そこは上条当麻の部屋だった。  
なんてことは無い、いつも通り程よく生理整頓が行き届いている。しかしゲーム機など若者が好む物が所々に落ちている部屋。  
そこにあるベッド、いつもとは乗っている人の姿が違う。  
「ねえ神裂さん。どうして神裂さんの目が据わってるの?」  
「それはですね、本気になったからですよ」  
そう、本来ならインデックスが寝ているベッドには神裂、当麻の二人が寝ていた。  
「ねえ神裂さん。どうして神裂さんの手は俺を逃がすまいと肩をロックしているの?」  
「それはですね、捕らえた羊に逃げられる狼になりたくないからですよ」  
押し倒されている上条は冷や汗をながしながら神裂に話しかける。  
しかし神裂、当麻の話を聞きながら片手で器用にも上条の上着を脱がす。  
「ね、ねねねね、ねえ神裂さん。どうして神裂さんは俺の服を脱がしてるの?」  
「それはですね、貴方を食べるためですよ」  
上条当麻、不服。誠にだ、遺憾の意を表してもいい。  
本来ならばここは男子たる自分がリードしてなんぼだろう。  
それがなんだこの無様な姿は。いや、年上属性が好きな上条にとってリードされることは悪いシチュエーションではない。  
しかしこれは度が過ぎている。なんというか、これでは逆レイプではないか、と。  
「当麻、怯えることはありません。私に身をゆだねなさい」  
耳元で甘く囁かれる。吐息が耳にかかりゾクリと肌が粟立つ。  
同時に体がこれからの行為に期待するかのように熱を持ってきた。  
そうだ、このまま彼女に任せればきっと自分は至上の悦楽に満たされる。  
 
しかし上条、そこまで自分本位な人間ではなかった。  
 
「無理すんなって。お前もどうせ初めてなんだろ?」  
「そうですね、ですが知識が無いわけではありません」  
にべも無く反論される。これには上条もウッと唸る。  
どうも彼女はリードしたいらしいと見える。  
これでは当麻がどう反論しても暖簾に腕押しか。  
仕方ないと当麻は折れた。  
「そのさ、さっきも言ったけど俺初めてだからさ。その」  
「わかっています。優しく、してあげます」  
なんか違うんじゃないか。  
というか上条は初めてだから下手かもしれないと言おうとしていたのだが。  
 
「ン……っ。火織、それスゲェ気持ちいい……」  
「ん、ちゅ……そうですか、挟んで擦るなる行為、これほどとは」  
下着を脱いだ当麻はベッドに腰かけ、神裂の奉仕を受けていた。  
海綿体に血が巡り、硬さ大きさ共に増した剛直を神裂は舌先でチロチロと舐める。  
同時に、上着を全て脱いで彼のものを胸で挟み擦る。  
先ほどからずっとこの調子だった。  
「やばい……もう出そうっ」  
「ダメです。まだ私が満足していない」  
快感のピークを迎えつつある当麻の杭肉の裏スジ、そこを親指で強く握る。  
「ぐぅっ。ちょ、何を―――」  
出そうなのだ、しかしこれでは出せない。  
精液の通る道を指で閉じられ急き止められる。  
すでにいつ出てもおかしくは無い、その状況でこの仕打ちは辛すぎた。  
「あ……ん。なるほど、達しかけているとその分大きく硬くなるのですか」  
片手を当麻の肉棒に使っているため胸が使いづらい。  
そのため火織は思うように胸が使えない。  
仕方ないと口だけで彼のものを愛した。  
「ふふ、熱を出していた所為でしょうか。蒸れていますね」  
彼の幹肉は彼女が口に含む前から既に湿気があった。  
それを伝えられて当麻は顔を赤く染める。  
今の羞恥と、出すに出せないモノへの焦燥でだ。  
「たのむ、火織。もっと普通に……な?」  
上条はもっと普通の行為を求めていた。  
初々しくキスをして。  
互いに初めてだから恐る恐る服を脱がしあい、そのまま下手糞な前戯で互いに準備して。  
そのまま互いの始めてを捧げ合う。  
しかし今の状況は、なんというか。  
「これじゃあ、レイプみたいじゃないか」  
既に理性の薄い上条は、それでも火織に懇願した。  
射精の衝動とや下半身に温く帯びた彼女の口内の快感に抗いながらも。  
 
