上条はイギリスでの大戦の後、一度学園都市に戻っていた。  
寮に戻るため、人通りの少ない道を歩いていると、上条の前に少女が立ち塞がる  
「ん?あれ?フロリス?なんでここに?」  
しばし無言なフロリス  
次の瞬間、バチーンと上条の頬を平手で叩き飛ばす  
ぐあっ!と叫んで吹き飛び、ゴミの様に転がる上条  
上半身を起こし、頬に手を当てながら  
「お、おい!それが拘束具を解いてやった恩人に対する態度か!?」  
「うるさい!その後の飛び降り自殺から助けてあげたのは誰だったっけ!?」  
フロリスは上条の胸ぐらを掴んで睨み付ける  
「は、はいあなた様です。しかしそれでチャラと言うことになるのでは!?」  
「なるわけないだろ!ホントに死ぬかと思ったんだぞ!?」  
「あれはその・・・地理を知らなくてですね、つい・・・」  
もう一度平手打ちが飛んだ「情勢が落ち着いたらアンタをボッコボコにするって決めてたんだ!」  
そう言って、何やら物騒な物を取り出す。1.5m程度の槍だ  
「ちょ、ちょっと待て!そんなもん振り回したら死ッ!」  
しかしフロリスは、そんな静止を促す言葉も無視して襲いかかる  
うおっと叫び、横合いに転がる上条。しかし追い討ちをかけるフロリス  
「大丈夫!峰打ちだから!」  
「そんな扱い方で峰打ちもクソもあるかー!!」  
とっさに二撃目もかわし、細い路地裏へ飛び込む。  
フロリスも飛び込むが、当然狭い通路では槍の機能は落ちる  
 
上条は槍の機能を奪ったことに勝機を見て、迷わずフロリスの方へ走る。  
フロリスは刃の無い方で突きを放つも、上条も路地裏戦闘の素人ではない  
さらに元々殺す気が無い攻撃など、難なく避ける。  
それに驚くフロリスの隙を突き、そのまま体当たりをかまして倒れ込んだ  
もちろん少女の頭の後ろに手を回して保護をする。  
「ふぅ・・・何とかなったか・・・」  
しかし彼女は抵抗するどころか動きもしない  
「あれ?おーい、フロリス?」  
反応はない。  
しかし外傷はないので、単に気絶しているだけらしい  
そこに、何故だかアンチスキルのサイレンが、こちらへ向かって来ている  
誰かが自分のために呼んでくれたのだと思う一方、流石にこんなところを見られれば、  
逮捕されるのは俺だと上条は冷や汗をかく  
路地裏で少女を襲ったなどと知られれば、間違いなく社会的に死ぬ。  
次いで暴食少女の餌食になる。  
さらにレールガンも飛んでくるとなれば、確実に肉体的にも死ぬ  
そう考え、手段は一つ。上条は少女を抱え、逃げる。  
重いとかしんどいなどの不満を言っている余裕はない  
上条は涙目になりながら、いつもの言葉を叫ぶ  
「不幸だぁぁぁー」と。  
 
それからしばらくして、フロリスは目を覚ました。  
うつろな目をしながら、額に濡れタオルが乗っていることに気付く  
「ここは・・・」  
ベッドに寝かされているようだ。  
次の瞬間、ハッと全てを思い出し、ベッドから飛び起きる  
タオルが下に落ち、近くからうおっと驚く声が聞こえる  
「ここはどこ!?」  
フロリスは言いながら辺りを見回す  
「俺の部屋だよ。やっと目覚めたか。心配したんだぞ」  
何やらにっくき馬鹿が横で尻餅をついている  
フロリスはベッドを見て少し考える。  
そしてふとある事に考えが及ぶと、顔を真っ赤にして  
「お前!ワタシに何をしてたんだ!」  
「何ってそりゃいろいろと」  
「なッ!?」  
ますます顔が赤くなるフロリス  
「いっ、いろいろッ!?」何やらあわてふためくフロリスに、怪訝な顔をする上条  
(なんでこいつこんなに慌ててんだ?起きないからタオル乗せたり、  
体温計ったりと、いろいろしたけどまずかったのかな?)  
そんな見当違いの考えがでてくる上条  
それに体温計と言っても、口に近付けて一秒で詳細な温度が表示される代物なので、  
いやらしいことなど何もない  
しかし、もろもろの意味を取り違えている少女は、顔を赤くしたまま、  
「こっ、殺すっ!」  
フロリスは辺りを見回し、武器である槍を探す  
「槍なら隠しといたからな」  
「くそっ!」  
そう言って探そうとすると、上条が押さえつけた  
「だから危ないからやめろって」  
 
