□ver.インデックス
誰でもいいからおっぱいもみたい。
朝、自室で目を覚ました上条当麻は、自分の頭を占領する一文に愕然と目を見開いた。
誰でもいいからおっぱいもみたい。
誰でもいいからおっぱいもみたい誰でもいいからおっぱいもみたい誰でもいいから
おっぱいおっぱいおっぱいおっぱい!
「おっぱい!」
がばっと起き上がった当麻は口の端から煙をふきつつ、ぎょろぎょろと周囲を見回した。
早朝のアニメを見るためテレビに向かっていた修道女が、きょとん、とした顔で振り返る。
「おはようとうま。どうしたの?」
「すいませんインデックスさん! 折り入ってお願いがあります!」
「な、なに? なんだかすごくいやな予感がするんだよ」
当麻はインデックスの前に両膝をついて正座すると、深々と頭をさげた。
「おっぱいもませてください!」
「……」
「……」
「…………」
「…………」
室温を三度ほど下げる沈黙のあと、インデックスがゆっくりと立ち上がった。
「とつぜん何を言い出すのかと思ったら……とーうーまー」
「ではいただきます!」
「え? ちょっと私の話を……きゃあっ」
お仕置きモードに入っているのにもかかわらず、当麻は勢いよくインデックスに
襲いかかった。単純な腕力の勝負でインデックスが勝てる道理はない。
きゃーきゃーと悲鳴をあげるも、上条家ではそんなもの日常の雑音だ。
いまさら部屋に飛び込んでくる隣人もいない。
「待ってとうま! やだ、ちょっと、」
「おおおおお、おっぱいおっぱいおっぱああああい!」
インデックスを抱き倒した当麻は、ツンツン頭を薄い胸にこすりつけてそう叫んだ。
顔を真っ赤にしたインデックスが勢いよく口を開けるのと同時に、
逃げるように当麻の体が起き上がる。噛み付く対象を失って、インデックスがぱくぱくと
口を開閉させた。
「ふおおおお!」
目を真っ赤に輝かせて、当麻は安全ピンだらけの修道服の上からインデックスの胸に
手を置いた。胸板。そう表現するしかない感触が当麻の手に返ってくる。
「むう……」
これではいくらなんでも足りない。何事か叫ぼうと口を開くインデックスにかまわず、
当麻は両手を上下にスライドさせはじめた。『歩く教会』に皺が寄り、当麻の動きに従って
わしゃわしゃと音を立てる。
「とうま! い、いいかげんにしてほしいかも、ここ、こんなこと……ふぁっ、こん、
ふぁんっ、なっ、あふぁっ?」
「つたないあえぎ声! ノーブラ! 浮き上がる乳首! うおおおお!」
天を仰いで咆哮する当麻は、手の動きをいっそう速くする。布地ごしにもハッキリと
わかるちいさな突起が少女の興奮を象徴しているようで、当麻は鼻息荒くインデックスの
胸に顔をうずめた。
「んぃっ!?」
「ふごぉ!」
修道服の上から、大きく開いた口を乳房全体を包みこむようにかぶせる。
赤ん坊のようにちゅぱちゅぱと音をたてて乳房を吸うと、インデックスがむずがるように
小さな体を震わせた。
「とっ……とうまぁ……そんな、ゆるさな……ふっ、ん、はぁっ、んはぁっ……だよ……?」
しこる乳首を舌先で舐め上げ、きちゅきちゅと甘噛みする。自慰すら知らない
インデックスが、未知の感覚に背をのけぞらせた。
「ふぁっ、あぁっ、と、とうまっ、とうまぁっ」
唾液にまみれた白い修道服は、その奥のピンク色の突起をすっかり
透けさせてしまっている。なおも執拗にそこをしゃぶりながら、当麻は荒々しく
修道服に手をかけ、
「……足りない」
急にそうつぶやいて立ち上がった。
「はえ……?」
耳まで真っ赤にして目をとろけさせたインデックスが、熱に浮かされたような口調で
つぶやく。当麻はどこか遠くを見るような眼差しで、ゆっくりと後ずさった。
「これじゃ足りねええええ!」
叫ぶと、ぐるりと背を向けた。そのまま見たこともない速度で駆け出した当麻は、
ばーん! と扉をブチ開けてすっ飛んでいった。
「な……な……」
