「……うう」  
「どうかしたの? 窒素装甲」  
仕事中。  
その日絹旗の属する新チームは路肩に止めたワンボックスバンの中で待機していた。  
今日の彼等に課せられた任務は保険的なもので、少し離れた建物で行われている評議員の会談でなにかあれば駆けつける、けど多分なにもないよという微妙なものだった。  
なので全体的にだらけた空気が漂っている。心理定規などは真っ先に帰ろうとした程だ。  
車内にいるのは浜面仕上、手塩恵未、絹旗最愛、心理定規の四人である。死角移動は現地偵察に出ている。  
浜面は運転席で、ハンドルに両腕をもたれさせて通りの景色をぼんやりと眺めている。手塩は死角移動と連絡を取りながら生真面目にタイムスケジュールを確認していた。  
心理定規は退屈そうに携帯を操作し、絹旗は映画のパンフレットを眺めながら時折頭を押さえている。その表情は憂鬱そうである。女性陣は三人とも後部座席にいた。  
絹旗の様子に気付いた心理定規が、からかうように声を掛ける。  
「頭が痛むみたいだけど、二日酔いかしら。能力の不調なら先に言って頂戴ね」  
「いえ、新しく試したピルが超合わなかったみたいです」  
弛緩していた車内の空気が凍り付いた。  
手塩の手から携帯電話が滑り落ちて軽い音を立てる。  
絹旗が車内を見回して硬直した面々を見回す。あ、と失言に気付いて手を押さえるが後の祭りである。  
最も早く再起動したのは手塩だった。  
「ど、どういう、ことだ、絹旗!」  
ドン!と床を踏み抜きかねない勢いで手塩が振り向き、絹旗に迫る。押し殺したような冷静さなど見る影もない。信じていた教え子が万引きをした瞬間を目撃した担任教師のような顔をしていた。  
「お、お前は、まだ中学生、だろう。いや、去年までは、小学生、だっただろう!」  
「え、ええまあ」  
「そ、そんな歳で……した、のか?」  
「おおおおおおおおお落ち付け手塩!」  
お前が落ち着けという勢いで浜面が運転席から身を乗り出してくる。正直キモい。  
「さ、最近の中学生は進んでるって言うし、恋人がいたって別に不思議じゃないだろ? 別にいい……」  
「いいわけが、あるか!」  
手塩が内装を力任せに殴りつけた。強化FRPの壁にびしりとひびが入る。人間凶器だ。  
浜面はその鬼気迫る雰囲気と危機感に勢いを削がれて黙り込んでしまった。へたれである。それに元々罪悪感もあった。  
「日本国刑法における、性交同意年齢は、13歳以上。それ未満では、例え合意があっても、強姦とみなす」  
「まあまあ落ち着いてくださいね、手塩さん。自分が嫁き遅れそうだからと言って若い子に嫉妬しなくてもね」  
突然手塩の背後に現れた死角移動は、即座に鉈のような裏拳一発で床に沈んだ。  
「ましてや、経口避妊薬だと。あんなものを、成長期に口にしていたら、どんな副作用があるか、わかるものか」  
「そ、そりゃそうだが……」  
手塩のトーンが下がる。だが込められた熱は変わらない。怒りを押し殺した口調のまま、じっと絹旗を見据える。  
脇にいた浜面が胸を突かれたように呻いた。対して、見据えられている絹旗はやる気なさげな半眼だ。  
「絹旗、お前がしている、というのなら。その相手を、教えてくれ」  
「教えたら超どうするんですか?」  
「半殺しにして、留置場に、叩き込む」  
浜面が無言でのけぞった。手塩の目は本気の炎で燃えている。例え相手が評議員であろうがやる気だ。いっそ全殺しになるかも。  
絹旗は小さく溜息をついて、パンフレットに視線を戻した。  
「超お断りします」  
「どうして、だ」  
「私が勝手にやってることです。超余計なお世話です」  
