大覇星祭の後始末も終わり、ジャッジメントだけでなく学園都市全体が安堵のため息をついていた  
そんな中、ある日の放課後ジャッジメントの詰所でツインテールの少女、白井黒子は、  
はぁ・・・、と窓に向かって切なそうな目でため息をついていた  
「最近どうしてこんなに憂鬱なんでしょう・・・」  
そんな独り言を言っていると、隣から神経を無視した言葉がとんでくる  
「白井さん!ナイーブになっても仕事は減りませんよー」  
白井はうんざりしながら隣をみる  
そこにいるのは同僚の初春飾利だ  
「わかっていますわよ。」  
言いながら、続けて  
「それにしてもあなたはいいですわよねー・・・悩みがなくて・・・」  
「なんかさりげなくひどいこと言ってますよね」  
「いいえ、実際羨ましいと思っていますのどうすればそんなに能天気になれるのやら・・・」  
白井は遠い目をしながら視線を初春に向けると、初春は眉をピクピクさせながら右手の拳をぷるぷるさせていた  
「し、白井さん?ちょっと殴ってもいいですか?  
 白井さんだって御坂さんの事しか考えてないから頭が正常な動きをしないんですよねー」  
凄まじく嫌味そうに初春が言葉を吐くと、  
なんですって!?と白井は椅子をガターンと鳴らせ、うつむいていた体を持ち上げる  
「わたくしだって他の・・・  
 例えばあの類人猿の問題などにも頭を抱えていますのよ!」  
白井はあの少年のことを思い出してわなわなしていると、  
初春はへーっ、と感心し、上品とは言えないであろう笑みを浮かべてニヤニヤしていた  
「な、なんですの?」  
白井が焦ったような顔をすると  
「最近『あの類人猿』って言葉をよく使いますよねー もしかして・・・」  
白井は目を見開き、  
「へっ、変な勘ぐりはやめなさい!!わたくしは男なんかに興味は持ちませんのよ!」  
白井はやや興奮気味に叫んでいるが、対して初春は楽しそうにおちょくっているようだ  
普段から白井は初春にあしらわれているため、初春のほうが口論では上なのである  
「えーっ、私はそんなことまで言ってませんよー?  
 最近ため息多いのもその人が原因なんじゃないですかー?」  
いかにもわざとらしい初春の言葉に、  
なぁっ!!??、と白井は仰け反りつつ反論して  
「そ、そんなことはあり得ません!!わたくしはお姉様一筋ですのよ!」  
白井は顔を真っ赤にして否定する  
「そうですか・・・じゃあ頑張ってください!」  
「ち・が・う、と言ってるのが聞こえないんですのぉぉぉ!?」  
白井はテレポートを使い、初春の背後に一瞬で回り込むと、こめかみに拳をあててぐりぐりとひねりを加えていく  
「いっ、痛い!白井さん!痛いってばーッ!!」  
こうして時間は過ぎていった・・・  
 
ジャッジメントの仕事もなんとか終わり、白井は女子寮へ帰宅した。  
ただいまですのー、とドアを開けても灯りはついていない  
「お姉様ぁ?いないんですのー?」  
しかし返事もない  
「最近帰りが遅いですわねー・・・お姉様・・・」  
白井は少し考えて何かに気付いたのか、思わずバッと顔を上げた  
「まさかっ!!あの類人猿と間違いを毎日のようにっ!?」  
白井は大変なことを想像してしまったことと、にっくき類人猿が頭をよぎったことに虫酸が走っていた  
「おのれあんの若造がァああ!お姉様に何かしやがったらぶっ殺してやるですの!!!」  
白井は鬼のような形相でフー!フー!と息をあらげている  
いくら他人を助けるために命を張れる人間でも、愛しのお姉様を好き放題していいはずがないと思っていたのだ  
しかしあの少年が自分を助けてくれたことに変わりはない  
白井を押し止めているのはそこなのだ  
「(このわたくしが借りを作ったままだなんて・・・)」  
怒り心頭の中、白井は少年への恨みと、助けてもらったことに対する感謝の気持ちで、もどかしくなっていた。  
複雑な気持ちに訳が分からなくなる白井はベッドに倒れ込むと、自分のプライドと美琴への愛に葛藤していた  
「(あのとき、結標淡希の攻撃からわたくしとお姉様を救ってくれたのはあの方・・・  
  あの方がいなければ・・・)」  
白井は枕を抱き締めつつ考える  
気付かぬ内に頭の中を埋め尽くすのは『彼』だった  
ハッと気付き、  
「(だっ、ダメですの!類人猿を『あの方』だなんて!)」  
白井はブンブンと首を振って、自分は何を考えているのかと何度も枕に頭をぶつける。  
しかしあの少年に対する抵抗は既に空回りしていたため、どうしていいかわからなくなってしまった  
「(わたくしは・・・どうすれば・・・)」  
白井は自分でもわからない感情に支配されていた  
「(まさか・・・本当に・・・今日初春に言われたことが・・・)」  
しかしそれは敬愛する美琴への最大の裏切り・・・  
「(いやっ!そんなはずがありませんの!このわたくしが男に興味を持つなど!・・・くぅ)」  
白井は枕を噛みつつ、心の中で必死にその感情を否定する  
助けてもらったことには感謝しているが、それとこれとは別だと言い聞かせているのだ  
「(そう、別なんですのよ・・・あんなの勇敢な姿を見せられてもわたくしは・・・)」  
白井はまたハッと気付き、すぐさま我に帰る  
「な、何を考えてるんでしょうわたくしはっ!!は、早く寝る準備でもしましょう・・・」  
こうして白井は結局あの少年のことしか考えてないことに気付かないまま、夜は更けていった。  
 