神裂は彼の言葉を聞いて奉仕を一旦止める。  
名残惜しそうに咥えていた杭肉から口を離し、当麻の顔を見る。  
「その、さ。我侭かもしれないけど俺は火織に何もしてないし何もさせてくれない。  
 これは、何か違うと思うぞ」  
訴えるように火織の目を見つめる。  
責めるのではなく懇願するのでもない、ただ訴える彼の眼に火織は胸が熱くなった。  
惚れた男の熱い視線だ、彼女だってそれには抗えない。  
「すいません、少し熱が入りすぎていたようですね」  
本人もやりすぎたと思ってはいたらしい、シュンと項垂れて彼から少し離れてから立ち上がる。  
そのまま特にどうすることも無く、彼の目を見つめ続ける。  
だが、その目に意味はあった。  
目で伝えている、侘びに私を好きにしてくださいと。  
「火織、その……好きだ」  
「ありがとう、私も愛しています」  
ボキャブラリーの少ない当麻には情熱的に愛を囁くことができない。  
けれど彼の愛の囁きには真摯さを感じる。  
火織には凡百の愛の囁きなんかよりも当麻の好きだというたった一言のほうが遥かにいとおしい。  
 
「俺が脱がして良いのか?」  
「ええ、貴方に全て任せます」  
裸の当麻がショーツ1枚の姿である火織の前に立つ。  
そのショーツも彼のものを舐めている間に滴った愛液で目に見えて濡れそぼっていた。  
ゴクリ、と嚥下する。  
「そ、それじゃ」  
当麻はしゃがんで彼女のショーツに手をかけ、ゆっくりと下に降ろす。  
「お、おぉ……」  
「当麻、あまりまじまじと見ないで……恥ずかしいです」  
純白のショーツの下には、彼女の秘所が隠されていた。  
降ろした下着と彼女のワレメとの間には少し白濁した蜜が繋がっていた。  
「凄いな、俺のを舐めて感じていたのか?」  
既に十分に潤い、いつでも彼を受け入れるほどにまでなっている。  
彼の言葉に明確な羞恥を感じた火織は真っ赤な顔を手で隠す。  
「言わないで、ください」  
本当に恥かしいのだろう、彼女の言葉に照れではない拒否を確認できる。  
「悪かった、言った通り初めて本物を見たからさ。少し昂ぶってんだと思う」  
「あン……っ」  
言いながら彼女の秘裂に指をねじ込む。  
陰唇を押し分けて入った指は中のヒダを丹念に擦る。  
くちゅ、くちゅり。と粘性のある水音が部屋中に響く。  
「いやらしい音がしてるな」  
「や、ンン―――っ」  
初々しい反応を見せる火織に気分をよくした当麻は指の弄る強さを1段階上げる。  
軽い音だった火織の中もグチャ、グチュっと空気の混ざる音に変わる。  
それが合図になったのか、ダムが決壊したかのように彼女の秘所から愛液が溢れる。  
立ちっぱなしの彼女のからでるその液は重力に引かれ、秘裂から太もも。  
太ももからふくらはぎへと滴る。  
「気持ちいいのか?」  
「……ひあっ、んん。はいぃ!」  
既に足腰に力が入らない火織は当麻の肩や頭を支えにしてようやく立てていた。  
その姿だけで既に蕩けているのが見て取れる。  
先ほどから絶え間なく下半身に訪れる快楽に悶える火織は当麻の髪をわしゃわしゃと手で梳く。  
「きつそうだな。それじゃあ続きはベッドで、な?」  
「は、はい」  
甘く囁く当麻にされるがままだった。  
 