「絹旗。お前はまだ、子供だ。感情も、未成熟だ。一生を決める、決断をするには、早すぎる」  
「超笑わせないでください。薬漬けにしてこんな仕事させておいて、今更超子供扱いですか?」  
「それ、は」  
「確かに私達が法律云々に拘るのもおかしな話ですよね。正直逮捕されなければそれでいいというかね」  
再度死角移動が手塩の背後に現れて茶々を入れる。手塩は背筋を駆使して、死角移動の顔面に自分の後頭部を叩き込んでダウンさせた。めこし。  
「それと、これとは、話が違う。仕事の責任は、私が持つ。だが、お前はまだ、自分の責任を取れる、年齢ではない」  
「はん」  
今度こそ絹旗は鼻で笑った。パンフレットをその場に置いて席から立ち上がる。30cm以上の身長差と二倍以上の年齢差がある手塩を、真正面から睨め上げた。  
「なんだか私が超いいように騙されていると思いたいみたいですけど」  
右手を掲げて握りしめる。轟、と空気中の窒素が集まり車内に風が巻き起こった。  
 
「超逆です。この大能力者(レベル4)『窒素装甲』絹旗最愛が、浜面仕上を力で超奪い取ったんです。そこのところを勘違いしないでください」  
沈黙が落ちる。  
…………  
………あ  
ぎぎぎぎ、と首を軋ませながら(イメージ音)手塩が運転席に振り向く。ひい、と浜面が小さく悲鳴を上げた。  
正に悪鬼羅刹の形相だった。めちゃくちゃ怒ってます。  
「浜面、貴様、そこまで、クズだった、とは」  
「待て待て待て待て待て待て落ち着け手塩!」  
だからお前が落ち着け、という勢いで浜面が首を振る。構わず、手塩の鉄拳が固く握られた。宣言通り半殺しにするつもりだ。全殺しかも。  
残り数秒で男は弁明を余儀なくされる。ここが命の別れ目だった。  
「別に俺はロリコンってわけじゃねえんだ! そもそも俺は色気のある大人の女性が好みであって、全てバニーが、バニーが!」  
「浜面超ふざけんなキーック!」  
手塩より先に、座席を飛び越えてきた絹旗の蹴りが浜面の腹部に突き刺さった。胃液を吐き出しながら後方のフロントガラスに叩きつけられる浜面。  
びしりとフロントガラスに真っ白なひびが入り、直後に枠から外れて彼の体ごと車外に吹き飛んだ。ゆうに5mは滞空し、地面に叩きつけられる。  
「ま、待て、浜面。貴様には、叩き込むべきことが、山程ある!」  
一瞬呆気にとられた手塩が車外に飛び出すと、路上を転がっていた浜面が慌てて立ち上がり逃げ出した。つくづく頑丈な男だ。  
ちなみに絹旗は別に逃がそうとしたわけではなく、単にむかついたから蹴りを入れただけである。  
ワンボックスバンに残されたのは絹旗と心理定規だけとなった。死角移動は例によっていつの間にか姿を消している。  
「やれやれ、これじゃ超仕事になりませんね。迷惑掛けてすみません。あと、心配してくれて超どうも」  
「え、ああ、うん」  
絹旗がパンフレットを拾って席に戻り、ふとドレスの少女に聞いてみた。  
「ところで心理定規は、何処のピル使ってますか?」  
「え、ええっ!?」  
それまで黙っていた心理定規が、何故か携帯電話を取り落としかねない勢いで狼狽した。不審に思った絹旗だったが、すぐに自分で納得する。  
「ああ、超もしかしてゴム派ですか? 確かに成長に悪影響でそうですし」  
「え、ああ、うん、まあね」  
「でもあれって気持ちよさが超いまいちじゃありません? それに浜面は中出しの方が超喜ぶんですよ」  
「ぶふっ、こふっ! ……そ、そうなの?」  
「え、もしかしてですね。心理定規さんその能力と外見でまだ経験が」  
PANPAN!  
