「カミやんカミやん!今日は何の日か知ってるかー!?」  
 
教室に入ってくるなり大声で近寄ってくるクラスメイトに上条はうんざりしながら答える。  
 
「バレンタインデーだろ……。ほらこれ」  
 
ぽいっと乱暴にカバンから包みを取り出し、ハイテンションのクラスメイト・青髪ピアスに放り投げる。それをみた青髪は急に冷静になり、俯いた。  
 
「カミやん、ごめん。これはもらえへん。さすがの僕も同年代の男の子は許容範囲外やわ。それはストライクゾーンに入ってない。ショタならまだしも」  
 
「俺からじゃねえッッ!!」  
 
上条が怒鳴ると?マークを頭に浮かべて青髪が尋ねる。  
 
「ほな誰から?」  
 
上条はつまらなそうに  
 
「舞夏からだよ。義理でも嬉しいだろうからやるっつってさ。渡すように頼まれた。」  
 
それを聞いた青髪は目を輝かせて教室の窓から「ラァァァァァアアヴ!!!!!舞夏ァァァァァァアア!!!」と叫んだ。土御門に聞かれたら殺されるな、と思いながら舌打ちをする上条。  
それに気付いた青髪は上条の頭を撫でる。  
 
「どないしたんやカミやん?チョコもろたんにご機嫌ななめやねぇ」  
 
「……ってねえよ」  
 
「なんて?」  
 
「……もらってねえって」  
 
「…………なんて?」  
 
「舞夏にお前の分は渡されたけど俺にはやらんって言われたんだよ!」  
 
それを聞いた青髪はしばらく固まったのち、ニヤニヤしながら嬉しそうにこう言った。  
 
「…………なんて?」  
 
 
上条はぶちギレそうになりながらも「俺は紳士だから暴力なんて野蛮なことはしないよ」と頭の中で呟き、冷静に自分を落ち着かせる。  
 
「……い、今の右ストレートは効いたで……カミやん」  
 
「なんのことやら」  
 
床に沈んだ青髪を見下ろしながら上条はまたため息をつく。  
 
「なんだよ舞夏のやつ……。くれたっていいじゃん義理チョコくらい」  
 
「いやー舞夏が俺以外にチョコやるなんてありえないんだにゃーカミやん」  
 
不意に後ろから声を掛けられる。上条は振り向かないでもその人物が土御門だということがわかった。そして青髪の方を指差す。  
 
「あそこに麗しの妹君からもらってる方いますよお兄さん」  
 
「嘘だっ!!!!!」  
 
「……お前はどこのヤンデレ娘ですか?」  
 
 
昼休みになり、いつも(三馬鹿)のように昼食をとる。バレンタインで浮かれ気味の雰囲気の中、三人の会話も自ずとそちらのほうに行く。  
三人とも見た目は良いほうなのでそれぞれいくつかチョコをもらっている。しかし土御門と青髪は気付いていた。自分たちに来るのは義理チョコばかりだが、上条に渡しに来る女子の中には明らかに「私、恋してます……」という感じの者がいることを。  
 
もちろん本人は「義理チョコばっかりもらってもお返しに……不幸だ」とかほざいてるので若干殺意が芽生えてくる。  
 
先ほどもお昼と同時に姫神秋沙からチョコをもらったのだが確実に上条のだけランクが違うことを二人は見逃さなかった。しかも「姫神は本当に器用だなー。いいお嫁さんになるよ」というくそベタなセリフを無神経に言い放ったので尚更怒りがこみあがる。  
 
