注、これは姫神が色々されるお話しです。  
  元三沢塾生はこんな事しないよ!とか  
  読む人を物凄く選ぶので、もし読みたいのなら覚悟してください。  
  後、エロシーンに入るまでが長いのでご了承ください。  
  ってかエロがあるのかどうか予定は未定です。  
  まあ、18禁なので安心してください  
  当麻にぶっ飛ばされるので大丈夫です、多分。  
 
陵辱って何さ?振り向かない事さ。  
鬼畜って何さ?振り返らない事さ。  
 
それは学園都市の中で起こった、とある事件。  
――――――――――――――――――――  
ここはとある高校の前。  
学園都市では珍しい土の校庭に、どこにでもあるような形の校舎。  
学校案内ではスタンダートの中のスタンダートを目指しているらしいが、それはまあ説明するべきではないだろう。  
時節、その校舎から「不幸だー!」と言う叫び声が聞こえてくるが、幻聴だと思いたい。  
 
「なあ、もう一回聞くけど本当にココなんだよな?情報がガセだったらマジで殺すぞ。」  
「この情報は確実だよ、そう コーラを飲んだらゲップが出るっていうくらい確実にね。」  
「…………」  
 
その高校の前で喋るは3人の男。  
その3人の特徴を一言で言えば、没個性。  
5分も見ないだけで顔を忘れかねないほどに特徴が無く。  
人込みに紛れれば捜すのが不可能と思えるほどである。  
便宜上、似非紳士的なのをA、口が悪いのをB、無口なのをCにしておこう。  
 
「……お前、昨日の常盤台の時もそう言ってなかったか?『風紀委員』や『警備員』に捕まりそうになったのを忘れたわけじゃねぇだろうな?」  
「そんなに心配するなよ、人間は時々間違いをするもんだろう?それに昨日は捕まらなかったから良いじゃないか」  
「…………」  
「………マジ殴って良いかおい。あの『超電磁砲』の盾にされた貸しを返してもらってねえんだぞ。」  
「おいおい、無駄な体力は使うなよ?僕と『お姫様』との対面が済んでないんだからね」  
「…………」  
「フン、『お姫様』ねぇ。何とも御執心のようで結構結構、ってかお前も何か言えよ黙ってないで」  
「…………」  
「そうだよ『お姫様』だよ…………っぷはははははぁ、ああ、ムカついて来たッ!  
 なんで くそったれの『お姫様』のおかげで 僕が焦らされたり 後悔したりしなくちゃあならないんだ!!?  
『逆』じゃあないか? 勝手に逃げ出すのは絶対に許せないよな!あの売女に自分が何であるかをもう一回分からせてやらないとなぁ!」  
「ちょおま黙れ『警備員』がこっち見てrああ来た!一旦退くぞ!」  
「…………」  
 
バタバタとその場を駆けて行く3人の男  
コレ以上無いほどの不審者達であった。  
 
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  
それから数時間以上後。  
道路を1人の少女が歩いている。  
まだ秋と言うには速すぎて、突き刺すような太陽の日差しがアスファルトを容赦無く温めており。  
そんな3分で干乾びて、スルメになりそうな熱地獄を歩く少女だが。  
その顔は涼しげであり一粒の汗も浮かんでない。  
 
少女の名は姫神秋沙。  
 
腰まで届くほどの黒い髪に白い肌、今の日本では絶滅してしまった気がする『何か』を思い出させてくれる容姿をしており。  
分かり易く説明すると結構な美少女であった。  
又、特殊な能力を持っており。その所為でとある事件に巻き込まれた経歴も持っている。  
何が楽しいのかやたらと幸せそうな顔をしているが、右手に持ったスーパーの袋と関係あるのだろうか。  
 
 
 
「ふふふ」  
右手の袋に目を向けると、自然に自分の顔が綻ぶのが分かる。  
(えへへへ、今日は上条ちゃんとシスターちゃんを呼んで焼肉パーティーですよー?ですが  
 私は職員会議でちょっと遅れるですのでー。特売の絢爛舞踏セットを姫神ちゃん、買って来てくださいねー?)  
脳裏に見た目12歳の子供先生が嬉しそうに喋る姿が浮かぶ。  
そこで、上条当麻が心底嬉しそうに万歳する微笑ましい姿を思い出したが。  
思い出した瞬間、ちょっと顔を顰める姫神。  
(……今日はしてくれなかったな。)  
…当たり前である。上条当麻は猿ではない。  
通りすがりの女の子にフラグ(自称駄フラグらしい)を立てるのは日常茶飯事だし、健康な高校生男子ではあるが。  
そんな365日24時間年中無休で発情しているのはさすがに有り得ない。  
まあ、下校時間に濃厚でディープなキスを、お前等はそれを誰かに見せ付けたいのか?と言う勢いでかましたのだが。  
姫神的にはキスだけで済ませるのは非常に物足りなかったようである。  
(昨日は凄かったな。)  
ちょっと顔を赤らめつつ昨日の情事を思い出す姫神。  
(あんなに激しくするなんて)  
お前等どんなバカップルっぷりを発揮していたんだ?と。疑問が感じられる程の幸せそうな顔をしながら  
姫神がエロ回想にうつつを抜かしていると。  
 
「やあ、元気だったかな『お姫様』」  
 
不意に、姫神秋沙の後で声が響いた。  
その声に姫神の全身が硬直する。思い出したくない記憶、その名称を使うのはあの塾の――――。  
ゆっくり、それはゆっくりと姫神が振り向く途中。気付いた。  
(ここは。何処?)  
今現在、姫神が立っている場所は暗く湿った路地裏の行き止まりであり、何処を如何見ても小萌先生の住むアパートに続く道路ではない。  
尚もきょろきょろと辺りを見渡す姫神に声の主は怒ったように叫ぶ  
 