しばらくして部屋のドアが開いた  
ただいまー、っと入ってきたのはもちろん美琴だ  
「あれ?黒子もう寝る準備してんの?」  
能天気な言葉がとんでくる  
何を言い出すのかと白井は眉をピクピクさせながら美琴をにらむ  
「お姉様?一体こんな遅くまでど・ち・ら・へ?」  
静かなる怒りに満ちた声だ  
美琴はその声にたじろぎながら  
「えっ!?べっ、別にどこにいたっていいでしょ!?」  
なぜだか顔を赤らめている美琴に、白井は戦慄を覚える  
「お姉様!?まさか!あの類人猿とはしたないことを!?」  
白井は美琴の返答を考えていた  
いや、考える以前に、否定以外の返答は彼女の選択肢に含まれていない  
美琴はビクッっとした  
「なぁ!?そっ、そそそそそんなわけ無いじゃない!」  
・・・確かに否定はしている  
が、こんな返答で納得する馬鹿はそうそういない  
もはや肯定にしか聞こえないと言っても過言ではないのだから  
白井はその瞬間、魂が抜けるかと思い、言葉を紡ぐのが精一杯だった  
「そんな・・・お姉様・・・」  
「だから違うってば!そもそもアンタには関係ないじゃない!」  
放心状態である白井に対し、美琴はこの期に及んで清廉潔白を訴える  
さらに白井は聞き捨てならぬ言葉に反応した  
放心状態から復帰し、結局最後は関係ないと来たか、と思いムッときて  
「わっ、わたくしはお姉様の身を安じて申し上げているのに・・・」  
「何いってんの?私がアイツといても危険なんか無いわよ!」  
美琴は顔を赤らめつつ続ける  
「だってあっ、アイツは強いし・・・その・・・優しいし・・・」  
白井は美琴がもう否定はやめたのだと悟り、核心へと迫る  
「やはりお姉様はあの類人猿と!?」  
「わっ、私がアイツといようと黒子には関係ないでしょ!?」  
白井は一番聞きたくない言葉を聞いてしまった  
完全なる肯定だ  
既成事実まではいってないとしても、普通の関係で無いことは確か、と  
その上、美琴を一番愛しているのは自分なのに  
凄まじいショックを受けた白井は  
「そ・・・んな・・・お姉様を一番に想っているのはわたくしなのに・・・」  
「いや友達としての言葉だったら嬉しいんだけどさ、あんたの場合は色んな意味が含まれてんでしょ?」  
「わたくしのお姉様への想いが友達程度なはずがないでしょう」  
美琴はゾッとしながらも  
「だからさー、アンタは私じゃなくて好きな男でも作りなさいって」  
白井は何を言っているんだ?と言わんばかりに目を見開いて  
「おっお姉様が既に『あの方』がお好きで充実しているからって、わたくしにまで押し付けないで下さいですの!」  
美琴はまたもビクッっと反応して  
「なっ、ななな何で私があの馬鹿のことが好きだって決めつけてんのよ!  
 しっ、しかも何で『あの方』って言葉が優しくなってるわけ!?」  
 
