ダイジェスト形式で送る、『30秒で終わる酒池肉林コーナー』。
キャーリサに拉致された上条は、学園都市某所にある一流ホテルの最上階、何と2フロアを使って作られた、絢爛豪華な特別室に連れ込まれた。
そこで、大方の予想通りの不幸が上条に訪れたのは仕方のない事であった。
異常を来した彼女たちを置いて慌てて廊下に逃げれば、
「おいおい、幻想殺し(イマジンブレーカー)。私ら置いて何処行くつもりよ? 据え膳は残らず平らげるのが大和魂の筋ってもんだろうが」
と、シェリーに押し倒される。
一戦済んでふらふらっと立ち上がると、
「流石に御若いだけあってお元気なのでございますよ。次はわたくしと言う事で、よろしゅうございますよね?」
と、オルソラに後ろから羽交い絞めされて、背中に柔らかいものを感じながら股間をやわやわと揉みし抱かれる。
若いリビドーから逃れられずに、オルソラとも致してしまった上条は、改めて出口を探してさ迷うのだが、この広いフロアの何処に出口が有るのか判らない。
足早に移動しながら出口を探し続けていると、突然横合いから伸びて来た手に引き摺りこまれた所は豪奢なバスルーム。
「上条当麻。何時ぞやお風呂を覗きましたよね? 今度は私の番と言う事で。隅々まで見させていただきますけど構いませんよね?」
とにっこりほほ笑む神裂は、もちろん見るだけじゃ済まさなかった。
何処で憶えたのか、体が溶けるかと言うほどの妙技に思わず有らぬ事を叫んだような気もするが、とにかくその一言で神裂を撃破した上条は、破られて着る事の叶わなくなった防護服の代わりを探して取り合えず側にあったクローゼット開けた。
「「きゃ!?」」
すると中から2人のシスターが転がり出てくる。
「見つかっちゃいましたね。シスター・ルチア」
「だ、だからこんな所じゃ駄目だと言ったじゃないですか。シスター・アンジェレネ!」
「それじゃあ」
「もちろん」
「「覚悟は出来ていますよね?」」
後は言わずもがなであった。
のちに上条は、
『あいつらホントは修道院で何の勉強してたんだ? 前立腺とか2か所責めとか手慣れすぎてておかしいだろ?』
と語ったものだが、
「上条さん。真打ち登場ってやつですよ」
その後現れたアニェーゼに散々泣かされて、妙に納得したとかしないとか。
それでも日頃から有り余る体力か、それともかえる顔の医者のドーピングのおかげか、とにかくアニェーゼ部隊3名を見事撃破昇天させた上条は、再び出口を探してさ迷う。
と、ここで急にもようした上条の目の前に、黄金に輝く「TOILET」のプレートが。
しかし、
「あ、か、上条さん。こ、これは、その……、あの……」
何で扉を開けたままでいるのかとか、何で全裸なのかとか、そう言えば最初から姿が見えなかったけどこんな所に居たのかとか、おいそれはおしぼりじゃないのかとか色々頭をよぎったそうだ。
だが、
「い、いいですよね? もう、我慢しなくてもいいんですよね?」
ここから先は五和の名誉のためにも言えないそうだ。
前後の状況から色々と推測して下さい。
あなたのイメージで、ほぼ間違いないと思います。
トイレの扉を閉じてから、その扉に寄りかかって、深い後悔と共に高校生とは思えないほど重々しいため息を付いた上条当麻は、急に夜風に当たりたくなった。
ふらふらと廊下を歩むと、出口は見つけられないのに、バルコニーに続く大窓は簡単に見つけられた。
ライトアップされたプール付きの、もはや庭の様な様相のバルコニーを、ひたひたと素足で歩いていた上条は、手摺に寄りかかる1人の女性を見つけて愕然とする。
「あら? 火照った体を冷やしていたらその張本人に会うなんてね。ふふふ――」
全裸のオリアナな目の前まで近づいて来ても上条は逃げなかった。
「ねえ君。お姉さんのこの体、癒すの手伝ってくれるかな?」
さらには首に手を回された時には、自らその細いくびれに腕を回したほどであった。
その事を上条は、毒食らわば皿までの気分だったとのちに語る。
そして、毒は全て平らげた上条は残る最後の1人、ここに招き入れた元凶、毒皿に例えるなら金と銀と宝石と刃で飾られた豪奢な大皿を探して、最も豪奢と思われる寝室の扉を開けた。
するとそこには、
「遅ーい。レディーを待たせるのは感心しないの。で、その様子じゃ全員食べましたたって感じだし」
そう言って、ベッドの上で頬杖えを付いて上条を見つめるキャーリサは、
「ふん。一番おいしーものを最後に取っておくって感じなの? そー言う事するんだ上条って」
両足をバタバタさせて不服そうに頬を膨らましながらも、ぬけぬけとそんな事を言う。
「じゃあ、メインと行きましょうか? どうせ自由にならない身の上だし。処女くらいは好きに散らしてもいーと思うの――あ、でもアラサーで処女じゃ気持ちわ……」
上条いわく、毒を含んだ言葉を発する唇も、等しく甘いらしい。