「当麻っ、お願いです。それを、はやく私に……ください」  
「ん、もう良いのか?初めてならもう少しほぐしたほうがいいんじゃ」  
先ほどから当麻は彼女の膣を丹念にほぐしていた。  
指で、唇で、舌で。  
そのおかげで火織の膣口は既に熱く熱せられており、いつでも受け入れるものとなっていた。  
しかし当麻は経験が少ない。そのためどの程度が容易できている事になるのかイマイチわからない。  
だからか、まるで蛇が獲物をしとめるように、じっくりとした前戯に火織は蕩けきっていた。  
「もう大丈夫ですからぁ。早く、ください――――っ」  
涙を浮かべて懇願する火織に上条はゴクリ、と唾液を飲む。  
今まで見たことないほどに自身の欲をさらけ出している火織の姿に当麻は衝動的なものを感じる。  
普段は自分を律している火織が、今まさに色欲に溺れているのだ。  
自ら足を開き、陰唇から愛液を垂らし。涙を流しながら自身のモノを求めているのだ。  
そんな姿を見て冷静でいられるはずが無い。  
「わかった。痛かったらすぐやめるから、言ってくれ」  
彼女の足の間に埋めていた顔を上げ、自分の幹肉を握りそのまま彼女の陰唇にあてがう。  
「ふふ、貴方のその優しさが素直に嬉しいです―――んんっ!」  
硬く大きいものが中に広がった。裂けるような痛みも確かに広がった。  
しかし、  
「ん……あまり、痛くない?」  
なぜか話に聞くほどの痛みは無かった。  
だがこれは間違いなく初めてなのだ。その証拠に自分の陰唇や彼の肉棒には鮮血がにじんでいる。  
「そういえば聞いたことあるな。普段から激しい運動してる人は処女膜が裂けかけてるとか」  
腰を進めながら彼は神裂の疑問に答える。  
火織は普段から常人など比にならないほどの運動をしている。  
それならばこの状態になるのも当然といえば当然か。  
「そうですか、それは嬉しいですね」  
「どうしてだ?」  
疑問を浮かべる彼の頭を掴み、無理やりにキスをする。  
だがディープなものではなく、軽く唇をあわせるだけのソフトなものだ。  
「始めての経験は一生の思い出になると聞きます。それが貴方との行為で……あんっ。  
 気持ちの良いものであれば、それに越したことはありません」  
「……違いないな」  
本当にそれほどの痛みが無いらしい。  
上条は腰を動かす速度を更に上げた。  
 
更に、彼女の一途な想いに答えるよるに強く、けれど優しく抱きしめる。  
火織も彼の抱擁に心から愛おしさがこみ上げた。  
「当麻っ!好きですっ、ずっと……ずっと傍にいてください!」  
もはや理性も遠くなりつつあるのか、子供のように泣きじゃくり普段の彼女の理的な影はない。  
ただ一心不乱に腰を振り、彼からの快楽をより大きなものにしようと乱れる。  
当麻自身も火織の乱れた姿に気が高まるものを確かに感じる。  
彼女の膣に挿れる前に口淫をされたが、達することは許されなかった。  
そのため興奮は冷めず、常に放出の限界と隣り合わせ。  
「火織、俺そろそろ限界っぽい」  
当麻はまだ彼女と繋がっていたい、もっと彼女を感じたいと心から思っている。  
だが男のオーガズムは考えとは関係なくやってくる。  
女性のオーガズムも男性とさして違いはないが、男性よりもその達する段階が一段階違う。  
どちらかがが工夫しなければ必然的に男性が先に達してしまうものなのだ。  
そして当麻はこういった経験がない。テクニックもなくひたすらに火織の肉体を貪るだけ。  
また、当麻は彼女が初めてだから気づかないが、火織の肉壷は鍛えられているため締りが強い。  
また、ヒダ1枚1枚が細かくまさしく名器と呼ばれるものだった。  
「あぁんっ―――はぁっ。私も……もう少しで、何か来そうです!」  
しかし愛に勝る調味料はないのか、火織もいよいよピークが近づいてきた。  
股からはお漏らしのように愛液が出て肉欲に溺れているのは間違いない。  
ズボっ、ズチュっ。  
粘液の音が部屋に鳴るペースが一層上がった。  
「当麻―――っ。とうまぁ―――!」  
オーガズムが来た。  
火織は当麻より一足早く全身を強張らせ絶頂の感覚に酔いしれる。  
当麻も続いて彼女の中に己の熱を吐き出す。  
「っく……」  
「んんっ。あぁ、凄い……」  
膣内に広がる自分のものとは違う熱に火織は酔いしれた。  
 
