「人員不足のため、頻繁に入退院を繰り返すあの方に人を回す余裕はない―――というわけです。  
 あの方の関係者である我々が交代制でも希望者のみでも構わないので看病をして欲しい、というのが  
あの医者からの伝言です、とミサカは伝えることは伝えたので退席させていただきます。  
なお、すでに立候補済みのミサカが独占する予定なのでさっさと帰っていただいて問題ありません、  
とミサカは着用したナース服と『上条当麻専属』の名札を見せつけばがらにほくそ笑みます。ふふ」  
 
 
 綺麗に背筋を伸ばした神裂火織が「事情はわかりましたが」と室内を見回した。  
 ふーん……看病か、と御坂美琴が思案する。  
 さっそくおしぼりを取り出した五和が、  
「いつでも始められます!まずは体を拭かないと―――っ!!」  
 深い眠りについた上条当麻の病院着を脱がそうと飛びつく。  
 それを黙って見過ごす者がいるはずもなく、美琴が五和を羽交い絞めにするとインデックスがおしぼりを奪い  
神裂が頬を染めつつ病院着の上着に手をかけ御坂妹が下半身へ組みつく。早くも騒がしい乱戦となった病室の片隅で  
『ふふ。私の台詞。これが最初で最後』と陰りを見せる和風の長い黒髪の少女を吹寄が引っ張り戦場へ向かわせる。  
 さらに少しは慣れたところで。  
 もはや止められないだろう、と早々に諦めた風斬氷華が一人静かに立っていた。  
 しかし、  
(あの妹さん……の、ナース服?)  
 そんな思考をすると、全身にノイズが走った。  
 AIM拡散力場と呼ばれる力の集合体である風斬の衣類に変化が生じた。  
 純白の衣服。  
 何と、御坂妹とほぼ同じナース服姿に変化したのだった。ただし、窮屈そうな胸が圧倒的な違いだった。  
 ふと、風斬は何かに気づいた。  
「あ、あの!み、皆聞いてください!!」  
 しかし、彼女の声は届かない。  
 御坂妹が上条の下着を脱がそうと引っ張るとインデックスと美琴と五和が真っ赤になってさり気なくおしぼりを掠め取った神裂が背中を拭こうとすると姫神と吹寄がお湯入りの桶とタオルを持って乱入する。  
五和が予備のおしぼりを抜き放ち上条の下着の中へ突っ込もうとして、美琴が進路を塞ぐように両手で通行止めにすると上条の股間を思い切り力任せに押さえ込んでいて『ふにゃー』となると上条が悶絶する。  
(う、うう……でも私がやるしか―――)  
 意を決して、風斬は大声で叫んだ。  
 
 
「皆さん!!聞いてくださぁーいっ!!」  
 
 
 ぱたりと騒音が止んだ。同時に一時的に目覚めた上条の意識が深く深く深ーく沈んでいく。  
 
 
「ここで彼を看病できるのは!“この服装”で“この名札”がある人だけですよね!?」  
 
   
 『そりゃそうだよ、とミサカは物は自前で用意して許可を貰ってくださいと看病を続行します』  
 と御坂妹が告げると風斬に見張りを任せてそれぞれ病室から駆け出した。  
 そして看病(身ぐるみを剥ぐ)を続行しようとした御坂妹は動けなかった。  
「えっと……な、何でそんなに胸を見るんですか?え?ええ!?」  
 御坂妹は膝をついて愕然とした。  
 主に単純な胸囲と、そのアンダー部分との差という圧倒的な戦闘力の違いに。  
 加えて、ぴちぴちのナース服という彼女には一生手に入らない可能性のある姿に。  
 
 
『待てよォ……俺にナース服着せようなんてこと考えてる奴はいねェよなァ?』  
 
 
「おや?ショチトルですか」  
「そ、そうだ」  
「隠れることはないでしょう。それとも、僕に見せられないような水着でも着ているんですか?」  
「病院で『あんなもの』着るやつがどこにいる……!」  
「どうやら、ナース服のコスプレをする人はいるようですが……。しかし、情けないですね」  
「―――痛むのか」  
「まあ、二、三日大人しくしていれば大丈夫ですよ。あの医者の腕は確かでしたから。  
 でも、お見舞いに着てくれたのは嬉しいです。本当ですよ?―――おや、これは」  
 カタカタッ。カタッカタカタ。  
「……それで何だか、あの医者に頼まれて、だな。おまえの看病をすることになったんだ」  
「―――ふふ。念のため彼の病室にも隠しカメラを仕掛けておいて良かった……」  
「その、私の治療費はおまえが負担してくれたから……その分を働いて返そうと。  
 ―――だ、だがあの医者はナース服の着用義務があるから私はこれを仕方なく、着ているんだ。  
 わ…笑うなよ……。それに胸周りが少しきついんだ。もしかしたら、変かもしれない。それでも、だ。  
 私は――――――エツァリ?」  
「くっ。御坂さんの、ナース服姿……!この目に直に焼き付けられないとは―――不覚としか言いようがない!  
 せめて、今このときリアルタイムでこの映像を脳裏に永久保存を……っ!!」  
「……エツァリお兄ちゃん。休んでないと駄目だから―――」  
 グシャァァッ!!  
 
 
「……海原、死ぬなよ。さて、こっちも売る物は売ったから次は録画するんだぜいぜいぜい」  
 
 

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