「はじめまして、えぇと……上条当麻さんですよね?私初春飾利っていいます」  
「おう、よろしくな。今日は巡回だっけか、さっさと行ってさっさと切り上げようぜ」  
どうも最近危険な能力者が増えたらしい。初春のような戦闘向きではない者にも巡回指令が回っている。  
もっとも、指示を出すものも無能ではなく本当に実戦における実力の無いものにはペアをあてがうことになっている。  
だから初春には上条がパートナーになることになった。  
「は、はい!それでは頑張りましょう!」  
「お〜、はりきってんだな。まぁ警察官が下着ドロするようなこのご時世、巡回は大切だよな」  
 
そんなこんなで1時間巡回した彼らは一息つこうとクレープ屋に立ち寄った。  
「つまりですね、私は上条さんよりもジャッジメント歴が長いわけなんですよ」  
「さいですか。で、上条さんにどないせーっちゅうねん」  
「つまりここは私を先輩と呼んでも罰は当たらないといいますか」  
この場のすぐ近くに初春の友人達がいた。  
それを確認した初春は彼女たちにかっこいい所を見せようとしてたりする。  
向こうは気づいていないらしく横を向いて歩いているが、まあ数歩歩いた頃には気づく距離だった。  
「はいはい、大先輩初春さん。話をあわせてやるから話しかけて来いよ」  
「あ、ありがとうございます!」  
手をヒラヒラさせる上条にぺこりと一礼して初春は友人のところへ走っていった。  
その後姿は年相応に子供らしいというか、微笑ましかった。  
「俺のほうは楽だけど、アイツの方はどうなんだろうな〜」  
くあーっと欠伸をしてテーブルに肘を付きボケーっと思いを馳せる。  
なんかもうこのまま寝ちゃいたいくらいだった。  
せっかくの土曜なのに巡回で早起きとかマジでくたばる5秒前なのだ。  
 
で、そのアイツはというと。  
 
「お兄さまと一緒にいられないのは寂しいですが、お姉さまがいるのなら黒子はなにも辛くないのですの!」  
「なに?もしかして黒子、アンタあいつに惚れてるワケ?」  
「もちろんですわ。ですがお姉さま、勘違いなさらぬよう」  
「……勘違いってなにがよ」  
「黒子はお兄さまもお姉さまも等しく愛してますの。だからこそどちらかを選ぶなど、とてもとても」  
「は?もしかしてアンタ」  
「ご察しの通りですの。わたくしはハーレムを決意しました!」  
どうも彼女は上条と美琴両方を手に入れるつもりらしい。  
「お姉さまがお兄さまとわたくし。お兄さまがわたくしとお姉さま。わたくしがお姉さまとお兄さま。  
 ああ、なんという幸せな未来予想図!黒子は……黒子はぁっ!」  
ここは公共の場。でも感じちゃうっ、ビクンビクンとクリムゾン状態している黒子。  
美琴は冷静さをパージ。  
泣きっ面に蜂。踏んだり蹴ったり。正にファッキンジーザス。  
美琴、涙がちょちょぎれる。  
 
