「…で。何だってこんな状況になっちゃってくれてるんでしょうか?」  
 
――ぴちゃちゅぷ、ず、ずずっ  
 
夜も更けたころ、上条当麻は相も変わらず公園に居た。  
 
――ちゅぱ、くちゅり、ちゅぶ  
 
もちろん月詠小萌も一緒に、ただし先ほどまでのベンチでは無く歩行路から大きく外れた茂みの中に。  
「ん…ちゅ、じゅる…ぷは。それは、その、上条ちゃんがこんな元気だからいけないのですよー」  
上条の正面、更に言うならその下半身にヒザ立ちで寄り添う小萌がその顔を暗闇でも分かるほど赤く染めて答える。  
「俺が悪いの!? って言うかこんな事されてたら誰だってこうなるに決まってるじゃないかーっ!?」  
小萌の手には上条のこれでもかと膨れ上がった分身、それと小萌の唇を繋ぐ銀に妖しく光る唾液の糸が口淫の名残を示している。  
またこうして口を離している間も小萌は休むことなく、その小さな手で上条のそれをしごき続けているのだ。  
それだけでどうにかなりそうなほど気持ちがいい、これで勃たないのは失格だろう、男として間違いなく。  
 
まて、まてまてまて。  
問題は何故にいきなりこんな展開になっているのかという事じゃないか。  
そして上条は思い返してみる、この状況に至るまでの経緯を。  
 
 
小萌の泣き声が消えるまでにそれほどの時間はかからなかった。  
しかし彼女が落ち着いたはいいものの体を離すタイミングを計り損ねた上条は正直かなり困っていた。  
悲しいかな彼は健康な男子高校生、好きな人が零距離に居ればそりゃ漂ってくる良い匂いとか暖かい身体とか  
自らの胸板で感じるささやかな、しかし確実に感じる柔らかなふくらみとかが気になって気になって仕方がなくなってしまったのである。  
そんな彼の心中を知ってか知らずか小萌はまだ赤く腫れた目を恥ずかしそうに伏せて、甘えるようにその身を上条に寄せる。  
「えへへ…上条ちゃんにはかっこ悪いところばかり見せちゃってますね…」  
その上でそんな台詞を言われた日には上条当麻のただでも揺らぎつつあるシリアスモードなんて紙屑同然に塵と散るに決まっている。  
もうそうなれば『お互いに告白したんだからもう恋人同士なんだよなぁ、俺たち』とか  
『恋人同士ならやっぱ色々するんだよな、うん、やるべきだ、やらねばならん』とか  
『例えば<幻想殺し>とか、他にも<幻想殺し>したり、あまつさえ<幻想殺し>なんて事もーっ!?』とか若さに任せて妄想が進むのも無理は無い。  
そして妄想が進めば、自然と身体にも現れるのが男というものである。  
「か…上条ちゃん?」  
二人の距離は零、当然上条の変化はダイレクトに小萌へと伝わる。  
『それ』を感じて小萌は困ったような、恥ずかしそうな表情を浮かべた。  
「あー…いや、その、これは不可抗力といいますかですね?」  
あれほど守るだの何だの言っておいてこれはどうよ?と、今更ながら我に返った上条は弁解を試みるがどうも小萌は怒ったり呆れたりしている訳では無い様である。  
「も、もぅ。しょうがないですねー、上条ちゃんは」  
というかむしろ、頬を染めてどこか嬉しそうな表情さえ浮かべている。  
「いいんですよ、無理しなくて。お姉さんがリードしてあげますからねー」  
………  
……  
…  
回想終了。  
 