心理定規の背後に出現してなにか言おうとした死角移動は、蠅でも追い払うかのように心理定規が発砲したことによって即座に姿を消した。  
はだけた太股からガンマン並の抜き打ち(しかも背後照準)を披露した心理定規は、呼吸を落ち着かせて絹旗との会話に戻る。  
「まあ、そういう気遣いは男の方にさせるべきでしょ」  
「超女王様っぽい意見どうも」  
「それにやっぱり成長期にホルモン剤はね。せめて市販品じゃなくて、体質に合ったものを病院で処方して貰いなさいよ」  
「私の年齢でピル処方してくれなんて超降りるわけありません。R指定映画見るのとは違うんですよ」  
「それじゃ電話の向こうに医者でも紹介して貰いなさいな。あっちにしても今妊娠なんて困るでしょ」  
「うーん、あの女に知られるのは超嫌ですが仕方ないですかね。しかも何となくですが、超逆切れしてきそうだし」  
それで話は一段落した。ぼろぼろになった車内に沈黙が戻る。  
しばらくして、おずおずと心理定規が尋ねる。  
「ね、ねえ。本当に……してるの?」  
「超してますけど? 貴女なら能力でわかるでしょう。ああ、数字は超言わないでくださいね」  
「まあ、三角関係に持ち込んだのはわかってたんだけどね。ちょっとその、入るとは思わなかったから」  
「流石に体格差があるんで超きっついですけどね。それでも最近はイケるようになりましたよ」  
同性ならではのあっけらかんとした絹旗の返答に、心理定規は誰にも聞こえない声量でぶつぶつと呟きだした。  
「……大丈夫負けてない負けてない。あんな行為は手段でしかないし、私は能力で結果だけを先取りできる。だからそんなの必要ないし負けてなんかない……」  
「?」  
そんな心理定規を不思議に思いながら、絹旗は手塩の落とした携帯を取って現場に連絡を入れてみる。予定通り会談は終了したようだ。  
現在チームは絹旗のせいで壊乱状態である。出番がないのは僥倖だった。  
 
 
一方その頃。  
手塩の追跡から命からがら逃げ切った浜面は路地裏で一息ついていた。ぜえはあ、と壁に両手をついて呼吸を整えている。  
不意に、背後から声。  
「お疲れさまですね、浜面君」  
「どおっ!? な、なんだ査楽かよ。脅かすな」  
浜面と死角移動は意外と仲がいい。歳が近いのもあるが、どちらも雑魚で変態気味なシンパシーがあるからだろう。ちなみに浜面がバニーフェチで死角移動がうなじフェチである。  
「少々見損ないましたね。あなたは大人の色気というものに対して飽くなき追求をしているものと思ったのですがね」  
「おい査楽。さっきも言ったが、俺は元々ロリコンじゃねえぜ。ただ」  
「ただ?」  
「ロリバニーも悪くない……!」  
「なるほどね。バニーという要素を組み込むことでロリコンでさえ許容するというわけですね。感服したね」  
≒バニーならなんでもいい。  
うんうんと頷いて、死角移動は自分の携帯電話を浜面に手渡した。既に通話状態となっている。  
「ところで私の知人に話をしたら君に一言言いたいことがあるそうですね」  
それだけ伝えて死角移動は文字通り姿を消した。訳もわからず浜面は携帯を耳に当てる。  
『くたばれ幼児性愛者! 貴様にテスカポトリポカの裁きあれ!』  
『僕は断じてロリコンではありませんが言わせて貰いましょう。花は触れずに愛でるもの、蕾の内に手折るとは言語道断!』  
「な、なんだ?」  
通話口から聞こえてきた、激高した少女の声と怒りを押し殺した青年の声に首を捻った直後。  
第三学区の病院から発射された不思議な光が着弾し、浜面を周囲諸共吹き飛ばした。  
 
 
その日の夜  
ぼろっとした浜面とジャージ姿の滝壺、ワンピースの絹旗は三人並んで繁華街を歩いていた。たまには外食、ということで食事をした帰りだった。  
