黄泉川宅の正月  
 
「明けましておめでとー!ってミサカはミサカはサンタさんから貰ったふかふかセーターを着て挨拶したり」  
「…………」  
「どうしたんじゃん?新年の挨拶ってすごい大事じゃん」  
「――――――――――でとゥ」  
 
「フムン、まあ、頑張ったじゃないかしら?愛穂、おせちは」  
「じゃんじゃんあるじゃん……おっと、お年玉あげないとじゃん」  
「いらねェよ」  
 
「打ち止めはほとんどお金を持っていないでしょう?お小遣いは少しあげているけど。  
 いつもあなたが付き添って支払ってくれてるけど、いつまでもそうしてるわけにはいかないじゃない」  
「いつまでも子供じゃないんだよってミサカはミサカはそろそろレディとして扱って欲しかったり」  
 
「まだまだ早ェよ、クソガキ。具体的に言えばだなァ……ほらよ」  
「お年玉じゃん。しかもアタッシュケース」  
「全部札束ね。でも、子供が一人で高い物をいくつも買っていたりしたら、怖ーいお兄さんたち目をつけられて」  
「身ぐるみ剥がされてX指定なお話になっちゃうんじゃん?」  
 
「気が変わっちまったァ……こいつはおまえには早ェ。要るモン買うときに俺が支払えばいいだけだしなァ」  
「ううー!ってミサカはミサカは頬を膨らませてミサカの怒りを示してみたり」  
「やっぱガキじゃねェか」  
「……でも、それはそれであなたと一緒にお買い物行けるねってミサカはミサカは楽しみだったり」  
「はァ?」  
「何でもないよってミサカはミサカはまだあなたから挨拶してもらってなかったり」  
 
「駄目じゃん。挨拶もできないような子供だったなんて……」  
「まあ、あなたが言う姿が想像できないのだけれど」  
「まだかなーってミサカはミサカは期待の目であなたを見つめてみる」  
 
「―――明けましておめでとォォッ!これでいいかよォッ、芳川ァ!?黄泉川ァ!!」  
「できるじゃない。よく頑張ったわね」  
「やればできるじゃん。打ち止めは?」  
「新年明けましておめでとうございます、今年もどうか宜しくお願いしますって  
ミサカはミサカは三つ指ついて頭を深々と下げてみる」  
 
おわり。  
 

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