片側の乳首だけが浮き上がった唾液まみれの修道服を見て、インデックスはふるふると
声を震わせた。背後では、毎週楽しみにしているアニメがエンディング曲を流している。
「なんなんだよも――――!」
一部始終を眺めていた猫が、みゃあ、と小さく鳴き声をあげた。
□ver.御坂美琴 with 白井黒子
御坂美琴はいつもどおり、自販機をけっとばして手に入れたドリンクを飲みながら、
ぼうっと街を歩いていた。
一人である。ルームメイトの白井黒子もいないし、ツンツン頭のあの馬鹿もいない。
「はあ……」
ここのところの美琴は周囲が(主にあの馬鹿約一名が)騒がしく、あまり落ち着いた
時間をとれていない。いや、美琴の生活そのものがそこまで騒々しくなっているわけでは
ないのだ。そういうわけではないのだが、精神的に休まらないというか……
「なんだかもう、振り回されっぱなしなのよね……」
と、口に出すとなんとも言えない照れと怒りの交じり合う感情がこみあげてくる。
なんだってあの馬鹿のためにこんな悩まなくてはならないのだ。
答えは既に出ているのだが、それを口にするのははばかられた。
「まったく……ふぐっ!?」
何気なく前を見て、美琴は愕然と動きを止めた。敵兵を確認した侵入者のように、
すばやく路地に入りこみ、壁に張りつく。じりじりと顔を向けると、なにやら前傾姿勢で
ふしゅふしゅ言ってるあの馬鹿が見えた。
「な、なにしてんのよこんなところで……」
ここは天下の往来、今は休日、上条当麻が歩いていることに問題などひとつもない。
美琴はふるふると頭を振って、三回深呼吸を繰り返した。
「よ、よし。なんだかあいつも一人みたいだし、ちょっと声なんかかけて、もしそれで
暇してるっていうんだったら、一緒に映画とか見に行ってみたり――いやこれは別に
あいつと一緒に映画に行きたいってわけじゃなくて、ただせっかくの休みに独りで
いるなんてあまりにも哀れだから、ちょっと奉仕精神が芽生えたっていうか、そう、
ボランティアなのよ、ボランティア」
「お姉様?」
「――うわっ!?」
胸に手をあててぶつぶつ呟いていた美琴の前に、いつの間にやら見慣れた
ルームメイトの顔があった。幾房にも分かれたツインテールが、ぴこぴこと踊っている。
「こんな所で壁に張りついて、どうされましたの? 何か面白いものでも見えまして?」
「く、黒子? いや違うのよ、特別何かがあるってわけじゃ」
「あら」
ひょい、と路地の向こうを覗き込んだ黒子が、とたんに冷たい声をだした。ギシッと
表情の軋む音が鳴る。
「あの殿方はいつぞやの……お姉様、ここで何をしてらしたんですの?」
「な、なにもしてないわよ。ただちょっと奉仕精神が」
「奉仕!?」
「え?」
「お、お、お姉さまが奉仕! ま、まさか二人がそこまで進んでいたなんて……
いいえ落ち着くのよ黒子、これは何かの間違い、お姉様はきっとだまされているんですわ」
「何をわけのわかんないことを言ってんのよ!」
「お姉様、その体の穢れ、今わたくしが清めてさしあげますわ!」
「穢れてない!」
ずずい、と身を寄せる黒子から、ささっ、と体を避ける美琴。じり、と
緊迫した空気が立ちこめ、
「おい、ビリビリ」
その空気を消し飛ばすように、男の声が響いた。見慣れたツンツン頭に間抜け顔。
上条当麻だ。
「ふぁっ!? あ、あ、あんた、いつの間に!」
「あれだけ騒いでいればそれは見つかりますわよねー」
戸惑う二人の前で、真剣な顔をした当麻はツンツン頭を勢いよくさげた。地面に対して
水平になるまで腰を曲げた当麻を見て、中学生二人があっけにとられた顔をする。
「頼む美琴!」
「え? え?」
いったいこんなにするほど、当麻が美琴に何を頼むというのだろう。今までの
苦い記憶が脳内を駆け回ったが、無視して美琴は「なによ」と問いかけた。
声が震えていたのは気のせいということにする。
当麻は顔をあげて言った。
「おっぱいもませてくれ!」