押さえ付けられて何もできないフロリス。  
頼みの綱の『翼』も、彼の右手によって使えない  
初めて顔が恐怖の色に染まる  
(ひっ!だっ、誰か・・・)  
フロリスは恐怖しながら助けを願う。そして、目をぐっと瞑り、覚悟する  
だが、押さえられていた力が、フッと無くなる  
「なんだ腹減ってイライラしてんのか?インデックスみたいなやつだな。  
 俺が飯作ってやるから待ってなさい」  
なにやらインデックスと暮らした日々の弊害らしい思考である  
そう言って上条は台所へ向かう  
えっ?と驚きを隠せないフロリスは、呆気にとられたままだ  
(なんで襲われないの?男ってそういう生き物じゃ・・・  
ここでも不良に襲われそうになったし・・・)  
しばらくそんなことを考えているフロリスだったが思考が止まる。  
上条が料理を持って近付いてきていた。それに少しビクビクしているようだ  
上条は皿を机に置くと、  
「ほら!上条さん特製のハンバーグだ!さぁお食べなさい!」  
どうやら昼に作り置きしていたようで、この早さだ  
やたらテンションが高い上条を見て、少し警戒を解くフロリス  
そして恐る恐るハンバーグを一口食べてみる  
「おいしい・・・」  
素直な感想が出てしまう  
「そうかそうか!もっと食べていいからなー」  
フロリスは少し黙ってから、口をゆっくり開く  
「なんで・・・こんなに良くしてくれるの?  
 ワタシはアンタを襲ったのに・・・」  
何故だか申し訳なさそうな顔で上条へ尋ねる  
「いや、死にかけたのも気絶させたのも俺のせいだしな」  
「それでも・・・こんなに優しくされたことなんて・・・」  
フロリスは俯いてしまう  
 
なんか泣いてる気がすると思い、  
なんか悪いことしたっけ!?と本気で悩む上条  
次の瞬間、ガバッと抱き付かれる  
あまりの衝撃に思考が追い付かない  
「恐かった・・・誰も信用できなくて・・・誰も助けてくれなくて」  
彼女は泣きながら全てを打ち明ける  
「最初はアンタにも裏切られたと思ったけど、天草式は逃がしてくれたから・・・  
 でもそれからずっと独りで」  
上条は硬直していたことを申し訳なく思った。  
本気で上条当麻という男を信用してくれて、自分に助けを求めてきたのに。  
それなのに変なことを考えてしまっていた  
(俺は最低だな)  
そう思いながら、彼女の頭にそっと手を置く  
フロリスは上条の服で顔を隠しながら話す  
「ホントはね・・・ここにきたのは、自分の居場所がなかったからなの」  
よしよしとしながら、上条はふと疑問が浮かぶ  
しがみつくフロリスを引き離して  
「そう言えばお前、どうやって入って来たんだ?」  
「飛んで」  
なんかスゴいことをさらりと言われてしまった  
確実な不法侵入だ。  
とまぁ今さらその程度で驚く上条当麻ではないのだが  
「やっぱりか・・・捕まる前に帰った方がいいぞ?」  
「もう帰る場所なんてない」  
そう言われればそうだが、確か昔こんな流れが  
あったようななかったような、などともやもやしてくる  
「つまりあなたはどうするのでしょうか」  
「泊めて」  
またまたさらりとスゴいことを言われてしまった  
「いやだからあの上条さんも男であってですね」  
「いいの。アンタになら何されても」  
心臓がまたもやバコーンとうなる。  
しかし精神を安定させるために、  
これは多分日本語を間違えているんだと無理矢理解釈する  
 
「だからベッドは一つしかなくてですね、俺が風呂場で寝るハメになるのですよ」  
「なんで?一緒に寝ればいいじゃん」  
ぬあー!と頭を掻きむしる上条。  
これは同じ部屋で寝ればいい(主に俺が床)という間違いなのだと勝手に変換する  
「だから掛け布団は一つしかなくてですね」  
「それがどしたの?一緒に寝るんだからいいじゃん」  
ぬおー!とポケモンのキャラを叫ぶ上条。  
これはそのえっとあれだ!  
二人で仲良くベッドで寝るんだ、と正しい解釈に辿り着く  
「ちがーう!ダメだ!ましてお前はインデックスみたいな幼児体型ではないんだ!」  
インデックスが聞いたら頭部が無くなる発言である  
「そんなにワタシと寝るのが嫌・・・?」  
ぐっ!と怯む上条  
上目遣いでそんなことを言われてしまっては、断れば男の名折れである  
「嫌じゃない!」  
 
深夜0時  
(ぬがー!)  
眠れぬ上条は、理性と格闘していた。  
何故なら無防備なフロリスが横で寝ているからだ  
(ダメだ!信用して寝てくれてるんだこれは!)  
悶える上条。  
いくら男の名折れと言っても、なんとかすべきだったと絶賛大後悔中である  
隣ですやすや眠る少女。  
そんな寝顔を見ようとしなくても見えてしまう  
(あぁ、あの柔らかそうな唇・・・)  
フロリスを起こさぬようにもがき苦しむ上条  
そのとき夢うつつな彼女の細い腕が、上条の腰へ回る  
「ッ!!??」  
(ダメでございます!お嬢様!わたくし上条当麻に触れたらぬぐぉ!)  
抱き枕と勘違いしているのか、完全に抱き付いてくる。  
もはや部位という部位が各箇所へ触れまくっている  
 