浜面を二人が挟むような位置関係となっている。ふと浜面が呟いた。  
「しかし俺達、他人から見たら、どう見えるんだろうな」  
「超美人姉妹とその下僕ですかね」  
「新婚夫婦と、その子供」  
「どっちもかなり無理があるなあおい」  
ばちばち、と滝壺と絹旗の間で視線の火花が散った。浜面がげんなりした顔になる。  
というのも、さっきからすれ違う人間の視線がびしばし浜面に突き刺さっているのだった。  
美少女二人を連れたアホなチンピラ、しかも片方が12歳では無理もない。  
と、絹旗がにやりと笑って甘えるように浜面の首にぶら下がった。今日は『絹旗の日』だ。  
「うおっと。いきなりぶら下がるなよな」  
「えへへ」  
「……」  
滝壺が零度の視線で浜面を見る。周囲からの視線も急激に冷えつつあった。ロリコンだ、間違いない。  
うげ、と浜面が状況を理解して顔を強張らせた。変態であることは自覚していてもレッテル貼りはごめんである。  
が、その願いは直後に絹旗が木っ端微塵に打ち砕いた。耳元で囁き。  
「今日は私の日ですからね。どんなプレイが超いいですか?」  
「……」  
「立った。はまづらが立った」  
「うおおっ!」  
車椅子少女風に滝壺が表現するが、もちろんそんなロマンチックなものではない。主に下半身的に。  
とっさ前屈みになる浜面だったが、その拍子に更にまずいものを見つけてしまう。  
「うげっ!? 手塩と黄泉川じゃねえか。あの二人知り合いだったのかよ」  
「どうしたの、はまづら」  
「あ、ホントに手塩さんじゃないですか。今見つかったら浜面超殺されますよ」  
「誰のせいだ……! いいか、慌てず騒がず静かに速やかにこの場を離れろっ!」  
 
一方、浜面の覗いた居酒屋の中で、手塩恵未と黄泉川愛穂と(浜面からは見えなかったが)月詠小萌は酒をかッ食らっていた。  
「まったく、最近の子供は、どうなってるんだ。色気ばかり、無駄について」  
「あははー、仕方ないじゃんよー! それが青春だからじゃん!」  
「でも確かに、先生の教え子も最近浮ついてて大変ですよー。特に上条ちゃんなんか、いつボートに乗りそうか心配です」  
「しかも、なんだ。あんな小さい子に手を出すとは。別に悔しいわけではないが、世の中、何か歪んでるぞ」  
「そうじゃんそうじゃん! うちで居候してた奴も小さい子にしか興味ないじゃん! 世の中何か間違ってるじゃんよ!」  
「なんかすごい僻みを感じますがー。確かに、そんな人たちがたくさんいるなんてけしからんですねー、全く」  
「「お前が言うな」」  
「ふえー!?」  
 
居酒屋から離れた浜面たち三人は、相変わらず繁華街を歩いていた。既に絹旗はぶら下がるのをやめて、普通に三人並んで歩いている。  
なんの捻りもなく帰る途中だったが、ふと絹旗が薬局の前で足を止めた。  
「あ、そういえば滝壺さん。買ってもらったピル、超合わなかったんで補充はもういいですよ」  
「そう、わかった。他の、買う?」  
「いえ、伝手で医者に処方してもらおうと超思います。あ、そういうわけで浜面。しばらくは口だけになっちゃいますけど、いいですか?」  
「……あのよ、絹旗」  
絹旗が浜面と性行為を行う頻度は、高い。  
基本的に一週間のうち、三日が『滝壺の日』で、三日が『絹旗の日』であり、日曜は『二人の日』と言う割り当てになっている。  
滝壺はあまり直接的な接触をしない。『滝壺の日』も、ただ静かに一緒にいることが多かった。性交はせいぜい、一週間に一度だ。  
対して『絹旗の日』では、余程疲れた日以外は性交を行っていた。大抵は絹旗から求めるパターンで、その行為は情熱的だった。  
それまで浜面は、罪悪感を抱きながらずっと快楽に流されてきたのだが。  
「やっぱり、そういうのは……しばらくやめないか?」  
