「先生、俺この近くに良い病院知ってますよ?」  
「医者に病院進めるなんて君もすごいね? それから君に心配させなくても僕はいたって正常だよ?」  
「正常な人間がそんなイカレタ話する訳ねーだろ!! 大体、先生! 俺、15っすよ? 何考えてるんすか?」  
「15歳なら精通も済ましてるでしょ?」  
「ッ!?」  
「もしかして、まだだったりするのかな?」  
「んなもんとっくにしてまッ!?、ぁ……、す……ぅ……」  
「じゃあ問題無いね?」  
「問題無いねじゃないわッ!! 大体、何で俺がそんな実験に協力しなくちゃ……」  
「被験者の確保が容易だったんでね?」  
「ひけんしゃののかくほがよういって……?」  
「『百聞は一見に如かず』、と言うよね?」  
 そう言ってカエル顔の医者が椅子から立ち上がって部屋を出て行くと、入れ違いに病院服を来た1人の少女が入って来た。  
「お久しぶりです、とミサカはあなたに挨拶します」  
「み、御坂妹……?」  
「ズバリ正解です、とミサカはあなたに伝えます。何時もと服装が違うのに良く判りましたね? とミサカは率直に質問してみます」  
「いや……、そんな事より何で……?」  
「質問の意味が俄かに理解出来ません、とミサカはあなたに詳細な説明を求めます」  
「いや、だから何でお前がそんな恰好で俺の前に出てくるのかと……」  
「これはつい先ほどまで検査を受けていた為です、とミサカは説明します。この格好なのは、すぐに脱ぐので何でも構わないと言われた為です、とミサカは補足説明します。あなたの前にミサカが来た理由は……」  
 とそこまで話した所で、御坂妹が膝から崩れ落ちる。  
 そのまま床に激突するのか!? ――しかし、  
「御坂ッ!?」  
 すんでの所で、上条が床を滑る様に飛び込んで行って御坂妹を抱きとめる。  
「大丈夫か!?」  
「ミサカはお姉様(オリジナル)ではありませんよ? とミサカは先ほどのあなたの呼び方に訂正を求めます」  
「そんな事より体は大丈夫なのか!?」  
「心拍数、脈拍、血圧の上昇、虚脱感、発熱を感じます、とミサカはミサカの状況を説明します。しかし、現状からは信じられないほど心地よいです、とミサカ、あ、あ……」  
 途中から声を詰まらせた御坂妹は、上条の腕の中で身を強張らせると小刻みに震えだした。  
「ど、どうした!?」  
「か、軽いオーガズムに達したようです、とミサカは答えます」  
「え……?」  
 その言葉に上条は目を点が点になった。  
「みさかいもうと……。いま、なんとおっしゃいましたか?」  
「オーガズムと言いましたがな、に、ああ、ま、また、い、イクぅ……」  
「お、おい!?」  
「オ、オーガズムが、しゅ、き、的、に、ミ、サカ、に、ああ、また来る……、イ、く……、あ、ああ」  
『ありゃりゃ? これは誤算だったね?』  
 突然天井に設けられたスピーカーから、カエル顔の医者と思しき声が聞こえてくる。  
 