白井は予想外のツッコミに内心ビックリして言葉を詰まらせながら  
「やっ、優しくなんてなっていませんのーっ!  
 それよりも、いーっつも『あの馬鹿』の話ばかりして  
 あげくの果てに身体まで預けていらしているのに・・・  
 まだ好きではないと仰るんですの!?」  
美琴はこれ以上無いくらい顔を真っ赤にして否定する  
「だから!その・・・そんなことしてないってばっ!  
 それと、話をそらさないでよ!もしかしてアンタはアイツのこと何か想ってるわけ!?」  
白井は初春に言われたことを思い出したが、顔を真っ赤にしながらそんなはずはないと否定する  
「助けてもらったことに対する感謝はしていますわ・・・」  
美琴はそれを聞きながらも、それはアイツの性分なのだと言い聞かせ、必死に白井を彼から遠ざけようとする  
「アイツは誰でも助けるから、アンタはそんなこと気にしなくていいのよ!」  
しかしそうはいかない  
白井は自分が『感謝もできない安いプライドの持ち主』だとは思われたくない  
ただでさえお嬢様なのだから有頂天と言われても仕方がないのだ  
「そうはいきませんのわたくしにだってプライドがありますわ  
 借りを作ったままなんてごめんですのよ」  
借り・・・美琴はそれが不吉な言葉に聞こえる  
かつて自分がそうだったように、そんな理由をあの馬鹿の元へ持っていけば  
何が起こるのやらわからないし、わかりたくもない  
正直とても不安なのだ  
「どっどうやって借りを返すつもりよ!?」  
白井は何気無く言った言葉に反応されて少し考える  
しかし流れからして美琴の言葉はやましい言葉にしか聞こえない  
「おっお姉様は何を考えていますの!?  
 わたくしはそんなはしたないことは考えていませんのよ!」  
美琴は自分が言った言葉に大変な意味が含まれていることには気付いていたが、流れ的に言ってしまったのだ  
だが否定しなければならないと考え、  
「そっそんなこと一言も言ってないじゃない!  
 黒子はいっつもそんなことばかり考えてるわけ!?」  
なっ!?と、白井は反応して  
「誤解を招くようなことを言わないで下さいですの!  
 お姉様はいやらしいったらありゃしませんわ!」  
「な、な、なに言って・・・  
 くっ黒子がいつも変なこと考えてるからそういう風に考えちゃうんじゃない!」  
「だからお姉様っ!!誤解を招くようなことは言わないで下さいって言いませんでした!?」  
もはやどっちもどっちである  
ギャー!ワー!言ってる内に時計は0時を指していた  
 
その後の壮絶な口論の末、美琴はぜーはーと息を荒げながら  
「結局アンタはあの馬鹿のことどう思ってるわけよ!」  
完全に主旨が変わっていることに二人は気付かない  
長きにわたる口論のせいで感覚が麻痺しているらしい  
「お姉様はあの方に何の感情も抱いてないんでしょう?  
 なーら気にしなくていいんじゃないんですのー?」  
もう端から見ればお嬢様のいやらしい嫌味である  
「そっそうねっ!気になんかならないけど・・・  
 ほっほら!アンタを応援してあげようかなーって思ってるのよ!」  
美琴は口が滑って心にも無いことを言ってしまい、少し後悔するが、大丈夫だろうと油断していた  
白井は無理ばかりして・・・、と思っていたが、こうなったらとことんカマをかけてやろうと思って  
「そうですの・・・ならわたくしがあの方を貰いますわよ?」  
だが白井は自身が本心から言っているのではないのか?と内心ドキドキする自分がいることに気付いた  
「えっ?なっなに言ってんのよ!?」  
美琴は始め白井が何を言っているのか理解できなかった  
なぜなら言いたくはないが、黒子は自分のこと一筋のはずだ・・・と  
そう考えてるうちに白井の言葉が返ってくる  
「わたしくしにだって感謝の気持ちはありますもの・・・  
 それに・・・」  
白井は『それに』の後に続く言葉を発しようとするが、自分が何を言おうとしているのかがわからなくなった  
「だっだめよ!」  
考えようとする前に美琴からの声で思考が中断される  
白井は思考の再開を止め、美琴への迎撃に移ることにした  
「あら、応援してくださるのではなかったんですの?」  
美琴はぐっ!、と言葉を詰まらせヤケクソ気味に  
「おっ応援してあげるわよ!」  
どうあっても認めない美琴に白井は最後の手段にでる  
「では明日あの方を部屋にお招きしますので、お姉様は気になさらないでくださいね?」  
白井はそう言っている自分の体が熱くなっていることに気付いていた  
それは何故かという具体的なことが白井にはわからない  
男に抱くこんな感情は初めてで、あの少年に少し特別な感情を抱いているだけだとしか解釈できなかったようだ  
そんな風に赤面している白井を見て、美琴は青ざめた  
何度考えても言葉の意味がわからないし、あの少年をとられるかも知れないと考えたからだ  
美琴は混乱しつつ言葉を詰まらせ、  
「あっ明日!?こっここに!?そんな・・・何するつもりよ!」  
表情の上では余裕を取り繕っていた白井も、少年を呼んで『何をする』のかを考えた瞬間顔が真っ赤になった  
そして顔を枕に押し付けながら白井は言う  
「お姉様が・・・お考えになられていること・・・ですわ」  
もう白井は美琴の顔を見る余裕はない  
こんなに恥ずかしい気持ちは初めてなのだろう  
枕で顔を隠している白井を見て、美琴はさらに青ざめる  
「そんな・・・本気なの・・・?」  
「本気です・・・もうこれ以上話しかけないで下さい  
 これ以上考えたら頭がおかしくなりますの・・・」  
白井はさらに枕を強く顔に押し付けた  
ここまで真剣になられたらさすがの美琴も批判はできない  
彼は自分のものではないのだから  
少しばかり人に言えないことをしたからといって、両想いかどうかなんてわからない  
美琴は彼に『可愛い』とは言われたことはあるが、一度も『好き』と言われたことはないのだから  
それに独占欲丸出しで彼に選ばれなかったときのことを考えると惨めでしょうがない  
「ええい!わかったわよ!勝手に呼べばっ!」  
もう完全にヤケクソだ  
白井は気持ちに押し潰されそうになりながら、力を振り絞って、「はい・・・」と一言  
美琴はもうどうしていいかわからなかった  
彼への想いはその程度だったのかと自分に問いただしながら小さく、小さく、ぐぅっ、と声をだし唇を噛み締めた  
 