「……は?」
地面を踏み抜く勢いで、当麻が前に踏み出る。思わず美琴が一歩さがり、
黒子がその前に飛び出した。
「ちょっとでいいんだ! もむだけだから!」
「なに言ってんのよあんた!」
「お姉様お逃げください! 目が尋常ではありませんわ!」
叫ぶ黒子は、一瞬で風紀委員モードに切り替わっている。なんらかの麻薬をやっている
可能性を、黒子の明晰な頭脳は一瞬で割り出したのだ。
「風紀委員の――」
「ならお前でもいい!」
「――え?」
当麻は叫ぶと、黒子に飛びかかった。あわてて転移しようとする黒子だが、
距離が近すぎた。当麻の右手が黒子の袖に触れる。
「は、発動しない!?」
それだけで、黒子のテレポートは打ち消されてしまう。
「お嬢様学校の制服うううう!」
風紀委員の黒子は休日の巡回でも制服を着ている。当麻はその制服に包まれた
慎ましい胸を、両手でわしっとつかんだ。
「ふあっ!?」
「おおおおおお!」
せわしなく指を蠢かせながら、鼻の穴を広げて、当麻は雄たけびをあげる。
黒子も素人ではない。当麻の手をつかんでひねりあげようとするものの、
おかしなことにいくら力を入れても引き剥がせない。
「なっ、なんですのこの力……あっ、んぁっ、」
当麻の指づかいが、ただもむだけの乱暴なものから快楽を探るものに変わりはじめた。
壁に背をおしつけられて、その衝撃に息が詰まる。右手は相変わらず制服の上から、
左手は裾からもぐりこみ、素肌に触れてくる。
指先がブラジャーの下に潜りこんだところで、黒子は顔を真っ青にして叫んだ。
「やっやめなさい! そこはお姉様専用……ふぁあんっ」
黒子を黙らせるように、左手が乳首をひねり上げた。インデックスと違って
黒子は一日一回は自分を慰める。特に乳首は重点的に責めるので、
すっかり開発されているのだ。
「あぁっ、あっ、あふぁあっ、」
「ふんふんふんふん!」
膝に膝をわりこませて体を密着させると、当麻は手の動きを更に速めた。
路地裏の出来事、休日を楽しむのに忙しい通行人たちは誰も気がつかない。
「あ――あんたは何してんのよ!」
そこで、今まで呆然としていた美琴が、やっと我に返って飛び蹴りを入れた。
当麻はごろごろと転がるも、即座に起き上がる。
「黒子! 大丈夫!?」
「お、お姉様……穢されてしまいましたわ……清めてくださいまし」
制服の乱れを直しながら涙目でそう言う黒子を見て、美琴はプツン、と何かが弾ける
音を聞いた。血走らせた目を向けてふしゅふしゅ煙を吐く当麻を睨みつけて、
びしっ! と指をつきつける。
「今までは不可抗力だと思ってたけど……そうね、やっぱりそういうことなのね!」
「フシューッ!」
雷が収束していく。撃ち抜けば人ひとりくらい簡単に殺せる紫電の槍。
だが、青白い輝きが解き放たれるより早く、当麻の右手がその『雷の種』をつかみとった。
「な――」
発動前の雷を打ち消すなんて、これまでの当麻にはない行動だ。
その積極性に目を見開く暇に、当麻は美琴を押し倒していた。
「痛っ、ちょっと――んむっ!?」
抗議の声は、唇によって塞がれた。ろくに手入れもされていないザラザラの皮膚が、
他人の体温を送り込んでくる。あわてて体をよじるも、当麻はそれを許さない。
「んむーっ!」
全ての異能を打ち消す右手が、美琴の服をまくりあげて素肌を撫でる。
へその穴を確かめるようになぞりあげ、肋骨に指を這わせてそのまま上っていく。
飾り気のないスポーツブラを指でめくりあげ、黒子のものよりいくらか大きい胸を
手のひらで包み込む。
「ひっ……ふむっ、んっ、んんー!」
黒子ほどではないが、美琴も自慰を知らないわけではない。自分で胸をもむことも、
それ以上のことも経験がある。だが男の手で触れられたことはない。しかも今
彼女の胸を揉んでいるのは、彼女自身の妄想の中で自分に触れている男なのだ。
「んんっ……」
