「あんた、なんて格好してんのよ……」  
 思わず顔を手で覆ってしまう。  
 しかし、異性――もっとも気になる男性―の体への好奇心が疼いた。  
 ちらちらと指の間から覗き見てしまう。  
 上条は一糸纏わぬ姿だった。  
 タオルも何も身に着けておらず、全てをさらけ出した状態でいる。  
 思考もフリーズしているのだろう。何も反応できず、立ち尽くしている。  
 その間にも、美琴は顔を真っ赤にしながら視線を動かす。  
 太い、筋肉質な腕と脚。  
 ところどころに傷跡が見られる肌。  
 しだいに他の部位を注視していく。  
 鎖骨、肩、胸、腹筋、腰、下腹部……。  
(へ、へー……。あ、あんなに小さいんだ。もっとすごい大きいのかと  
思ってたけど。ふーん……)  
 美琴はいつの間にか太股の付け根の間をじーっと見ていた。  
 それに気づいて、ようやく上条の思考が戻った。体まで反応はできなかったが。  
「―――って、どこ見てんだよ」  
「…………ダメ、なの?」  
「いや、ダメなのって聞かれても困るって言うか」  
「…………ダメなの?」  
「こっちだってそれなりに恥ずかしいんだぞ。それに女の子が  
ジロジロ見るようなものじゃないだろ」  
「…………ダメ?」  
 
 

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