そう言うと上条は、自分の上に跨っている美琴の尻をパシンと叩いた。
「ひゃぁ、も……もう、無理なの」
素っ気無い言葉に傷つきながらも必死に腰を振ろうとする美琴だったが、上条に散々突かれて幾度も絶頂に導かれた身体は、最早意思の通りに動いてくれない。
それでもと、唇を噛み締め震える腰を持ち上げようとするが、僅かに動いただけで先程の余韻の甘い痺れが身体を走り動けなくなってしまう。
「はぁー」
そんな美琴の様子を見て上条は溜息をついた。感じやすい美琴の身体は嬲りがいがあっていいのだが、感じやす過ぎるというのも問題だ。
まだまだ上条は満足していないというのに、美琴はどう見ても限界。それでもまだ動かせようと煽る言葉を掛けたのだが、それでも駄目なものは駄目なようだ。
上条は、未だ美琴の中に入っているモノを抜くと、美琴を跳ね起こし、脱ぎ散らかされた衣服を着出した。美琴に見切りをつけた上条は、満たされなかった欲求を満たす為に他の女の所に行こうとしている。
「お前、もういいから帰れ」
「待って! お願いだから……」
自分が必要とされなくなるのも、自分以外の女を上条が抱くのも美琴には決して許される事ではない。美琴は先程注がれた白濁の液体が秘所から溢れるのも気にする事なく、制止の声を掛け、身体を動かす。
「お願い……わっ、私には何をしてもいいから、他の子とは……」
普通の男なら心を動かされる美琴の哀願も上条には届かない。上条は美琴の方を見る事さえなく、手早く服を着終えると、携帯を出して電話を駆け出した。
「御坂妹か? 今平気か?」
「なっ!! あんた、あの子にまで」
「平気か。分かった。じゃあ、またいつもの場所でな」
会話の内容からこれが初めてではなく、何度も逢っていたという事が伺え、それがより一層に美琴の感情を揺さぶる。それなのに、今の美琴には立ち去っている行く上条の後ろ姿を見送る事しかできないでいた。