 
さらには鉄分豊富チョコレートパンを食べていた吹寄制理に  
 
「お前はバレンタインでも相変わらず無機質なパンを食うんだな」  
 
と話しかけ  
 
「む、貴様鉄分をなめたわね。もう一つあるから食べてみなさい!!そして鉄分にひれ伏しなさい!」  
 
 
とチョコレートパンをゲットし最終的に  
 
「これは別に……。チョコレートパンだからってバレンタインデーとは関係ないっ!!」というツンデレ台詞とともに吹寄デコクラッシュEXをいただいていた。  
 
だからこそ青髪と土御門は上条に  
 
「くそう……バレンタインデーは喜ばしいイベントなはずなのに何故俺はこうも不こ……」  
 
不幸だと言う単語が出る前に鉄拳をくらわせた。  
 
 
「なじぇ舞夏はおりぇにだけくえなかったんだ?」  
 
鼻を押さえながら上条は嘆いた。  
 
「まだ言うとるんかカミやんはぁー。そんだけもろてまだ足りンとか言うのは贅沢やでー。死ねば良いのに」  
 
「そうだぜいカミやん。死ぬべきだ」  
 
 
「………………泣いていいかな」  
 
「そもそもカミやんは……あー、」  
 
何か言い掛けて土御門は上条の貰ったチョコを見つめる。持ちきれないことで小さな紙袋にまとめている。  
 
「なんだよ……」  
 
「いや、やっぱりカミやんばっかり幸せになるのは腹立たしいから言わないでオクにゃー」  
 
「な、なんだよそれ……」  
 
「せめて不幸にならへんとうっかり殺してしまいますよーってこと」  
 
「怖ぇえっつの」  
 
 
その後、帰り道で学園都市第三位の超能力者に絡まれたり御坂妹達(10032号、10039号、13577号、19090号と言われた)から代わる代わるチョコを貰って「指輪が欲しいです、とミサカは素直にお返しを要求します」と全員から言われたりする上条だったがそれはまた別のお話。  
 
 
 
「ただいまぁ……。……あれ?」  
 
帰宅した上条はいつもと家の中の様子が違うことに気付く。どうやら台所を誰かが使ったらしい。  
 
「インデックスか?まさかな……」  
 
「あ、とうまおかえりなさい」  
 
「あれ?インデックスなんでこんな早くに風呂……ってぇえぇぇえぇええ!!!?」  
 
上条が振り向くとインデックスがいた。お風呂に入っていたのかインデックスは脱衣場から出てきた。しかし、そんなことはいま上条にとってどうでもいい。  
 
「い、インデックス。お前……その格好……」  
 
上条が指差すとインデックスは少し顔を赤らめた。  
 
「うん……。似合う?」  
 
頬を赤らめながら上目遣いで聞いてくるインデックスに上条は変に緊張してしまう。  
インデックスはいつもの純白の修道衣ではなく、セーラー服を着ていたのだ。  
 
「似合う……とかじゃなくて、その、それウチの学校の制服じゃ……」  
 
しどろもどろになりながら上条は尋ねる。どうにもいまのインデックスは直視できない。  
 
「舞夏がね、くれたの。あと、これも、とうまにって。」  
 
そういって大きめの箱を上条に差し出すインデックス。上条はなんだろうと思いながらその箱を開けた。  
 
(ど、どうしろと……)  
 
中身をみて上条は困惑する。  
 
(どうしろというんだ……)  
 
箱の中には「衣服」が何着も入っていた。衣服と言っても普段着のようなものではなく体操服、ナース服、バニーガール、チア衣装、スク水、エプロン、メイド服、ビキニ、スーツ、ゴスロリ……あらゆるジャンルの、いわゆるコスプレ衣装がぎっしり詰まっていたのだ。  
 
そしてその箱の隅に小さな紙袋を見つける上条。  
 
「これは……」  
 
なんだか嫌な予感がして上条はインデックスに見えないようにその紙袋の中身を確認する。  
 
「あいつコロス……」  
 
上条の予感は的中だった。ご丁寧にメッセージカード付きで  
 
『これ買うのは恥ずかしかったんだぞー。まあ有効に使ってくれー。ハッピーバレンタイン』  
 
と添えられている。  
 
「とうま、なに?それ」  
 
「なんでもないですよインデックスさん」  
 
「それよりとうま!私の質問には答えてくれないの?」  
 
インデックスが膨れっ面になって上条をにらむ。  
 
「え、え?何がでございましょうか」  
「んー!!!」  
 
怒りを顕にしながらインデックスは両手を広げた。  
 
「これ!この服!とうまの為に着たんだよ!それに……その服も、とうまの為に着るんだから………」  
 
「ぜ、全部着るの……?」  
ゴクリ、と唾を飲む。  
上条は箱にある衣装とインデックスを交互にみた。その上条の表情からインデックスは何かを読み取り、顔を真っ赤にする。  
俯きながらもコクりと頷いた。  
 
(な、なんだこのピンク色の雰囲気……。どうしてこうなった……)  
 
体験したことのない出来事に上条はどう対応していいかわからない。しかし、インデックスの様子と、バレンタインデーというイベント効果によって上条の思考は少し暴走した。  
 
(インデックスは俺の為にコスプレしてくれるんだよな……。  
しかも今日はバレンタインデー……。どうやら舞夏からバレンタインデーがどういうイベントかは聞いてるようだし……。つまりこれはアレか?『チョコじゃなくて私を食べて』ってことか?ていうかそうだよな?それしかないよな?なんだか今日イケそうな気がするぅー……)  
少しじゃなかった。  
 