「ピルですか? まあ、確かに体には悪いかもしれませんけど」  
「ゴムにする?」  
「頻度的に滝壺さんはそれでもいいんでしょうが、私の場合は数が超足りるかどうか……それに浜面中出し超好きだし」  
「少しは恥じらいってものを取り戻してくれ」  
繁華街のど真ん中での会話である。  
「いや、薬のこともあるんだが……やっぱああいうのは、もう何年か、経ってからでいいんじゃないか」  
「はまづら?」  
「浜面まで手塩の言うことを超真に受けるんですか。そんなに法律違反が超怖いんですか?」  
「そりゃ怖えけどよ。そうじゃなくて……やっぱ、色々お前には早すぎるっていうか」  
「私の処女膜超破って、あれだけ超中出しして、一体今更何言ってるんですか!」  
絹旗が浜面の襟元を掴んで凄まじい力で引き寄せる。とっくに能力は発動していた。  
往来で一触即発の空気で睨み合う二人を、滝壺の淡々とした声が止めた。  
「はまづら、きぬはた。帰ってから話そう。みんな見てる」  
「……ああ」  
「……ふん」  
 
滝壺の部屋に帰ってきた三人は、居間で改めて向かい合った。  
「って、なんでバニー着てんだよ! 滝壺まで!」  
「超説得用です」  
「きぬはたばっかり、ずるいから」  
テーブルを囲った二人は何故かバニースーツに着替えていた。絹旗が赤い生地に黒ストッキング、滝壺が白い生地に生足である。  
浜面は早くも自分の理性がぐらぐら揺らぎ出すのを感じていた。バニー最高。  
くそう、ここで絹旗に襲いかかったらこの先もずるずる続いちまうに決まってる。そういう策かどうすればいい。そうだ滝壺に襲いかかればいいじゃないか。愛してるぜ滝壺!  
「たきつぼー!」  
「きゃっ♪」  
「ちょっと滝壺さん、今日は超私の日ですよっ!」  
結局gdgdである。  
で  
「くそう、バニーだ、全てバニーのせいなんだ……」  
「この期に及んでそんなこと言ってるから浜面は所詮超浜面なんです」  
「大丈夫。私は、そんな押しに弱い浜面を、愛してる」  
浜面が椅子に座り、滝壺はひざまずいて股間を奉仕し、絹旗は腹の上に乗って口づけを交わすという構図になった。  
くちゅくちゅという水音が居間に響いている。絹旗が執拗に浜面の口の中で舌を動かす音だ。  
「ぷはっ……子供だからダメって、こんな興奮しておいて説得力が超ないんですよ」  
「いや、俺の問題じゃなくてよ……手塩も言ってたけど、まだ責任持てる歳じゃねえだろ?」  
「何言ってるんですか。浜面が、超責任取ればいいだけの話ですよ」  
「そ、そういう問題か?」  
「はまづら、胸でしてあげるね」  
「お、おおっ。いいな……」  
「うう、超いい話の時に私にはできない技を」  
滝壺が胸をはだけて一物を挟んで揉みほぐす。バニーでやると、まんまぱふぱふである。  
滝壺の胸の大きさは標準よりやや大きく、何より柔らかかった。絹旗も発育は良い方だが、立派に貧乳の部類である。  
鼻の下を伸ばす浜面の手をむんずと掴んで、自分の股間に持っていって弄らせる絹旗。  
 
「それに、んっ……将来超後悔するかもしれないなんて、大人も子供も、変わりません……はあっ。そこ、いいです」  
「ここか?」  
「はい……うくっ。それなら、浜面が私を後悔させないように、超頑張ってくださいよ……う、あっ」  
「はまづらは、甲斐性なしだから、そういう期待はしない方がいいかも、きぬはた」  
「最近滝壺がやたら俺に対して辛辣なんだが、本当に俺達付き合ってるんだよな?」  
「私ははまづらの、正妻だから、甘えるのはたまでいい」  
確かに、絹旗は明らかにデレ期に入ったというか甘えてくるのが多いのに対して、滝壺との付き合いはあまり変わっていない。  
激しく対抗するのかとも思ったが、それぞれに役割を分担して浜面に接している節があった。  