「久し振りって言ってるだろう!売女が無視してんじゃないぞ!」  
 
意図的に見ない様にしていたが、そうもいかないようだ。  
姫神は諦めたかのように溜息を一つ付くと、意を決して声の方向に視線を向ける。  
視線の先には3人の男。  
姫神自身に見覚えは無い、が。あんな呼び名を知っているのを察するに、多分あの塾の生徒などの関係者だろう。  
姫神は内心の動揺を押し隠し、なるべく平然とした顔で3人を見つめる。  
 
「何でこんな所に来てしまったのか不思議な様だね?ふふん、僕の超能力は精神感応のレベル3。  
 干渉範囲は低いが人1人を誘導するなんて朝飯前だよ……まさか霧ヶ丘女学院を転校していたとはね、  
 捜すのに苦労したよ、さぁ帰ろう?……また可愛がってあげるからさ。『お姫様』も嬉しいだろう?」  
 
姫神に注目された事が嬉しいのか、にやけた面をして、聞かれても無い事をぺちゃくちゃ喋り出すA。  
誰も聞いてない、と姫神は思いながらも、視線を余所に向けて鞄に隠してある、『有る物』を取り出そうとする。  
(これは。チャンス……?)  
姫神は思う。  
これは過去に打ち勝ち未来を手にする為の試練であり。  
悪夢を乗り切り、明日を手にする為の機会だと。  
脳裏に浮かぶのはあの少年の顔、神に匹敵する力を持った錬金術師に対して。  
ただその右手を握り締め立ち向かった勇者。  
(私も。当麻のように)  
 
「ふぅん、良い度胸じゃないか『お姫様』ぁ」  
 
そんな姫神の心理も知ってか知らずか、いきなり沸騰して言葉を荒げだすA。  
多分、無視されただけの事で頭にキタのだろうか。相当心に余裕が無い男である。  
更に姫神が小馬鹿にしたように肩を竦めると。  
 
「こ、このおッ!!」  
 
簡単にブチ切れ、感情に任せて殴りかかって来た。  
しかし、慌てず騒がず姫神は鞄から取り出した『有る物』を相手に向けると、躊躇無くその引き金を引いた。  
 
ババババババババ!!!!!!!!!!  
路地裏に響く銃声。  
 
「ウ  ガァァアァ!!!!」  
全弾くらったAは、悲鳴を上げながら堪らず地面に転がる。  
当たった場所に穴が開いて煙が出てるように見えるが、姫神が撃ったのは勿論本物の銃ではない。  
Aがくらったのは、小萌先生のアパートの備品である『魔法のステッキ』。  
……余りの破壊力の高さから発禁処分をくらった、別名西瓜割りのBB弾である。  
しかしエアガンと言ってもその威力は半端ではない。  
地面を転がるAに尚も、容赦無く弾をぶち込みながら足で蹴って蹴って蹴りまくる姫神。  
荒い息を付きながら姫神が足を止めた時には、完全に気絶したAが地面に転がっていた。  
 
「ふぅん?中々やるじゃねぇかおい」  
 
それを見て感心したかのように呟くB、何故か非常に嬉しそうな顔をしている。  
(なんで?)  
油断無く視線を向けながら姫神は疑問に思う。  
Aをボコボコにしている時、姫神はわざと隙を作っていた。  
―――懐に隠してある『魔法のステッキ2』スタンガン入り警棒を容赦無く叩き付けるために。  
しかし、攻撃しなかったのは如何言う事なのだろうか?  
疑問の目を向ける姫神にBは笑いながら答える。  
「何で横槍入れなかったか不思議か?別に俺はその何たら塾の関係者って訳じゃねーんだわ  
 そこで寝ている馬鹿に雇われただけでな、正直ムカついてただけにあんたは良くやってくれたよ、マジで  
 つーか女1人捕まえるのに男二人も必要なのかと、その馬鹿はどうしようもねえなー、あんたもそう思わないか?」  
「それなら。そこを退「前金貰っちまったしー、成功報酬もまだ受け取ってねぇしな、正直あんたには悪いけど目的果たさせてもらうんだよな」  
「じゃあ。しょうがな 。西瓜割りを撃とうとする直前、姫神はそこで気付いた。  
何時の間にか、視線の先に居るのがB1人だけだと言う事に。  
(何処に!?)「志村ー後ろー後ろー」  
茶化すようなBの声に急いで振り向こうとした瞬間。  
 
姫神の視界が揺れた。  
「ぅ。ぁ」  
姫神に分かったのはCが頭に触れた事だけ。  
受身も取れずに酔っ払いの様に地面に倒れる。  
意識が無くなる直前、急速に反転する視界の先に、笑いながらCの肩を叩くBが1度だけ見えた。  
 
 
行間。  
 
…………。  
念動力のレベル2っても、触れて直接脳を揺らせばかなり効くだろ?……もう聞こえてねーか?  
…………。  
ったく、あの旗男の居る学校に行くだけでも死ぬほど嫌だってのに。  
…………  
あの最強を倒した化物だぜ?なんっーか今更の話しだが、この馬鹿に雇われたのを後悔しちまうぜ俺。  
…………。  
ああくそ、金が無いのがいけねーんだよ、くそったれ。  
…!………  
勝てる訳ねーだろが阿呆。お前知らねーのか?あの『超電磁砲』も旗男にゾッコンらしいんだぜ?  
…………。  
俺はまだ死にたくねーよ。  
…………。  
もしもの時か?……一応『保険』をかけとくべきだな?  
 
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