「イ、インデックス」  
 
「なあに?」  
 
「すごい……に、似合ってる……ぞ。ありがとうな」  
照れ臭さをにじませながら上条は言う。  
 
「で、さ……。これ。舞夏から貰ったし……使おう」  
 
上条が先ほど開けた小さな紙袋を取り出す。  
「コンドーム?それな――ッッ!」  
 
それなに?と問いかけようとしたインデックスだったが上条から強引に遮られる。  
 
「ふっ……う!!はむ……」  
突然の口付けに驚くインデックス。しかし上条はそんなことにかまわず、インデックスの口内に自らの舌を押し込み、絡ませる。ジュルジュルと唾液を吸われる音を聞きながらインデックスは抵抗せずにただ立ち尽くす。  
 
「……はっ、インデックスの舌すげー甘い」  
 
「ふえっ……とーま、これってふわぁ!!」  
 
唇を離すと上条はインデックスの話も聞かずにお姫様抱っこの形で抱え上げる。ベッドの傍までいくと上条はインデックスをその上に放り投げた。インデックスは「ひゃっ」と小さく悲鳴をあげる。  
 
いつもの修道衣と違い、短めのスカートを穿いているので太ももが際どいところまで見えてしまう。スカートの裾を膝の方に引っ張りながらインデックスは上条の方を見た。  
上条は小さな紙袋から取り出した何かを開けている。  
「とうま?」  
 
「インデックス。こっからやだとかなしだからな」  
 
そう言うと上条は学生ズボンをずり下げた。  
 
「やっ!ととととーま!!何してるの!?」  
 
「大丈夫だインデックス!痛いのは最初だけだから!な?ていうかもう思春期真っ盛りな上条さんは後戻りできないのでありますよ?」  
 
そういうと上条は再びインデックスにキスをした。  
 
「と、とうま……ダメだよぅ。これ以上とうまに触られたら私変になっちゃうよ……」  
 
インデックスは目を潤まし、顔をリンゴのように赤くしながら上条に訴える。しかし上条にとってそれは逆効果で、さらに欲望を刺激させた。  
 
 
「怖くねーから。俺も初めてだからよくわかんねーけど、優しくするから。だから……」  
 
言ってからもう一度、優しくキスをする上条。ゆっくりと舌を絡ませながらセーラー服を胸の位置まで捲り上げ、その手で膨らみかけの乳房を包んだ。  
 
「んっ……っはぁ。ぷはぁ」  
 
上条は口内の愛撫をやめ、捲り上げた乳房に顔を近付ける。小さく息を吸ってから  
 
「いい匂い……。それにすごいスベスベで気持ちいい」  
と頬擦りした。  
 
「やだっ……。恥ずかしいよとうまぁ」  
 
インデックスが息を荒げて嘆く。上条はいじらしそうに自分を見つめるインデックスがなんだかとてもいとおしく感じた。  
 
「インデックス……。恥ずかしいとか言いながら乳首こんなに固くして。エッチだなー」  
 
指でくりくりと、そのピンと立った綺麗な乳首を弄る。上条が指を動かす度にインデックスの身体がびくんと揺れる。  
 
「感じてるのか?シスターなのに乳首弄られて感じてるのか?」  
 
「ひぅっ!!かん……じてないもん……。かんじてないもん」  
 
耳まで真っ赤に染めたインデックスはその顔を手で覆いながらぶるぶると耐えるように震えていた。  
上条は笑みを浮かべてから、今度は舌でインデックスの乳首を弄りだす。  
 
「ひゃぁっ!!あっ……とうまダメ!なめちゃダメだよっ……」  
 
「でもインデックスのおっぱいスゲーおいしい……」  
「ふっ……はぁ……ばかぁ。とうまの、……えっちぃ」  
 
「乳首舐められて感じてるあなたに言われたくないですよインデックスさん?」  
 
意地悪そうに上条がそう言うと甘い吐息が漏れる唇で何か反論しようとするインデックス。しかし上条の粘っこい愛撫がインデックスの思考を妨げる。  
 
「……っちゅ。ぷはぁ。………………インデックスさん、そろそろ挿れたいと思うのですが」  
 
「挿……れ?はぅッッ!」  
尋ねたのも関係なく、我慢の限界だった上条は硬直した肉棒をインデックスの秘部に容赦なく挿入した。  
 
「痛っ……いたい、痛いよぅとーま……いやぁ」  
 
「ご、ごめん我慢できなかった。大丈夫か?」  
 
「ふぇぇ……大丈夫なわけないんだよぉ!!ばかとーま。とうまのえっち」  
 
インデックスが下唇を噛み締めて破瓜の痛みに耐えてる姿をみた上条は、それと裏腹に興奮が増してくる。  
(あれ……?こいつこんなに可愛かったっけ……。かなりヤバい……。これがコスプレ効果か?)  
 