指の動きと連動するように、当麻の舌がもぐりこんできた。歯と歯の隙間を割り開いて、
美琴の舌を絡めとる。あふれる唾液が送り込まれて、美琴は小さく首を振った。
当麻の舌は美琴の歯茎を舐めあげ、舌の裏側から絡みついてくる。
舌を縮こまらせればいいようにされ、押し出そうと伸ばせばそれにまとわりついてくる。
四苦八苦しているうちに、美琴はさんざんに舌を嬲られてしまった。
「ん、ん、んんぁ……」
頭の後ろで火花が散りはじめる。
乳房をやさしく撫で上げ揉みしだく両手が、きゅっ、と尖る乳首をつまみあげた。
放電もしていないのに電流が走り、美琴の背がそりあがる。
「んんっ、んふぅ……ぁふ……はぁっ……」
にちゃ、といやらしい音をたてて、やっと当麻の唇が放れた。
唾液の糸が舌と舌に橋をかける。ぼうっとした頭でそのきらめきを見つめて、
美琴ははしたなく腿をすり合わせる自分に気がついた。
「ぁ……」
まだ膨らみきっていない美琴の胸を、当麻の手が包み込んでいる。
外側から円を描くように捏ね、下から押し上げ、時に荒々しく揉む。口元から漏れる声に
甘い響きが混じっていることを、美琴はもう頭の中ですら否定できなかった。
気持ちいい。当麻に襲われて、よがっているのだ――
「御坂……」
「……あ」
当麻が今日はじめて美琴の名前を呼んだ。すり合わせる腿に当麻の脚が割り込む。
短パンの上から膝が押しあたり、その感触だけで美琴は軽く達しかけた。
にちゃり、という音を幻聴する。
「いや……」
否定の言葉に意味はない。当麻はゆっくりと美琴に顔を近づけた。二度目のキス。
これを受けて入れてしまったら、きっともう戻れない。そう知っていながら、
美琴はそっと瞼を閉じて、
「……足りない」
その声に、きょとん、を目を見開いた。
「は?」
「これじゃ足りねええええ!」
ずばっと飛びのいて、当麻はぶはぁああーと白い煙を吐く。
そのまま赤い目をぎょろぎょろと動かして、大通りへと飛び出していく。
「ま、ま、待ちなさいよ! どういう意味だコラァー!」
突き抜けた雷撃はあっさりと右手で打ち払われ、ツンツン頭はそのまま物凄い速度で
走りさっていった。
「な、な、なんだっつーのよ、もー!」
路地裏でバチバチと放電が瞬く。しかしそこは御坂美琴、即座に冷静さを取り戻し、
あわてて視線を巡らせた。白井黒子――大事なルームメイトを介抱しなければ。
「黒子!」
「あっ、お姉様……あはぁっ」
「……黒子?」
路地の端で、黒子は喘いでいた。左手で胸を揉みながら、右手はスカートを捲り上げて
露になった下着に潜りこんでいる。腰を浮かせて息を荒くしながら、
とろんとした目つきで美琴を見つめてきた。
「お、襲われるお姉様も……いい……っ。NTRというものを……理解しましたわ……」
「……どいつもこいつも……なんでもいいのかこのやろー!」
ばあん! と雷撃が迸る。轟音にまじって、
「ああっ、照れながら怒るお姉様、またいいっ」
という嬌声が響いたが、当人たち以外には誰にも聞こえなかった。
□ver.御坂妹
「ごきげんよう、とミサカは挨拶します」
声に、ふしゅふしゅと煙を吐きながら当麻は振り返った。つい先ほど別れたばかりの
御坂美琴と全く同じ顔をした女が、そこに立っている。違うことと言えば、
頭にごついゴーグルをつけていることくらいだ。
「今日はいい天気です。公園で散歩もたまにはいいものですね、とミサカは
世間話をふってみます」
「おっぱいもませてくれ!」
御坂の言葉を完全に無視して、前置きなしに当麻はそう叫んだ。言われた御坂は
無表情のまま、こくん、と首をかしげる。
「それはどういう意図の発言でしょうか、とミサカは質問します。
ミサカを性的な対象として認め、性欲の発散のため、あるいは愛情の確認のための
性行為を要求しているのでしょうか、とミサカは重ねて問います」
「なんでもいいからおっぱいだけもませてください!」
「……」