翌日。  
上条は放課後、常盤台中学女子寮の前にいた  
なんだかよくわからないうちに、なぜか赤面している白井黒子に  
「きょ、今日の放課後にわたくしの・・・部屋に・・・きっ来てください!」  
と言われたのだ  
他に用事があるわけでもないし、どうせ御坂に関することだろうと思って、一応来てみたものの  
インターホンを押しても反応がない  
「(あれ?まだ帰ってないのか?)」  
首を傾げる上条にワンテンポ遅れてはい、という応答がくる  
「白井か?」  
「ッ!?・・・そうですの・・・」  
なぜか返答のテンポが遅いし声も小さい白井に上条は危機感を覚える  
上条は直感でわかる  
これはまずい、不幸の前兆だ  
何かとんでもないことが起こる、と  
だがインターホンを押したからにはもう遅い  
進めば不幸、戻れば死  
そして上条は進んでいった  
「俺の運命って一体・・・」  
悲運を告げる捨て台詞を残して  
その頃女子寮の部屋には、御坂美琴と白井黒子がいた  
昨日の壮絶なる戦いの弊害で、不穏な空気が漂う  
上条とのインターホンごしの会話を済ませた白井は赤面しながら枕を抱き締めてベッドに座っている  
そんな白井を見て美琴は耐えきれず、  
「アンタ本当に呼んだのね」  
と低い声で一言  
白井は、はい・・・、と小さな声で頷いた  
美琴はこんな黒子を見るのは初めてだと驚きを隠せない  
 