ついに理性が飛ぶ  
「ごめんフロリス!」  
ガバッと抱き付く上条。最低だと思いつつも、意識なき唇を奪う  
唇を離すと、彼女の目は開いていた  
「やっとしてくれるんだ・・・」  
笑顔でそんなことを言ってくるフロリス  
「お前もしかしてずっと起きてた?」  
「うん、なかなか襲ってくれないから、  
 ワタシに魅力が無いのかと思ってショックだったんだ」  
それもそうである。  
23時にベッドに入ったとはいえ、一時間近くも頑張っていた上条なのだから  
「なにそれもしかして最初から襲っていい展開だったとか?」  
「だから最初からそう言って・・・きゃっ!」  
我慢の限界は解ける。  
というか理性が無くなったときには解けていたのだが・・・  
上条はフロリスに覆い被さり、服を脱がせる。  
フロリスは驚くほど無抵抗で、簡単に剥かれていく  
全裸にしたところで、上条はゴクリと唾を飲み込む  
「い、いいんだよな・・・もう止まらねーぞ」  
うん、と頷くフロリス  
そして男女の夜は更けていった  
 
「あッ!あッ!」  
とある男子寮の一室から聞こえる声。中にいるのは少女と野獣、もとい上条である  
フロリスの上に重なって、胸に顔を埋めているのは上条  
「んッ!胸はもっと優しくぅ!」  
「あぁごめん!こうか?」今度は胸にかぶり付く。  
はぁんッ!とフロリスがのけ反る  
「ダメだってば!そ、そこは弱いのッ!」  
そんなことを言いながらも、上条の頭を強く抱き締めてしまう。  
上条の顔が胸に強く埋まり、更に快感が増す  
 
喘ぐフロリスを上目に見ながら、舌の速度を上げる  
その瞬間、ああッ!!と強く喘ぐフロリス。  
しばらく続けていると、さらに大きな声で、あぁぁぁんッ!と喘ぐ。  
それと同時に少女の腕の力が抜ける。それを見た上条は責めを一時中断  
少女は呆然とうつろな目をしていた。どうやらイッたようだ  
しかし上条はそんなことも気にせず、続けて下半身に手を伸ばす  
「ちょ、ちょっと待って!まだ・・・そんないきなりっ!ひゃあッ!」  
「大分待ったと思うんだけどなぁ。ほらこんなに濡れてるし」  
指を入れ、わざと、ぐちゅぐちゅと水音を鳴らす上条  
フロリスはもう表情を作る余裕すらなく、もはや上条を強く抱き締めるだけ。  
その上、可愛い容姿は、目に涙を溜め、たまらない顔をしているだけになっている  
そして、一瞬上条と見つめ合うと、目を閉じ上条へ自分の顔を近づける  
唇と唇が触れ合い、時間が止まり、感度が上がる  
上条はキスしながらも、指を激しく動かす  
その凄まじい快感に、フロリスは目を見開き、喘ぐ。  
「んっ、んむぅぅぅッ!」しかし大きな声が出ることはない。  
全ては彼の口に吸い込まれるからだ  
我慢できない、気持ち良すぎる、待って欲しい  
そんな言葉すら紡げない。  
しかも彼の指は止まるどころか、激しさを増していく  
だが、やめて欲しいと思う一方、彼の顔を曇らせるようなことはしたくないし、  
何より嫌われるのが恐い。  
そんなせつない想いが抵抗力を奪う  
時間にして1分。  
しかし少女にしてみれば永遠ともとれる長さだ  
 
しかし限界は訪れる  
「ぶはっ!おっ、お願い!待ってあぁッ!」  
彼の気分を害するかも知れないと思いながらも、  
力を振り絞って、やっとのことでしゃべる  
上条はそんな言葉を聞いて、ハッとしたように手を止めた  
「わ、悪い!大丈夫か?夢中になってて、つい」  
フロリスもはぁ、はぁ、と息をあらげながらも、  
気を悪くするどころか、むしろ謝ってくれる彼に安堵する  
「こっち・・・こそ、ごめん・・・我慢でき・・・なくて、はぁはぁ・・・」  
途切れ途切れの言葉も徐々にもとに戻る  
「え、えっと・・・ワタシのこと嫌いになってない?」  
恐る恐る聞いてみるが、対して上条は  
「なんで?むしろ我慢してたお前の顔、スゲー可愛かったぞ」  
能天気な笑顔で、何気なく応える  
なッ!?と顔をどころか耳まで真っ赤にするフロリスは  
「ばっ、馬鹿ぁ!」  
そう言いながら顔面パンチを繰り出す  
げぶっ!と声を出して力が抜けたようにベッドに倒れる上条  
イギリスでの戦いの疲れが残っていたようだ  
あれ?と思いつつ上条の顔を覗き込むフロリス。上条はスースー言ってるので、寝ているだけのようだ  
はぁ・・・とため息をついたフロリスは、そっと上条を抱き締めて、耳元で囁く  
 
「大好き・・・」と  
 
 

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