回答に、御坂は反対側に首を倒した。当麻の真意を測りかねているようだが、
そんなことは今の上条当麻には関係ない。幸い公園には人影も少ない。
当麻は早足で御坂に歩みよると、その肩を抱いて草むらに入り込んでいく。
「どこにいくのですか、とミサカはやや早口で問いかけます」
「おっぱい!」
「……」
適当な木を見つけると、当麻は御坂の体を突き飛ばした。反射的に両手を木についた
御坂は、当麻に大して無防備な背中を晒すことになる。
「突然何をするのですか、とミサ――あっ!?」
常盤台中学の制服に手を滑り込ませて、当麻は御坂の胸に掌を這わせた。
数分前に味わったものと同じ大きさに思える。
「あ――ふ、な、なにをするのですか、と、ミサ……ぁっ、ふ、」
ふにゅ、とやわらかい感触が掌全体に伝わってくる。指に力を入れると、
すぐに柔肉の奥に固めのしこりのようなものがあることがわかる。
成熟しきっていない証拠だ。美琴にしたのと同じように、捏ね、寄せ、這わせ、揉む。
中央の突起はすぐに首をもたげ、愛撫を待つように硬くしこりはじめる。
その先端を指先で押して、ぎゅるっ、と押し込むように円を描いた。
「んぁああっ、ミ、ミサカはっ……はっ、ミサっ、あああっ」
ガクガクと足を震わせて、御坂は震える声をあげた。逃げ出すことも振りほどくことも
出来ないわけではないだろうか、御坂はそうしない。ただ幹に指を食い込ませて、
当麻の責めに背を震わせている。
「ふぉーっ、ふぉーっ、」
背に体を密着させた当麻が、真っ赤に染まった耳に舌を這わせた。びくりと
体が跳ねるのにも構わず、耳朶をねっとりと舐めまわし、舌先を穴にもぐりこませる。
「あっ、やぁっ! そ、そこはそんなふうっ、にっ、す、あぁっ、
するところじゃないと、ミサカはぁああっ」
突き出された形になっているお尻に、当麻の股間がすり寄せられる。
御坂は姉と違ってスカートの中には下着しかつけていない。胸をいじる当麻の片手が
するりとおろされ、スカートにもぐりこんだ。
「あっ、あぁ……み、ミサカは……ミサカは……」
ゴーグルが木の幹にあたってカツカツと音を立てる。執拗に耳を責めながら、
当麻はクロッチに指を這わせた。
ちゅぷりっ、
「んぁああぁっ!」
幻聴ではなく、淫らな音が響く。御坂がつま先立ちになって背を震わせるのを見て、
当麻は布地ごしに指を動かしはじめた。いやらしい音を立てながら、御坂の秘部が
じゅわりと濡れていく。下着に染み込んで溢れ出すそれは、当麻の指まで濡らしはじめた。
「うっ、はあぁあっ、み、ミサっ、ああんっ、ミサカはっ、こ、こんなっ」
前後移動に終始していた指が、そこでするりと脇にそれた。刺激がとまったことに
御坂が一瞬戸惑うように背後を見返り、即座に動きを止めた。
当麻の指が下着をずらし、秘肉に直接触れたのだ。
「あっ――あぁあああぁああっ!」
突き立てられた指は、未踏の地を荒々しく掘り返す。あふれる粘液を残らず
こそぎとろうとするかのような動きに、御坂は爪が傷つくまで木に指を立てた。
涎がひとすじ、地面に向かって垂れていく。
「ふぁ……」
がく、と膝が落ちた。当麻に抱きすくめられて、御坂はやっと、さっきから
言おうとしていた言葉を口にした。
「み、サカには、拒む理……由が、ありません、と……ミサ、カは……告、白しま……」
無表情に見える。しかしどこか違う。当麻はそんな御坂を見て、
「……足りない」
と、つぶやいた。
「……はい? とミサ、カは……不審げに、つぶやきかえします」
「もっと! もっと至上のおっぱいがあるはずだあああああ!」
草を蹴散らしながらバックダッシュした当麻は、そのまま豪速で消えていく。
ぽかん、とその後姿を見送って、御坂はぐしょぐしょに濡れた秘部と、
乱れた制服を見つめた。
「いくら、なんでも……これは、中途半端、すぎます、と……ミサカは、抗議します」
乱れた呼吸を整えながらそう言うと、御坂は小さく吐息をついた。