そんなことを考えてるうちにドアがノックされる  
「上条だけど、寮監に見付かったらヤバいんだろ?入るぞー」  
ガチャッ、と鳴る音に二人の少女はビクゥッと反応する  
「あ、あのー・・・今回は入るタイミング間違ってませんよね・・・  
 なにゆえお二人はそんなにシリアスな顔をしているのでしょうか?」  
二人の少女は無言のまま上条のほうへ向いている  
「ちょっと待ってください!御坂さん白井さん!  
 かっ上条さんは最近多分恐らくお二人にご迷惑をかけた覚えはございませんよ!?」  
一人でテンパっている上条に、白井が口を開く  
「い、いえ・・・こっ、今回お呼びしたのは・・・そっその・・・」  
白井は照れすぎて言葉が続かない  
そんな白井をみて美琴はビクビクしている  
そしてとうの上条は『?』がいっぱいだ  
白井は力を振り絞って上条に告げる  
「こっこの前助けて頂いたお礼を・・・その・・・しようと・・・」  
「助ける?あぁこの前のやつか!別に礼なんていらねーよ、大したことしてないし」  
「そうはいきませんの」  
「そうか?別にしてくれるなら断る必要ねーけど・・・  
 んで、なにしてくれるんだ?」  
白井はその言葉にビクゥ!と反応して耳まで真っ赤にしてうつむく  
そんな白井を見た上条は何かに気付く  
「えっと・・・あのー、上条さんはそんなステキイベントには期待しておりませんのよ?」  
そこに美琴が口を挟む  
「アンタ!やっぱりそんなこと考えて!」  
美琴は髪の毛を逆立ててバチバチさせている  
「みっ御坂さん?何をビリビリしていらっしゃるのでしょうか?」  
そんなことを言ったところで止まらない止まるはずがない  
「まて!待つんだ御坂!  
 俺は決して白井の言葉にやましいことを期待していたとかそういう訳ではなく  
 だからそのあれだつまり色々とすいませんでしたー」  
「こんのエロ野郎がァあああッ!!」  
美琴の(二度目)の鉄拳制裁が飛んでくる寸前、白井が割り込む  
「やめてくださいですの!」  
それに上条と美琴は一時停止する  
白井はその後、両の手を胸元で握ったまま優しく上条の懐に倒れ込んできた  
 
純情少年上条当麻は心臓をバコーンと撃たれた  
「しっ、ししし白井さん!?何を!?」  
「あなたが考えていることですわ・・・あなたの想像は間違っていませんの」  
健全なる高校生、上条当麻は理性を最大限に展開!だが・・・  
(ぬおっ!白井の甘い髪の香りが!柔らかい手が! ぬあああ!)  
内なる上条が告げている。もって30秒だと  
「しっ白井!上条さんの理性の強さを過信しているぞ!」  
必死に訴える上条。しかし白井はもう決めていた  
「好きにしてくださればいいんですのよ・・・」  
もはや上条の理性はオールレッドだ  
「わたくしに恥をかかせないでください・・・」  
その言葉に、上条の理性と言う名の鋼の鎧は粉砕された  
ガバッと白井を抱き締めベッドに倒れ込む  
白井は指一本動かせないくらいカチコチに凍りついていた  
一方、美琴は白井が上条に寄りかかった辺りから呆然と立ち尽くしていた  
しかし上条が白井を押し倒した瞬間我にかえる  
へなへなと力が抜けた様に床にへたりこむ  
結局誰でもよかったのだと  
その気持ちは自分だけに向けられてはいなかったのだと  
美琴は泣きそうになった  
「ぁ・・・」  
白井はそんな美琴を見ていた  
そして上条の顔に視線を戻す  
「上条さん・・・あなたはお姉様のことをどう思っていますの?」  
上条はいきなりの言葉に怯む  
「なんで・・・そんなことを・・・」  
「なんでってお姉様はあなたのことが好きなんですのよ?」  
 
上条は衝撃を受ける  
それ以上に美琴は唖然としている  
「どうなんですの?」  
上条は一度美琴を見て、一拍おいてから答える  
「そりゃ・・・好きだよ・・・」  
美琴は頭が真っ白になった  
心臓の鼓動が早まり、手に汗がにじむ  
白井はやはりという顔で、  
「ならなんでわたくしを・・・抱いていますの?」  
結局白井は仲介役という損な道を選んでいた  
それは愛する美琴のため  
しかし自分が上条に抱いた感情は嘘ではない  
だがそれ以上に、美琴が悲しむ姿、悩む姿など見たくはなかったのだ  
一種の諦めのような感覚に、白井は視線を美琴に向ける  
もう自分の役目は終わったのだと  
そんな白井を見て上条は言う  
「これはお前が望んだことなんだろ?」  
と、あまりにも単純な答え  
同時に服を脱がされる白井は驚く  
「えっ!?だっだめですの!・・・って、あッ!」  
あっという間に下着だけにされてしまった  
予想外の展開に脳の処理が間に合わない  
「なっ、なんでこんなに手慣れて・・・ぁあッ!」  
「御坂でやってるからな」  
「ッ!?」  
白井は驚く  
美琴があんなに否定していた事を簡単に暴露する  
それよりも驚いていたのが美琴だ  
「なぁ!!??あっ、アンタ!なっ、ななななにいってんのよー!」  
顔を真っ赤にして叫んでいる  
しかし上条に振り向かれた瞬間美琴はうつむく  
そんな美琴に上条は  
「お前もくるか?」  
そんな一言を聞いて、三人の夜は始まったのだった  
 
 

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