「第一の質問ですが、どうして助けたのですか?」  
「…ん?いや、その恰好で吹雪の中は寒いだろうと思って。あとはなりゆきで」  
いつものごとく登場したものの多勢に無勢。吹雪の中を二人で逃げてようやくここにたどり着いた。  
「ところで、着替えとか持ってないか?上条さんは着たきり雀なのでこれ一着しかないのですが」  
「……着ますか?」  
差し出されたのはどこかで見たコスプレ衣裳で着れば場所空気が凍り、上条さんアイスので上がり☆  
な展開になることは必須。  
「第二の質問ですが、寒いですか?」  
制服についた雪が解け、びしょびしょのまま歯を震わせる少年に問いかけるが寒いのは一目瞭然で気遣うような視線を向けたあと、  
「どこかの誰かに手を引かれたせいで私自身にかけていた断熱・保温の魔術もとけてしまいました……。第一の命令ですが、責任をとってください」  
『殲滅白書』の赤いマントを脱ぎ棄てると少年の衣服を剥ぎとり肌をくっつける。  
猫のように肌をくっつけながら目を細めて少年を見上げる。  
「第一の感想ですが、居心地がいいです。あなたからは魔術の類を感じません」  
安心したような表情で猫のように肌をこすりつけるサーシャ。  
 
見回りから帰ってきた黄色い女は目の前の情景をみると深いため息をはき、世界中の人々を代表して言った。  
「またか、この野郎」  
 

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