いつも通り起きて、いつも通り不幸にまみれながら通学する  
 
「…お、おはよ…ってこら」  
 
しかし数え切れない留年の危機を乗り越え、ワタクシ上条当麻、ついに高校最後の年を迎えることができました!  
 
「…ょっと、待ちなさいよ、ねぇ」  
 
入院期間と登校日数がほぼ1:1の高校生なんてどこの漫画か小説か。  
青ピや土御門からは「留年乙www」と散々こき下ろされて来ましたが、そんな(俺の信じたくない)幻想はぶっk  
 
「アンタは!何で!いつまでたっても!!私をスルーすんのよッ!!!」  
「おわやっぱ不幸だー!」  
 
と叫びつつ無茶な速度でやってくる電撃を右手でガード。このやりとりも、最早不幸を通り越して日常となってしまった…ん?それって不幸じゃね?  
 
「はぁ…一体いつになったらアンタは私の電撃喰らってくれるのかしら」  
「いやそれ困るから上条サンの生命的に…ちょっと心底残念そうな顔しないそこ!!」  
「フン…いつか必ずギャフンと言わせてやるんだから」  
「その台詞って死語…いやすいません御坂さんお願いだからバチバチさせるのはもう勘弁してください」  
「まぁこれ以上は遅刻しちゃうわね流石に」  
「その通りッ!ただでさえ出席がピンチな俺をこれ以上追い詰めないでってあれ?お前、常盤台はさっきの三叉路を左じゃないか?何で俺と一緒に走ってんだ?」  
 
もうこんなやりとりが始まって数年が経つ。慣れとは怖いもので、一歩間違ったら感電死させる・させられるという状況でも、遅刻しない程度には走るようになっていた  
いつもならとっくに悪態をつきながらそれぞれの学校に向かっているところだったが、  
 
「…あんたの目は物理的に私以外のものを見るようにできてんのかしら…」  
「は?…おい、ちょっと待てナンデスカソノオメシモノハ」  
 
当然当麻だけが進級したりなんてことは無いのだ。青ピも土御門も高3だし、白井黒子は中3になった。ではその一つ上の美琴はどうなるだろう?  
 
「いやありえん絶対ありえんははは夢かこれそうだろ夢でしょう夢と言ってくださいお願いします」  
 
花の高校生、その1年目。そしてなぜか当麻の見慣れた高校の制服を着ている  
 
そういや背も髪も伸びてんなーセミとロングの中間かははもう短髪コムスメじゃなく黙ってりゃお嬢様っぽいなこいつぅははは  
あまりの展開に上条サンの脳内は現実逃避を始めたようです  
 
「ま、同じ学校になるわけだから、一応、ね…じゅ、純粋に一般的な礼儀の問題よ!?勘違いとかしないでよね!!」  
「はい?上条さんは今頭がフットーしそうだYO!って感じなんで気持ちの整理を」  
 
「せ…せんぱい」  
「………え?」  
 
「ぅぅ…か、上条、先輩」  
「…ワンモア」  
 
「かっ、上条先輩っ!…何で何度も言わせるのよ!恥ずかしいのに…い、いや別になんともないやっぱなんでもない!」  
「…不幸…か…?」  
 
 
新学期早々、身近な女の子との関係の変化に悩まされそうな上条さんなのでした  
 
 

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