 その声に、上条は天井を仰ぎ見て、  
「先生ッ!? 御坂妹が……」  
『今の君の呼気および体臭にはある特定の女性に対して催淫効果が有るんだよ?』  
「催淫効果ぁ!?」  
『そう。君に好意的な女性は皆その気になってくれる筈、だったんだけど……』  
 そう言って軽くため息をつく。  
 そして、その間にも小刻みに絶頂を繰り返す御坂妹の着ている病院服の腰の辺りには、大きな染みが広がって来ていた。  
『ちょっと効き目が強すぎるみたいだね?』  
「ど、どうするんですか!? てかどうなるんですか!? と言うか何でこうなってるんですか――――!?」  
『質問はひとつにしてくれるかな? で、さしあたって彼女を落ち着かせるには――君が彼女とHしてあげればいいだけなんだけどね?』  
「え?」  
 上条はその言葉に一瞬頭の中が真っ白になった。  
 胸元に目線を落とせば、今もなお腕の中では御坂妹がぴくぴくと絶頂に痙攣している。  
 その光景に上条は思わずごくりと生唾を飲み込む。  
「俺が御坂妹……と……?」  
 正直、先ほどから漂う強い雌の臭いに上条当麻の雄の部分は臨戦態勢は整っていた。  
(いいのか? いいんだよな? いいんですよね!?)  
「御坂妹、俺……」  
『もしくは君が彼女から離れればOKだよ?』  
「ナゼソレヲサキニイワナイ……?」  
 怒りに声を強張らせた上条は、血の涙を流さんばかりの瞳で天井を睨みつける。  
『僕も医者のはしくれだからね? 将来的に有益になりそうな事は何でも知りたいんだよ?』  
「…………」  
『では。彼女をまずベッドに寝かせてくれるかな?』  
「お、おう!」  
 カエル顔の医者の合図で立ち上がろうとした上条。  
 当然、御坂妹を抱きかかえているのだが、前傾姿勢になった事で、丁度上条の耳が御坂妹の口元近くに――すると、  
「して……。ミサカと……H……して……」  
「!?」  
 艶めかしい囁きが、上条の耳と心と股間を直撃する。  
『どうした?』  
「ぬぉぉおおおおッ!? な、なな、何でも有りません!!」  
『じゃあ早くしてくれるかな? 彼女がその気になったら逃げられないよ?』  
(誰のせいでこうなったと……!?)  
 キッと天井を睨みつける上条。  
『僕はどちらでも構わないんだよ?』  
「はいはい。すぐにベッドに移動しますよッ!」  
 そう言って大股に備え付けのベッドまで移動した上条は、その上にそっと御坂妹を寝かしつける。  
 御坂妹の股間辺りに広がる沁みは決して視界に入れない様に、そぉっと体に毛布をかぶせて行く。  
(何で、何でいつもいつも俺ばっかがこんな目に……。不幸だ……)  
 
 そう嘆きながら、ベッドからはみ出た御坂妹の手を毛布の中に仕舞おうとしたその時、  
「行かないで……。ミサカと……H……してください……」  
 自分の指を弱弱しく握りしめて涙を流して見あげてくる御坂妹と視線がぶつかる。  
「ッ!?」  
 一瞬全身に電気が走った様な気がして、上条は体を硬直させると、ぎこちない動きで御坂妹の手を振りほどいて、毛布の中に仕舞った。  
「ね、寝かせましたッ!」  
『そうしたら君は部屋を出てくれるかな? 暫くすれば彼女も落ち着くと思うよ?』  
 その言葉に、上条は一目散に病室を飛び出す。  
 そして廊下で大きく息をついて頭を冷やしながら、  
「そう言や俺は?」  
『帰ってもいいよ?』  
 廊下の何処からか、再びかえる顔の医者の声。  
「このまま帰れって? ふざけんなッ! このまま帰ったら絶対、御坂妹(さっき)みたいな事になるに決まってるんだ。俺の中の不幸センサーがそう言ってる!」  
『じゃあ泊まって行くかい? 幸い特別室は空いているよ?』  
「…………」  
 沈黙して考える。  
 次にまたカエル顔の医者が協力してくれるとは限らない。  
 ここはまさに敵地の真っただ中なのだ。  
「ほ、他に選択肢は?」  
『防護服を貸し出してあげようか? 普通は外部からの有毒物質を遮断するのが目的なんだけど、機密性がいいから問題無いと思うよ?』  
「そ、それッ! 何処にあるんですか!?」  
『隣の部屋だよ?』  
「それから俺の体何時もとに戻るんですかッ!? てか何時一服盛ったんだッ!!」  
『細かい事を気にするんだね?』  
「細かいとか言うなッ! 危うくカミジョーさんはお父さんになる所だったんですよ!?」  
『何、実験なんだから金銭面は全く心配しなくていいんだよ?』  
「マジでふざけんなこの野郎ッ! きぃぃぃぃぃぃぃぃいいいいいいい!! 絶対こんな病院、二度と世話になるもんかッ!」  
 今、一匹の淫獣が学園都市に放たれる。  
 
 
この後、当然あの人とかあの人とかあの人とか色々とか、今回お預け食った人+3とか、たまたま来ていたランベス寮団体御一行とか、それと一緒に来ていた野望多きお姫様とかーが、必然。ターゲットになりやがれこの野郎。  
なお、ネタなのでこれ以上は何も考えていません。あしからず。  
おわし。  
 
 

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