「ほんっとーにすいませんでした」  
「……ぅ……ん?」  
上条当麻、繋がったまま火織に謝る。  
火織はいまだ余韻に浸っているのか目が虚ろになっている。  
「コンドームもつけず中に出しちまった。火織、今日は大丈夫なのか?」  
惚けた頭に彼の言葉が響きようやく理性が灯る。  
「あ……あぁ!!!?」  
どうやら危険な日だったらしい。  
火織は真っ青になった。そう思った当麻は覚悟を決めた。  
「そうか、やっぱ危険な日だったか」  
当麻は少し目蓋を閉じると少し考え、数拍の間を開けて目を開ける。  
「火織、責任は取る。お前が生みたいと思うのなら、俺はお前と子供を守りたいと思う。  
 お前が望むなら今すぐ学校だって辞めてどこにでも付いていく」  
火織の肩を持ち真剣な目で彼女の瞳を見つめる。  
その瞳に迷いや諦めなどという不純なものは一切無く澄み切った瞳だった。  
しかし火織はその瞳を見て一瞬考える。  
いや、別に彼と自分が結婚することはオールオッケーなのだ。  
ただ一つ、目前の問題が。  
「……やっぱ俺なんかじゃ嫌か?」  
返答がこない事に戸惑いを覚えた当麻は自信なさ気に俯く。  
その姿にあせった火織はあわててフォローに入る。  
「いえっ、今日は別に危険な日ではありません。ただ、私が驚いたのは」  
「驚いたのは?」  
火織はキッチンの方を指差す。  
当麻も続いて首を回す。  
いた。  
確かに、いた。  
見事に彼らの死角からベッドの行為を覗いていたのだ。  
 
「と〜う〜ま〜……人のベッドで何してるのかな〜?」  
「病気ってきいたからお見舞いに来てやったというのにアンタはぁ……」  
「ウうぇっへっへっへ。他人の不幸で飯がうまい。メシウマ状態ですの!」  
「そっか。君は自分の帰る場所を見つけたんだね」  
四人の少女達が何時からかいたらしい。  
当麻、茫然自失。  
「おーうジーザース。出歯亀ども、何時から観賞なさっていたので?」  
半ばキレ気味な当麻は女性たちに質問する。火織とまだ繋がったまま。  
彼の質問に答えるのは、  
「『火織、俺そろそろ限界っぽい』ですって。早い殿方は情けないですの」  
お姉さま一筋白井黒子。彼女であった。  
当麻グサリとくる。ぶっちゃけ性行為自体の時間はかなり短かった。  
たまたま今回は火織が先にイってくれたが次回もこうなるとは思えない。  
当麻、少しショボーン。繋がったまま。  
「当麻、先ほどの言葉ですが。嬉しいです。恐らくこれで妊娠したとは思えませんが、  
 貴方が学校を卒業し、落ち着いたごろに……その……」  
「わかってる。その時、結婚しよう。愛してる火織」  
「私もです、当麻」  
落ち込む当麻を火織がすかさずフォロー。  
結婚の予約までいれるあたりさすがバカップルといえる。  
「何が結婚よ!そ、そんなの私は認めないわよ!」  
「短パツの言うとおりだよ!とうまは絶対に譲らないんだから!」  
さり気にインデックスは爆弾発言しているが生憎全員がそれを理解できるほどクレバーではない。  
繋がったまま手と手を合わせて目をキラキラさせながら見詰め合う二人を引き剥がそうと少女ふたりは躍起になった。  
 
