『背信の徒には淫罰を』  
 
 
 
 私――インデックス――は、今、寮の玄関で恥ずかしい格好させられています。  
 どれくらい恥ずかしいかと言うと、身に付けているのは目隠しと、前だけ隠してお尻隠さずの貞操帯だけ。  
 さらにロープで、両手は後ろ手にされ縛られ、脚は大きく開く格好で縛られてる。  
 これってやっぱり、未曾有のダイピンチかも。  
 それでね、何で私がこうなったかって言うと、それは昨日の夜の事なんだけど――。  
 
 
 
 
「あっれー? おっかしいなー。ここに閉ってあった箱がねーぞ?」  
 何だか台所の方でとうまが何か言ってる?  
 そう思ってると足音がこっちに近づいてくる気配。  
「インデックスー」  
「なぁに、とうまー? お夜食の時間?」  
「つい今しがた晩飯食い終わったばっかりだろ? それよりさ、野菜室に仕舞っといた――ああっ!?」  
 何かな急に? お夜食じゃ無けりゃ、私は今テレビ観るのに忙しいんだから、ちょっと静かにして欲しいかも。  
「おま、これ開けちゃったのかよ!?」  
 とうまの言葉ですぐそれが何か判っちゃった。  
 私は、隣にあった箱をチラリと見た後、  
「うん!」  
 元気に返事をしてあげたの。  
「中身も食べちゃったとか?」  
「うん! 生クリームとクラッシュしたマロンとそれを包むスポンジが絶妙なハーモニーだったんだよ。はい」  
 呆然としているとうまの前に、一つだけ取っておいた、とっても美味しかった『ろーるけーき』を差し出した。  
 うふふ、私って優しい――って思ってたのに、  
「はい、じゃねえ!!」  
 ただでさえ恐いとうまの顔が鬼の様な形相!?  
 だけど私も負けない。  
 もう見慣れたとうまの顔なんか恐くないんだから。  
 それより何怒ってるのかな、とうまは?  
「もう……、ちゃんととうまの分も取っておいたのにぃ。要らないなら食べちゃうからね」  
 ん、甘ぁい……。このろーるけーきって本当に美味しいね!!  
「ご馳走様でした」  
「あ、あ……」  
 あれ? とうまが口を大きく開けてる。  
「どうしたの、とうま? あ! やっぱりホントは食べたかったんでしょ? でももう無いよ。正真正銘あれで最後だから」  
 残念でしたー。素直に頂戴って言えば、とうまも美味しいろーるけーきが食べられたのにね。  
「ばかもーん!!」  
「きゃ!?」  
 何なの一体!? ドキッとして心臓が飛び出すと思ったんだよ!  
「急に大きい声出さないで欲しいかも!」  
「ふざけんな! あれはお隣さん――土御門宛の預かりもんなの!」  
「え……?」  
 そう言えば『つちみかどもとはるさま』ってあったけど、もう一週間近く冷蔵庫の中にあったから……。  
「今日は学校にも来てたし、さっき帰って来た感じしたから届けようと思ったら……。このいやしんぼめっ!!」  
「いやしんぼじゃないもん!! だって……、お腹空いて死にそうだってスフィンクスが……」  
 