(って先に原因作ったの俺じゃねーか!!そこに小萌先生の世話焼きスキルが全開で飛び込んできてこんな嬉しい状況にっ!?)  
何と言うか確かに物凄く嬉しい状況ではあるのだが、告白の直後に欲情するのは人間的に酷く問題がある気がするのだがどうか。  
うがあああああああと頭を抱えて上条が人としてのあり方にこれまでにない疑問を抱いていると小萌が心配そうに見上げてくる。  
「上条ちゃん…ひょっとして気持ち良くないですか? せ、先生は頑張りますよー」  
上条としては今の手で擦られてるだけでも十分すぎるくらいの快感なのだが小萌は焦った様にその唇を彼の陰茎に寄せる。  
ちゅぷ  
「うあっ!」  
小さな舌がカリの裏をほじくる様に刺激してくる。  
ひときわ敏感な部分に触れられ思わず声を漏らすと安心したように小萌は微笑んだ。  
「えへ…もっともっと気持ちよくなってくださいね」  
ぴちゅ、じゅっ、ちゅる、ちゅ  
カリを一周する様になぞったり、亀頭に軽くキスをするように口付けたり、不意に鈴口を吸ったり、裏筋に舌を伝わせたり、時には陰嚢まで舐めあげたり。  
「くぁ…あぐ、やば…」  
何かもう先ほどまでの悩みが全て吹き飛んでしまうような快感だった。  
それほど小萌の奉仕は巧みなのだ。  
更に上条の反応を見て、即座にどこが彼の急所なのか的確に見つけ出すのは彼女の教師として培った観察眼か彼への愛情の為す力か。  
ちゅぶ、くちくちゅ、ちゅう、じゅる  
「はっ、は、うぐ…」  
「んむ…ふちゅ、ぁ…何時でも、出してくれていいんですよー?」  
何だろう、そう言われると何故か意地でもギリギリまで耐えてやろうと思ってしまうのは青少年特有の無意味に旺盛な反抗心か、  
すぐに出すのもあれだという男の見栄か、単にこの愛撫をもっと長く続けさせたいだけなのか。  
兎にも角にも、上条が心中で意味不明な決意を固める一方で小萌は困ったように、悲しそうに顔を伏せる。  
「ご、ごめんなさい…私が下手だからいつまで経ってもイケないんですよね。もっと…頑張りますから」  
「え? あ、いやこれは違くてですね?っていうか十分すぎるくらいテクニシャンで上条さんは今にもイキそ――――っ!?」  
上条は自分のやせ我慢が小萌を落ち込ませる流れになった事に慌て弁解するが突然、快感に頭が真っ白に塗りたくられた。  
「ん…くぷ、んむぅ…」  
小萌が上条のそれを口に含んだのだ。  
ぬるりとした生暖かくて柔らかい感触が亀頭を包む。  
「う、わ…!」  
一瞬遅れて無意識の声が漏れる。  
その間にも心地よい感触は亀頭から根元に向かって徐々に広がっていく。  
「ふ…ぅ…んぅ」  
小萌の体躯は小さい、もちろんその口も例外でなく上条のそれを含むにはあまりに小さすぎる。  
当然無理に入れれば限界近くまで口腔は広げられ、喉元に迫る異物感に小萌は小さくえづく。  
「んー…んぐ」  
それでも小萌はより深くへと上条の、愛する人の分身を自ら導く。  
そんな自分を満足させようとする必死で献身的な愛撫に、上条の脳髄は融解寸前に陥っていた。  
苦しい筈のそんな状況にも関わらず、小萌は気持ちよさそうにしている上条を見て心から嬉しそうに優しい笑みを浮かべ、そしてまたすぐに口淫を再開する。  
小さな舌が上条のそれの裏側に密着した状態で這い回る。  
また唇で締め付けるように柔らかな圧迫を加え、かと思えばきれいに揃った歯が上条自身を甘噛みする。  
その上条と言えばもう足腰がまともに立たず、木に完全に背を預けていた。  
「あ…う、もう駄目っぽいかも…」  
それを聞いて小萌はより一層愛撫に熱を込める。  
陰嚢を片手で優しく揉みしだき、もう片方の手は上条の腰に回して逃がすまいと強く引き付ける。  
上条の方も逃げるどころか無意識に腰を突き出して小萌の喉をその先端に感じている。  
限界まで上条を口に飲みこんで、そしてとどめとばかりに小萌は強く上条を吸い込んだ。  
 
白く、はじける。  
 
 
「くあっ…!!」  
「んーーっ!!」  
 
どくっどくっどくっどくっ  
 
あり得ない量を自分が出しているのを上条はその身で感じる。  
「ん、んぐ…ん、んぶっ!」  
喉奥に直接その白い塊が直撃した小萌はそれでも吐き出すことなく、全てを飲み込もうと両手で上条にしがみ付いて必死に喉を動かす。  
だが彼女の小さな口腔ではその大量の精液を処理しきれる筈も無く唇の隙間から白い液体があふれ出す。  
「う…く、はぁ…」  
ようやく全てを出し切った上条は、すぐさましゃがみ込み小萌の肩を掴む。  
そこでやっと、小萌の口から上条のそれが離れひんやりとした外気に晒された。  
「せ、先生!別に無理して飲まなくてもいいって!!」  
「ん、んー!」  
いやいやと、まるで子供のように首を振る。  
というか外見が言うまでも無いのでまんま子供である。  
だが、口元に光るそれは余りに不似合いに淫靡で上条は思わず息を呑む。  
(考えると俺すごい事させてたんだよな…)  
今更ながら、赤面。  
「はぁ…ふ」  
ようやく全てを嚥下し終えたのか熱の篭った大きな吐息が小萌から漏れた。  
だが何やら様子がおかしい。  
「こ、小萌先生?」  
上条が声をかけてみるが返事は無い。  
小萌は目尻を垂らせとろんと視線を宙に泳がせて、指に付いた白濁液を丁寧に舌で舐め取っている。  
…やばい、エロい。  
未だ熱の冷めやらぬ上条の頭はただその言葉だけを紡ぎ出し、視線は目の前の小萌に釘付けになる。  
小さな身体、桃色で今は僅かに乱れた短めの髪、いつもよりその髪の色に近づくように紅潮した肌、街灯の光を受けて妖艶に光る口元、小さな舌で唾液まみれになった指先。  
上条の知る普段の教壇に立つ彼女とのあまりのギャップに、脳味噌が沸騰したかのように思考がかき乱される。  
あぁ…エロくて、可愛くて、綺麗だな…。  
とろけた脳でそう思って、望むままに身体は動いていた。  
 

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