姉様のことはほっといて、私と帰りましょう」  
「えーと、まぁそうするか」  
 
こうして美琴の悪夢は一つ増えたのだった・・・  
 
end  
 

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