すっ、とインデックスを抱き抱える。  
 
「インデックス、痛かったら俺の首筋噛んでていいから。ずっと抱き締めててるから」  
――キュン  
「あっ……」  
 
「はむっ」とインデックスが上条の首筋を甘噛みした。上条はインデックスの頭を撫でながら耳元に顔を近付け  
 
「優しくしたら感じるんだな」  
 
と囁いた。  
そしてそのまま対抗するようにインデックスの耳をはむっと甘噛みする。  
 
「っぷ、って痛い痛い痛いインデックスさん噛む力が強くなってきてるんですけれども!」  
 
急に強さを増した首筋の感触に上条は思わず叫んだ。涙目になりながらインデックスは上条の首筋にかぶりつく。  
 
「いや、そんなに怒るなよ。……そういうのが、その……、可愛いん、だと。……思います」  
 
「……」  
 
「またキュンってなった」  
「……っちゅ。ばか……」  
甘噛みをやめ、恥ずかしそうに上条の胸へコツンと頭を当てる。  
ほのかなシャンプーの香りに上条はうっとりしながら自分に身体を預けたインデックスを強く抱き締める。  
「ちょっとずつ動かしていいか?」  
 
「……うん」  
 
「痛かったら言うんだぞ?」  
 
「言ってもやめないくせに」  
 
「う……。で、でも一緒に気持ち良くなりたいというか……」  
 
「……」  
 
「……好きだから」  
 
「……私も、とうまの事大好き」  
 
「俺の愛には負けると思うぞ?」  
 
「ばか……」  
 
それから二人はキスをした。とても、とても長いキスをした。  
 
 
目覚めると10時を過ぎていた。一晩中インデックスと愛し合った上条は未だに疲れがとれていない。  
「学校……は、もういいか。てかあれ…………インデックス?」  
まだ重たい瞼を懸命に開いてテーブルの方に目をやるとインデックスがすでにいつもの純白修道衣に着替えて座っていた。  
「あの……。インデックスさん?なにをやっているのでしょうか」  
 
上条が恐る恐る声を掛けると背中を向けていたインデックスがくるっと振り向く。  
「おはようとうま」  
昨晩の事が嘘のように整った姿で上条に微笑み掛けるインデックス。だが、それを打ち壊す要素が一つだけあった。  
「インデックス、その口のまわりにべぇーっとり付いた物はなにかな?」  
 
「とうま、まだ眠いの?これはチョコだよ。チョコ。正式名称はチョコレート。昨日とうまがもらってきたのと、さっき宅配便でイギリスから届いた段ボールいっぱいのチョコレート」  
 
「だ、段ボール?い、いや、俺には空の段ボールしか見えないんだけどおかしいな」  
 
上条がそう言うとインデックスは立ち上がってから腰に手をあて、胸を張り答えた。  
「とーまが貰ったチョコは全部食べちゃったんだよ!」  
 
「……はい?」  
 
「だって!とうまは昨日私のこと愛してるって、好きだって言ってたじゃん!!それに……その……私とえっちしたし……だから私以外から貰ったチョコなんてとうまにはいらないんだよっ!」  
 
そう強くインデックスは叫んだ。  
ポリポリと頬を掻く上条。言われて嫌な気はしないセリフだった。  
 
「あー……。インデックス。嫉妬してくれんのは嬉しいけどそのセリフはチョコをあげた子が言わないと……」  
 
「作ったもん!」  
 
インデックスはそう言うとテーブルの上に一つの箱を置いた。  
綺麗にラッピングされている、手作りのかわいらしいものだった。  
 
「舞夏に教えてもらいながら頑張って作ったんだよ?」  
 
「すげ……。いや、でもこれなんで昨日のうちに渡さなかったんだよ」  
 
「とうまのせいでしょ!」  
言われて気付く己の行動。  
「すみませんでした」  
 
頭を下げるとインデックスはぷくっと頬を膨らませる。  
「違うもん……」  
 
「……ありがとな」  
 
上条がそう言うとインデックスはようやく笑顔になった。  
 
「……でもお前が食っちまったチョコ、ちゃんとお返ししなくちゃなんねーじゃん……。上条さんは出費ばかりで得るものが何もないのは不公平だと思うんですよ」  
 
上条は起き上がって拳を握る。  
「と、言うわけでその分インデックスさんには頑張って貰おうと思うんですよ」  
「ち、チョコあげたでしょっ!!」  
 
インデックスは上条の考えがうっすら理解できたので慌て出した。  
 
「ギブアンドテイクのギブが全然不足してるっつーの。グダグタ言わずに早くこのバニーガールコスチュームに着替えろ!!ていうかまずその顔にべぇーっとりついたチョコをねぇーっとり舐めとってやるからこっちこい!」  
 
「ふ……ふわぁぁぁぁぁ!!」  
二人の甘いバレンタインデーでした。  
 

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