「え〜、俺はジャッジメントでは初春さんの後輩にあたる〜……  
 え〜と。上条当麻だ、よろしく」  
「あはは。上条さん、初春にヨイショなんてしなくていいですよ。ばればれですし」  
即効気づかれたらしい、やれやれと頭をボリボリかく。  
初春も上条のへタッピな演技にあきれたらしく涙目でクレープをかじる。  
「いいのか?もう友達行っちまったけど」  
「いいんですよ。皆この後彼氏とデートがあるとか言ってましたし」  
「……最近の子はマセてるというかなんと言うか」  
「いやですよお父さん。あなたもまだまだ現役です」  
どうやら上条の言葉にボケをいれたらしい。  
なかなか好印象だ、上条は気分が乗ってくる。  
「佐天さんだっけ。アンタは彼氏のとかいないのか?」  
「随分と踏み入った質問するんですね〜。そういう言い方って勘違いを招いちゃいますよ?」  
「ん?なんか変な言い回しだったか?」  
どうやら天然で言ったらしい。佐天もそれ気づいてほくそえむ。  
「あはは、あたしには彼氏なんていませんよ。や、欲しいとは思うんですけどね。  
 別に選んでるつもりは無いんですけど、なかなか良いなと思う人がいなくて」  
なるほど〜、と初春と上条はうなずく。  
まあ色恋沙汰は焦っても仕方が無い、なるようになるだろう。  
と、上条は思っていた。  
思っていたので、言ってみる。  
「俺なんかどうだ?」  
見たところ佐天は女の子していた。  
要するに化粧や髪型、服装などおしゃれに人一倍気を使っているという意味だ。  
上条も一応おしゃれは気にしている。  
つんつんとはねた髪型だっておしゃれを気にしてこうしている。  
で、平均レベルに男の子している自分ならどう断ってくるか期待して聞いてみたわけだ。  
「ん〜、ごめんなさい」  
即効で断られた。  
断られることはわかっていたが、さすがに即答は傷つく。  
「その理由は如何に?」  
「やっぱり付き合うなら互いに仲良くなってから出ないとなんか……ね?」  
「ああ。友達発恋人行きが理想って訳か。うん、別にいいんじゃね」  
納得したと頷く。  
容姿がキモいとかウザイとか生理的に嫌とかブロークンファンタズムされる類じゃなくてよかったと思っているだけだが。  
「初春はどうなんだ。好きな奴とかいないのか?」  
「わ、わたしですか!?その〜、えと……」  
まさか自分に振られるとは思いもしなかったらしい、慌てふためく。  
「あたし、この子と同室に住んでるけど多分そういうの無いと思いますよ」  
「ちょ、佐天さん!わたしにだって彼氏の一人や二人!」  
「いや、二人以上いたらさすがに拙いだろ」  
すかさず突っ込みを入れる上条。  
そこで一拍の停止。  
「っぷ」  
「っくく」  
そんな流れに噴出す少女二人。  
「面白い人ですね、上条さん。いいな〜初春。上条さんみたいな人と一緒に仕事できてさ」  
「そうですね。少しいい加減っぽいですけど」  
微妙に皮肉が混ざったような言い方で返答。  
これには上条グサっとくる。  
「俺だってやるときはやりますよ?」  
男の沽券に関わるといきり立つ。  
「まあまあ、あたしは期待してますから落ち着いて」  
「なんだその馬鹿にしたような言い方はぁ!あれか、上条さんはそんなチャラ夫に見えるのか!?」  
 