「妻といえば結婚は超どうしましょう? 私もウェディングドレスは超着たいですよ」  
「私とはまづらが結婚して、時期が来たら離婚して、はまづらときぬはたが結婚。最後は私に戻して欲しい」  
「俺の関与していないところでなんつう家族計画! てか俺はオプションかよ」  
「超幸せ、が抜けてますよ」  
「幸せ家族計画」  
基本的にこの手の話題で浜面の発言権は薄い。別にないがしろにされているわけではなく、単純に二対一になることが多いからだ。  
それをないがしろにされているというのかもしれないが。  
「ん、滝壺……そろそろ」  
「わかった。出す?」  
「今日は私の日ですから、最初は私に超入れてくださいよ!」  
「ああ、入れるぜ絹旗」  
絹旗が後ろに体をずらし、降ろす。対面座居の姿勢。切り込みの入ったバニースーツの股間部分に、浜面の怒張が突き刺さった。  
ずぶ、ずぶ、と狭い秘裂を押しのけて進む浜面。大分尺を余らせて、ごつんと一番奥を突き上げた。かは、と息を漏らす少女。  
ぎゅうぎゅうと締め付けてくる絹旗の胎内はとてつもなく気持ちいい。明らかに体格が違うのだ。そこで浜面はふと気付いた。  
「やべっ、いつもの癖でそのまま挿れちまった」  
「い、いいですよっ。今日はピル飲みましたし、生の超中出しでっ」  
「いや、けど……うおっ!」  
ごりごりと腰を捻らせて、絹旗は子宮口に先端を擦らせた。たまらず呻き、絹旗の腰を掴んで動き出す浜面。  
「ほらっ、こんな超気持ちいいのに、今更ゴムとかつけれるんですかっ。超スケベの浜面のくせにっ」  
「そ、そりゃ、気持ち、いいけどよっ」  
「つまりきぬはたは、中に出させるしか能のない女?」  
手持ち無沙汰になった滝壺が横から茶々を入れるが二人とも聞いていない。絹旗は浜面に全身でしがみつき、夢中で口付けを交わしている。  
むっと来た滝壺は絹旗の後ろに回って衣装の内側に両手を突っ込み、両方の乳首を摘んで引っ張った。小さな乳房が餅のように伸びる。  
「きぬはた、本当に小さい。将来が心配」  
「やあ、いやあっ。超引っ張らないでくださいっ」  
「(ぶっ)」  
「あ、はまづらが鼻血を吹いた」  
なにかツボに入ったらしい。レズ行為が好きだという話はなかったはずだが、バニー同士だからだろうか。  
猛然と腰を動かし、少女の奥をがつんがつんと突き上げる。あっという間に絹旗はびくびくと絶頂に至った。  
「あっ、あっ、イッてます、超イッてます! 超愛してます浜面っ!」  
「俺も、俺も出るっ」  
「な、中にっ、中に超ぶちまけてくださいっ!」  
「おおおおおおおおっ……!」  
一番深いところで浜面が射精を開始する。胎内に打ち付けられる熱い感覚に、絹旗はびくびくと震え、気を失った。  
人形のように弛緩した絹旗を抱きしめて、浜面が余韻に浸る。  
が、すぐさま滝壺の上気した顔が横から出てきて唇を奪った。  
「はまづら、次は、私の番だから」  
「お、おう。勿論」  
「きぬはたを、あんまり責めないで。多分、不安なだけだから」  
「ん……こいつが?」  
「歳の差とか、はまづらからの愛情とか、そういうのが不安だから。甘えたり、深い繋がりを、求めるの」  
「……それじゃ。俺がちゃんと絹旗を……その、愛してやればいい、ってことなのか」  
「勿論私も、だからね、はまづら」  
滝壺がバニースーツに包まれた体を押しつけてくる。控えめな彼女にしては珍しく興奮しているらしい。  
避妊方法を工夫する以前に、まず回数を減らすべきだと浜面は思った。隔日でこれでは身が持たない。  
けれどそれは、結局幸せな悩みなのだろう。  
 
学園都市は今日も平和である。  
 

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