「我空気。故に我在り」  
「ぐえへェウへへへ。これで余ったお姉さまは確実に私のモノに」  
何だかなー、と玄関でその風景を眺めるスフィンクスだった。  
 
そして時は進み。  
 
「お父様。気分はどうですか?」  
「あ〜、すっげえ気持ちいいですよ〜」  
とある一軒家の寝室で当麻は中学生程の齢であろう女性に肩を揉んでもらっていた。  
「んっん……そうですか。お父様、最近忙しそうですね」  
当麻を父と呼ぶこの少女は正真正銘当麻の娘だった。  
高校を卒業してから当麻と火織は晴れて結婚した。  
無論その日まで彼らはコンドームや避妊をしていたのでショットガンウェディングではない。  
しかし結婚したらこっちのもの。  
毎日のように励み僅か数ヶ月でおめでたである。  
「あまり構ってやれなくて悪いな」  
「いえ、お父様も家族のために働いてくれているのです。むしろ感謝しています」  
本当に良くできた子だった。  
赤子の頃はあまり泣かず、子供に成長しても我侭を言わない。  
中学に上がっても反抗期とは無縁らしく家族を大切にしている。  
学園では物静かだが、男女問わず人気者らしい。  
絵に描いたような良い子だった。  
「けど、いきなりどうしたんだ?いきなりマッサージしてくれるなんて。  
 ん、もしかしてお小遣いの値上げか?」  
「え、いや。そういうわけでは」  
上条、はっはーん見破ったり。と得意げである。  
「いいぞ、お前なら無駄遣いなんてないだろうし、火織に頼んどいてやるよ」  
「で、ですからそういうわけでは。あ、ん……」  
よしよしと母に似た艶やかな長い黒髪をなでる。  
娘も嬉しそうに目を細めてされるがままだった。  
それから数分後。  
「当麻!あの子をみませんでしたか!?」  
火織が寝室に殴りこみをかけた。  
「ここにいるけど、どうした?」  
娘を自分の膝の上に乗せて頭をなでていた。  
娘もそれが嬉しく気持ちいいらしくとてもご機嫌だった。  
しかし火織は真逆でプルプルとチワワみたいに震える。  
「こらっ、あまり当麻と密着してはいけません!すぐに離れて自分の部屋で寝なさい!」  
火織にしては珍しく激情的にわが子に声を上げる。  
しかしその子はどこ吹く風だった。  
 
「いやです。久しぶりのお父様との二人きりの時間、邪魔をしないでくださいお母様」  
「こ・の………」  
あっかんべーをするわが子に怒りを露にする。  
「こら、お母さんにそれはないだろ」  
「ごめんなさい、お父様」  
「なんですかその態度の違いは。というか謝る相手間違えてませんか?」  
そう、火織の恋の勝負はまだ終わってはいなかった。  
今だインデックスや美琴などたくさんの女性が当麻を狙っている。  
しかも年を重ねて減るどころか逆に増えていく始末。  
そして現在、最強のライバルは――――  
「お父様、お風呂が沸いたみたいです。お背中ながしましょうか?」  
「ん、そうだな。久しぶりに洗いっこでもするか」  
愛娘であるこの子だった。  
どうも学校では随分もてているらしいが、いつも想い人がいるといって男性の告白を断っているらしい。  
その話を聞いた火織はピンと来た。  
この子、少し育て方を間違えたのでは、と。  
「中学生の娘と一緒に風呂に入る父親がいますか!?」  
火織の突っ込みに当麻は呆然とする。  
「大丈夫だって、自分の娘だぞ?」  
「そうです、家族の触れ合いというものですよお母様」  
「あああああ!近親相姦は忌むべきものですよ!」  
「ははは、何を言ってるんだ火織は」  
「ふふふ、おかしなお母様」  
 
数年経っても火織は当麻に対する愛は尽きず、一層膨らむばかり。  
当麻も同じく火織に対して真摯に愛を貫いている。  
これからも二人はおしどり夫婦としてやっていくだろう。  
二人の思春期は終わらない。  
 

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