「いや、佐天。お前は帰れよ」  
「ひどいっ、そんなに初春と二人っきりをご所望なんですねっ。どうせあたしなんて」  
「佐天さん……ひどいです上条さん。男性の風上にもおけないとおもいます」  
「え、なによこの流れ」  
女揃えばかしましいというが、流れで弄られ続ける上条はストレスたまりまくりだ。  
「一応巡回もジャッジメントの仕事だろ、もしかしたら事件に遭遇するかもしれないし。  
 その時無能力者がいたら危ないっていってんですよ」  
そう言われると途端に佐天の表情が曇る。  
「無能力者……そうですよね。無能力者は足手まといになりますよね」  
「いや、足手まといまでは言ってませんが」  
すかさず初春がフォローするが聞いてはいなかった。  
「質問ですけど上条さんは何レベルなんですか?興味あるんですよ」  
聞き方は丁寧だが声質にどこかトゲを感じた上条は困惑する。  
また拙ったかと思うが、いまさら言い訳をしてもしかたない。  
「聞いて驚け。上条さんはな、レベル0なのです。凄いだろ、無能力者だぜ?」  
「あれ、でも上条さんはジャッジメントの関係者じゃ?」  
「まあお手伝いだからな、能力なんて無くても雑務とかできる。俺もそんな感じな立ち位置だよ」  
胸を張って宣言する。  
実際右手の能力があるが、レベル0なのは間違いではないので嘘ついてはいない。  
「でも、レベル0じゃ能力者と争って大丈夫なんですか?」  
「程度によるよ。そりゃ御坂みたいなのに当たったら即死するだろうけどさ、  
 ほれ、初春にケンカでん負けると思うか?」  
「いえ、思いませんね」  
その通りだ。  
実際、無能力者対能力者の戦いで覆せないほどの差があったら土御門だってとうの昔に臨終している。  
一応不利なことは間違いないのだろうが、よほどのレベル差が無い限り絶対無理とは言い切れない。  
しょっちゅう能力者などに対峙している彼だからこそよく理解しているのだ。  
「そういうこと。といっても、学園都市だと能力あったほうがお得なのは否めないが」  
「まあそれはありますね。けど、ふ〜ん。なんだ、そう言うことなんだ」  
佐天も何か上条の言葉に思うことがあったらしい、しきりに頷いていた。  
「佐天さん、首カクカクさせてて鳩みたいですよ」  
「うっふっふ。あたし悟ったかも」  
ニヤニヤと笑いながら初春の言葉に気づかない。  
普段なら突っ込みが来るところなのだが。  
「つまりあれですよね。たとえ能力者でも学園都市でなければ社会的立位置にそんなに差は無い。  
 そんな風に考えていたんですよね?凄いな〜、あたしとそんなに年変わらないのにそこまで考えてたなんて」  
「いや、悟りすぎだから。俺そこまで考えてなかったし。上条さんもう少しチャランポランですよ」  
勝手に感動している佐天をほって初春と上条は歩き出した。  
「じゃあな、気をつけてかえれよ」  
「佐天さん、また後で〜」  
手を振る二人。  
「いや、あたしも付いていきますよ。能力無くても自分の身だってまもれますから」  
「「え〜……」」  
 
「ジャ、ジャジャジャジャ……ジャッジメントです!」  
「いや、そんなジャジャジャーンみたいな宣言してもな」  
「なんだお前ら」  
不良がよくたむろしている箇所を集中して探索したら案の定見つかった。  
たむろしているだけなら問題ないのだが、カツアゲ中なのが拙い。  
初春は正義感で飛び出したのだが、上条が続くことになった。  
もっとも、初春が出なかったとしても彼なら自分から不良に向かっただろうが。  
「だからジャッジメントだっつってんだろ。ほれ、この腕章が見えねえのかよ」  
「それ偽者だろ。縫い目が本物と違うぜ」  
「なにぃ、目ざとい奴だなおい」  
その通りだった。上条はジャッジメントではない。その為権威がつかえない。  
それに見かねた黒子がわざわざ用意したまがい物が今つけている腕章だ。  
「そ、その〜。私は正真正銘ジャッジメントです。ですからその、大人しく連行されてください」  
「そんなわけにいくかよ」  
「ちょっ、初春危ない!」  
能力者らしい男が一瞬で初春の目の前に一瞬で現れる。  
いち早く気づいた佐天が止めようとするが間に合わない。  
チンピラは初春を殴り飛ばそうとする。  
「はい、ストップ〜」  
「あだぁ!?」  
しかし上条はきわめて平凡にチンピラを横から蹴り飛ばす。  
「ったく、この手の人たちは話通じねえから目立つこというなよ」  
「か、上条さ〜ん……」  
助けられた初春は腰が抜けたらしくその場にへたり込む。  
目も潤んでとてもジャッジメントには見えない。  
「おい、お前ら。え〜と、暴行傷害の現行犯だ。連行決定ですよ」  
相変わらず法的な通知は苦手な上条。いちいち締まらない。  
とりあえず不良達に歩み寄る。  
「うぜえ、死ね」  
不良の一人がナイフを突き出す。  
しかし寸での所でカウンターを入れる。  
「ぐえ!」  
「……あぶなかった〜」  
だがジャッジメントに関わってからそういう凶器の対処の仕方に慣れてきた上条は危なげながらも対処する。  
その動きに不良も大層あせる。  
普通にやっては勝てないとふんだらしい。  
実際のところ、一気に集団で襲ったら上条は無能力だから勝ち目がないのだが、  
不良たちには仮にも『ジャッジメント関係者』として映っている。きっと能力者と踏んで迂闊に突撃できない。  
「おお〜、なんだか手馴れた感じで頼りになってるじゃない」  
「ですね。わたしも始めて上条さんと仕事することになったけど、かっこいいと思います」  
「あら〜?もしかして惚れちゃった?」  
「そ、そんなんじゃないですって!」  
「は〜いお嬢さんたち。ちょっと失礼」  
「え?」  
「なにアンタ?」  
「シャラーっプ」  
あっという間に上条の後ろにいた二人が捕らえられた。  
「おいてめぇ!そこ動くな!」  
「は?って、初春と佐天、なにやってんですか!?」  
「ごめんなさーい、つかまっちゃいました。てへっ」  
可愛くごまかす佐天に大きなため息を吐く上条。  
どうも場を離れていた不良の仲間が帰ってきて彼女たちを捕まえたようだ。  
「おいてめぇ、こいつら傷物にされたくなかったら抵抗すんじゃねえぞ!」  
「なんだこのリンチフラグ。駄フラグばかりの上条さんが今度は死亡フラグ建てたっぽいぞ」  
言い方はおちゃらけてるが内心滝汗な当麻。  
捕らえられた二人は首もとのナイフに怯えて脱出は無理そうだ。  
これは終わったかな〜っと他人事のように考えてる。  
「わかったわかった。好きにしろよ」  
 