「スフィンクスのせいにすんな!! お前聖職者だろ!? 神に仕える身だろ!! 嘘までついて意地汚ねー真似してんじゃねーよ!!」  
「嘘じゃ無いもん!! 大体、とうまがいけないんだよ。そんな大事なものなら、貼り紙と鍵と魔法陣で多重結界でも張っとけばいいかも!!」  
 そう、これは全部とうまが秘密にしてたのが悪いんだから私は知らないッ!!  
「逆ギレ!? しかも、一つは明らかに俺にはできねーだろうがっ! キ―――――ッ。ざけんなインデックス!! お前、居候のくせに少しは家主の立場ってのも考えろ!!」  
「それを言うならお留守番してる方の身も考えて欲しいかも!! 黙って冷蔵庫の奥に隠したりするからこんな事になるんだよ。他にもいっぱいいーっぱい私に隠し事して、どうしてとうまは私に隠し事ばっかりするのかな!?」  
 じろっと私が睨んだら、とうま、急に視線なんか外しちゃって。  
「な!? 隠し事なんか全然……」  
「それなら、あれから毎日してるのに、たまにHな本持ってお風呂に行く理由を答えて欲しいかも」  
「あ……」  
 図星を指されて、一気に形勢逆転――ううん、最初っから私が正しいんだから正義は勝つだね。  
「役不足なのかな、とか、魅力が無いのかなって気にして色々勉強して頑張ってるのに。とうまは私の事女として馬鹿にしてるのかな?」  
「そ、そんな事無い無い!! インデックスさんは何時もかわいいですよホント!! マジで俺には勿体ないくらいのベストパートナーですよ? これであとちょっと胸と背が大きかったらいいなぁ、なんてこれっぽッちも……」  
 そんな事思ってたんだね、とうまは……。  
「ひっ!? イ、インデックス」  
「と、う、まぁぁぁ……」  
「待て、インデックス!! おかしいだろ!? 今、怒ってんのは俺で、怒られてるのはお前。ドゥーユーアンダースタン?」  
「A skull of TOUMA is bitten and broken!!」  
「こ、言葉の意味はよく分からんが、とにかくすごい殺ッぎゃああああああああああああ!! ふ、不幸だああああああぁぁぁぁぁああああああああああああ!!」  
 
 
 
 
 ま、そんな事が有ったり無かったりしたんだよ。  
 それで結局、私はとうまにお仕置きされる事になっちゃったんだけど、これって結構不当な扱いかも。  
 とうまは朝ごはんを買いに行くって言って、私をここに置いて出かけたみたい。  
 出がけにとうまは、  
『太陽が黄色いぜ――なあインデックス、ちょっと朝飯調達してっくっから留守番頼むわ。もしお客さんが来たら、いつもの様に……。あ、まあ、こうなっちまったけど適当にな、適当に。無理はするなよ』  
 何だか最後はしどろもどろで良く判らなかったけど、とにかくいつもの様にって事は、お客様が来たらご接待するんだよね。  
 そう言えば前回の時はあいさが訪ねて来て…、あの時は本当に酷い目に合ったんだよ!  
 私が、何回も何回も気を失ってるのに、その度無理やり起こされたりして、  
『彼の性癖を知るためにも。お願い。協力して』  
 相変わらずあいさの言ってる事は良く判らなかったけど、やっぱり女を責めるのは、隅々まで体の構造を熟知している同じ女の方が恐いって本当だね。  
 責めもとうまに比べるとすごいねちっこかったし。  
 うーん。今回もあいさじゃないといいなあー……。え? べ、別に期待なんかしてる訳じゃ全然無いんだから!  
 大体、今、私の体中全部の穴はとうまが一晩かけて注いでくれたものでいっぱい満たされてるんだよ。  
 その点は満たされてるの。  
 ただ、ちょっと……、ね、  
「退屈で死にそうかも……」  
 もうどのくらい時間がたったのか、正直待つのに飽きた気分なんだよ。  
 あんまりつまんないから、お腹の中に入れてもらったおもちゃたちがこすれ合う感触を追いかけてみるけど、本当にもどかしい。  
 前にも後ろにも、奥までいっぱいに詰め込まれたこれを一気に動かしたら退屈も吹き飛ぶんだけど……。  
 それにしても、普段からお金が無い無い言ってるとうまは、どうやっておもちゃ(これ)を買ったんだろう?  
 こんなモノとは言わないけど、これを買う分を少しおやつに回してくれると嬉しいかも。  
「う、ん……」  
 薄い壁一枚通して、お互いが擦れる感じがじわじわと腰の辺りから這い上がってくる。  
 この調子で少しずつ少しずつ……。  
「にゃー、カミやん。鍵をかけ忘れるとは物騒にもほどがあるぜよ? で、朝っぱらからこの土御門さんに何のよ、う……」  
「きゃ!?」  
「き、禁書目録なのか……?」  
 
