「インデックスー、お月見行くぞー」
「キタ━━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━!!」
「団子をモサモサ食べたり月見そばをズルズルすするのはお月見じゃありません!!
そもそもそんな贅沢な品を食べる余裕はありません!!
なぜなら上条さん家の財政は夕陽もビックリなほど真っ赤だからぁぁぁ!!」
「そ…そんなの……お月見は食べるのが重要じゃないのは私も知って………」グスン
「ぐぁぁぁ!!そんな顔するんじゃありません!!
アナタの日頃の行いのせいなのに上条さんが悪い事した気分になるでしょぉぉぉぉぉぉ!!!」
「ええっ!?それじゃあ!!」キラキラッ
「そんな顔するんじゃありま(ry
ニャー
「っつか、やっぱりお月見にも魔術的意味とかあるもんなのか?」
「大アリだよ。
そもそも月っていうのはすごーく魔力が強い天体の一つだし、
月をベースに使わない術式なんて、オリジナルでもない限り存在しないんだよ。
『月にウサギが住んでいる』なんて話も魔力を暗示したものだし、
『竹取物語』も月を利用した魔術を恐れた人々が寓話として後世に残した、
なんて説があるくらいなんだよ」
「はぁー、サテ○イトキ○ノンや月花○刺体みたいなもんなのかー」
「あぅ?さて??げっか??」
ピンポーン
「よー、団子作りすぎて兄貴とじゃ食べきれないんだー」
「ジュル」
「よだれをふきなさい」
ワオーン
「とりあえず近くの公園に来てみたわけだが」
「ジュルジュル」
「よだれをしまいなさい。
お団子にばかり注目しないで、月を観なさい月を」
「無くならないように見張ってるんだよ!!」
「……インデックスさん、あなた風流ってわかってます?」
「わ、わかってるよ!!ふんだ、とうまにだけは言われたくないかも」
「ああ゛!?この粋人・上条を馬鹿にするなよ!!
見たまえ!あの大きな真ん丸お月様の美しい姿を!!
溢れんばかりの月光風に揺れる萩の花の」
「あれはキキョウだよ?」
「キキョウを」
「桔梗があんな形してるわけないかも」
「ゴメンナサイ私が未熟でした」
ワオーン
「お団子うまーっ!!!」モキュモキュ
「………インデックスサンワタクシノブンハ?」
「そこのキキョウでも食べてればいいかも」
「スイマセンスイマセンホントスイマセン」
「しょーがないなぁ…………ほっ、ほら、アーン?」
「アーン」モキュッモキュッ
「………………美味しい?」
「……んん!?なんですかこの美味さ!ちくしょー!!
はー、やっぱメイドさんには勝てないのかなー」
「………ねぇねぇとうま?」クイクイ
「やっぱり俺もメイド学校に……ん?どうした?」
「私も……その……お団子…食べたぃなあって……」モジモジ
「へ?さっきから食べてただろ?っつーかまだ食べる気か。
今はいいかもしれないけど、油断してると太っちまうぞ。
いいか?食欲の秋っていうのは決して『大食いや肥満が許される』って意味じゃn」
轟ッ
ガブッ
ギャァァァァァァァァァァァァァ
「ふぅー…………ん?」
「………………」ウトウト
「………………」
「………………」コテン
「………インデックス?」
「ん…」
「………帰るか?」
「ん…」クイクイ
「ん?」
「………おんぶ」
「………はいはい」クスッ
幾代へて後か忘れん 散りぬべき野辺の秋萩みがく月夜を
【終】