「おいおい、やりすぎじゃねぇ?」  
「いや、あとは余計なことを言われないようにノドも潰しとこうぜ」  
コンクリートにはボロボロの上条が倒れていた。  
左腕はおかしい方向に曲がり、顔には青あざだらけ。  
倒れている箇所には血の後が大量にできている。  
どう見ても入院レベルの重症を負っていた。  
「も、もういいじゃないですか!はやく病院に連れて行かないと死んじゃいます!」  
「そうだ!上条さん死んだらあんた達殺人なのよ!」  
「おいおい、他人事じゃねえんだぜ。お前達にもチクられちゃ困るんだからな。  
 脅しをかけなきゃなんねぇんだ。なぁに、ちょっと恥ずかしい写真取るだけだ。  
 大人しくしてりゃ痛い目みねえから安心しな」  
首にナイフを当てられて身動きの取れない二人に無慈悲につげる不良。  
地面には意識があるのかも怪しい上条の体。  
状況は絶体絶命だった。  
「このっ……」  
だが勝気の佐天はこのままじゃ済ませない性格をしていた。  
「いい加減にしろ!」  
「ぶあっ!?」  
窮鼠猫をかむ。佐天は油断しきっている不良に思い切りヘッドバットをかました。  
地面に倒れた不良の手を思い切り踏む。  
強烈な痛みに耐えかねた不良はナイフを離してしまう。  
そのまま流れるようにナイフを奪い取った。  
「で、どうすんだ?そんなナイフで俺らを倒せるとでも?」  
倒せるわけが無かった。  
向こうはまだ3人もいる。能力者だってそのうちの一人いる。  
しかしこっちはナイフを持った小娘1人に戦力外の初春一人。  
これで勝てるわけがない。  
「あたしが、あたしが能力者だったら……こんな奴ら」  
自分の使えなさに頭にくる。  
自分の身すら守れず上条さんには迷惑をかけて、倒れている上条さんを助けることもできない。  
本当に情けない。  
「そんじゃちょっと痛い目みてもらおうかね!」  
能力者の一人の周りに炎が現れる。  
発火能力者らしい、火力の程度はそれほど高くないけれども、一般人の佐天や初春には対処できないだろう。  
能力者は炎を握り振りかぶる。  
「くそ……っ!」  
そのまま投げつけられた火球を目前に涙を流す佐天。  
 