 いけないいけない。驚いてなんかいる場合じゃないんだよ。  
 とうまに言われてた通りにちゃんとしなくちゃ。  
「い、いらっしゃいませお客様。家主はただいま留守にしております。家主が帰るまでの間、わ、私で時間を潰しながらお待ち下さい」  
「あの……、禁書さん?」  
 やっぱり驚いてる。  
 そうだよね、普通訪ねて来て玄関に裸で縛られた女の子がいたら、私だって驚くかも。  
 そうすると、やっぱり……。  
『お客さんがびっくりして遠慮してる時はアレを見せてやれ』  
 そうだよね。いい加減色々もどかしかったし、お客さんが来たから『アレ』をしてもいいんだよね。  
 それじゃ、後ろに力を入れて……  
「んっ」  
「どうした、禁書目録!?」  
「ふぃ、にぃ、きゅふううう……」  
 しゅ、集中してるんだから話しかけないで欲しいかもっ!  
 黙って、ても、今、判る、から、静かに、して……。  
「お腹がっ、お、お尻っ、ぐっ、あふぁ!」  
 目隠しで見えないけど、出た、と思う。  
 だって、お腹の中をぐりぐりっと掻きわけて、お尻の所をゴリゴリっとこじ開けられるようなアレの感触がしたんだから。  
 え? 何がって? それはね……。お尻の中を埋め尽くしてる大きなは、り、が、た。  
 張形にも色々と霊的や魔術的要素があってね、古来から偶像崇拝の一種として崇める事が多かったの。  
 日本では、特に陽物崇拝として男性外性器の形のものを子孫繁栄を願って崇める習慣が……って、そんな事どうでもいいって? そう?  
 ま、とにかくこのお尻に入ってる張形のすごい所は2つあるの。  
 一つは、竹の様に節くれだっていて、その節ひとつひとつにイソギンチャクの触手の様なものが付いてるの。  
 これが、お腹の中やお尻を出たり入ったりすると、それだけで鳥肌が立つくらいゾクゾクしちゃうんだよ。  
 それともう一つ……。  
「ひぃ!? あ、あ、くる。入ってくるぅぅぅ……」  
 そう、これ。これなんだよ!  
 お腹の奥にあるバルーンから伸びたワイヤーが、一定の長さまで引っ張られると張形を強制的に引き戻すの。  
 このバルーンは簡単には取れないから、こうやってお尻の外に飛び出した張形を……。  
「ひぁあ。助けてぇ! こあい、こあいのぉ!」  
 戻って来た張形の感触が私を狂わせる。  
「んにぁ! 死ぬっ! 食べられちゃう!? おな、お腹から、たっ、こっ、ぎっ、きひいいい゛い゛い゛い゛い゛っ!」  
 まるで内側から何かにゆっくりと喰い尽される様な気分になるから、本当はこれ嫌いなんだよ。  
 駄目だ、もう自分を保てない、このまま狂って――、  
「ろあ?」  
 あれ? 張形の動きが急に……?  
「大丈夫か? 禁書目録」  
 ああ、もとはるが止めてくれたんだね。  
 それならもう一つお願いしちゃおうかな。  
「ぬいて……、おひりから……ぬいてくらると……うれひ……かも……」  
 どうかな? やってくれるかな?  
「んあ! んん゛っ、んんんんんん、ひぐっ! あぅ、くふ、ううううううん」  
 あ、どうやら伝わったみたい。  
 お腹の中をずるずるされるのは変な気分だけど、これで私も解放され――、  
「ぎゃん!!」  
「どうした!? それに何だ? 急に、硬い……」  
「ひぎゃ!? こじらないれ! こじったら、お腹破れて死んじゃうよぉお!」  
 あははは……。バルーンの事説明するの忘れてたんだよ……私って馬鹿かも。  
「す、すまんっ!」  
 もとはるが誤ってっくれてるけど、これは私の責任なんだよ。  
 お腹を掻きまわされる感覚が徐々に抜けて来た所で、  
「もと……、ゆ、ゆっくり、まっすぐ、に、ひっぱって……」  
 もとはるにそうお願いしながら、私もお腹に力を入れる。  
 
「ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛」  
 苦しい――でも、感じる。徐々に大きなものが私の中を進んで来て……。  
「あがっ!」  
 恥ずかしいくらい大きな音がして、その後はしたない音が耳を打つ。  
 ああ、きっとバルーンが抜けた拍子に、とうまにいっぱいそそいでもらったのが出ちゃったんだね。  
 青臭い臭いと、内臓特有の臭いがブレンドされた、独特の香りが私の鼻をくすぐる。  
 お尻がひりひりする――多分それってお尻なんかめくれちゃったんじゃないかな? 前にもとうまにそう言われたから、きっとそうなってると思うんだよ。  
 もとはるに見られてるのかな? それって結構、恥ずかしいかも……。  
「禁書目録……」  
「ゅ……?」  
 何かがお尻に触れた。  
 良く知ってるような感触。  
 確か、これって、とうまのおちん――、  
「ッ!?」  
 ズン、と奥まで突き上げられて一瞬気が動転したけど、  
「もと……は、んぶっ!?」  
 開いた口に生温かい何かが触れたと思ったら、もとはるの舌が入って来た。  
「うぶっ! はんぐっ! ぷあっ! ん゛ん゛ッ!」  
 上と下からの波状攻撃に、私はもうメロメロなんだよ。  
 舌は縦横無尽に私の口の中をまさぐるし、もとはるのアレは私の中から全部とうまを描き出そうってくらい激しく出たり入ったりしている。  
 私の見立てじゃ、太さはとうまの勝ち。長さはもとはるの勝ちって所かな?  
「あぶっ! んうー! おぶっ!? ゴクッ? おぶっ! ゴクッゴクッ、コフッ! ろあ゛、あ゛ぶ、あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛……」  
 いちばん奥を深く付き上げながら、舌を押さえつけて無理やり唾液なんか飲まされたりしたら溺れちゃうんだよ。  
 まして、  
「くっ!」  
「!?」  
 熱ッ!!  
「ア゛――――――――――――――――――――――――――――――ッ!!」  
 いきなり奥に出すなんて大大大反則かもッ!!  
 これじゃ余韻を楽しむ暇も無くて、あっと言う間に意識は刈り取られちゃって、次に私が気が付いた時には、  
「あああ……。舞夏ぁ、お兄ちゃんは……、お兄ちゃんはぁぁぁ……」  
 もう!! 敗残処理なんて本当に面倒なんだよ!!  
 とは言っても、ほっといても何にも解決しないのは明白だし……、ホント男ってメンドウ。  
「お腹……減ったんだよ……」  
「禁書目録……?」  
「お客様……後でお腹いっぱい食べさせてくると嬉しいかも……」  
「お? おう! 任せとくにゃー。この、土御門サンが、禁書目録にお腹いっぱい食べさせてやるぜよ! だ、だから……、その……」  
「了解なんだよ、誰か判らないお客様」  
「すまんこってすにゃー!! ホント、ほんっとーにすまん!!」  
 もとはるが土下座してる姿が目に浮かぶようだよ。それくらい平身低頭してる感じが伝わってくる。  
「解かなくていいんかにゃー、これ?」  
「大丈夫なんだよ。それより早く帰った方がいいかも。それからこの事は……」  
「他言無用!! この事は死んでも1人で墓まで持ってくぜい」  
 バタンと音がして人の気配が無くなると、玄関に静けさが帰ってくる。  
 私は、先ほどの余韻と、新しい秘密を手に入れた高揚感にふわふわと漂っていた。  
 この事、まいかに話したらどうなるんだろうね? ちょっと興味あるかも。  
「何だか運動したらお腹が空いたんだよ。とうま、早く帰ってこないかなー?」  
 
 
 
END  
 

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