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巷はバレンタインデー一色…
恋に恋する乙女達が、意中のあの人を射止めるため…
愛を込めたチョコレートで勝負を決める日!
それは、お嬢様学校である常盤台でも同じ事。
常盤台女子寮のとある一室…
ここでもまた、一人の恋する乙女が勝負を決める戦いへと挑むのであった
「黒子の奴随分と遅いわね…風紀委員の仕事かしら?」
ピンポーン
「はーい」
『カエル急便ですが、御坂様にお届け物です』
「どちら様からですか?」
『白井黒子様からとなっております』
「中身は?」
『バレンタインデーのチョコレートとなっています
ただ、生ものと表記されていますが…』
「……もしかして、それ人が一人入れるくらい大きくないですか?」
『そうですね、そのくらいの大きさになります』
「………すいません身に覚えがないので……
一度寮長の部屋に置いてもらってもいいですか?」
『えっ?…あー…はい、わかりました』
プツン
「さて…寝よっかな」
……それから数分後。
コンコンコン
「ふぁーい」
ガチャ
「夜分すまない…君宛ての荷物が私の部屋に届いたのだが…
中からチョコレートの化け物が飛び出してきたので取り合えず粉砕した
必要な物であれば引き取りに来てもらいたい」
「いらないものです、捨てといてください」
「ふむ…了解した」
バタン
「ふぁ……寝よ…」
こうして何事も無く、平穏無事なバレンタインデーは幕を閉じたのだった。
たが…その影で一人の少女が戦いに敗れ、打ち捨てられた事を忘れてはならない。
なぜなら…彼女もまた愛のために生き、愛のために散った愛戦士だったのだから。