しかし、その炎は佐天に届かなかった。  
佐天と能力者の間に上条の右手が伸びていたのだ。  
「あ〜イテテ。こんなんなるまで殴りやがって、左腕なんて使い物にならねえじゃねえか」  
「あぁ?」  
ズタボロな上条がフラフラと立ち上がる。  
だが立ち上がったのは良いが目の焦点が合っていない。  
「うお、世界がゆがんで見える。こりゃすげぇ」  
意識も虚ろで立っているのがやっとなのだろう、これでは不良と戦ってもまず勝ち目が無い。  
「上条さん!大丈夫ですか!?」  
初春が叫ぶように聞くが聞こえているのか、フラフラしている。  
だが、突然その体の揺れが収まると目に光が宿った。  
「お前ら、ついてねーな。ついてねーよ」  
 
「左腕骨折。頭蓋骨および右足のヒビ。重度打撲数箇所。  
 凄いね、こんな状態で歩いて病院来れるなんて。これが人体の神秘といったところかな」  
「これどのくらいで治りそうですかね?」  
「うん?まあ見た感じ長くても1ヶ月もあれば完治かな」  
「骨折って一ヶ月で治るものだっけ」  
「いや、長くても1ヶ月だからね。多分もっと早くなおるから安心しなさい」  
 
「命に別状は無かったんですね……本当に良かったです」  
「だね〜、あたしも初春も心配してたんですよ」  
お見舞いに来た初春と佐天が心底安心したように胸を撫で下ろす。  
「いやいや、命に別状なくても日常に異常ありまくりだっつーの。  
 ただでさえ出席日数不安なのにこれ以上休んだらどうなるか」  
頭は包帯、腕はギブス。顔は内出血でタコみたいに膨れまくり。  
この上ないバッドコンディションで上条はふてくされていた。  
「当麻さん。その、助けてくれて本当にありがとうございました!」  
「ん?いや、佐天が自力で脱出したから俺も動けたんだ。  
 初春一人だったら俺多分喉潰されてただろうしな。要するにお互い様じゃないのか」  
さり気に名前呼びに変わっている事に気づかず上条は平然と告げる。  
「けど、その、それでですね。あたしや初春も助けてもらったのは事実ですし、  
 何か恩返しをしたいのですが。何かありませんか?」  
「別にジャッジメントの仕事をしたわけで見返りとはいいんだけどな」  
「けどこのままじゃ私達の気がおさまらないので」  
にべもなく返される。  
「ん〜、それじゃあ来た時でいいからさ、身の回りの世話たのむ。  
 片腕片足使えないからさ。めちゃくちゃ松葉杖使いづらいんだよ」  
「お任せを!と、ところで上条さん、少し話があるんですけど」  
「ん?」  
やたら顔を赤く染めた佐天が上条に詰め寄る。  
「その……あたしなんかどうです?」  
「さ、佐天さんそれって!」  
「初春、あたしは抜け駆けさせてもらうわよ!」  
「ずるいですよ!」  
初春と騒いでいるが、佐天は上条の返答がかなり気になっている。  
まだかまだかと思うが上条は考えるような顔だ。  
ふと、上条は稼動した。  
「あ〜、そういや昼に俺もおんなじ質問したな。佐天、あのネタ引っ張ってくるとか。  
 お前なかなかキツイ奴だな」  
「えぇ、はぁ!?」  
そういえば、今日クレープ屋で上条はこんなことを言っていたような。  
『俺なんかどうだ?』  
その時自分はあっさり断ったので上条は結構傷ついていたようだ。  
で、その言葉が自分の告白と同じ言い方だから彼はイジられているのかと勘違いして……  
自分の決死の告白は勘違いでスルーされたということで……  
「こんなはずではー!!!」  
「よかったです。よし、私だって……」  
 

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