*注意*
『この話は上条当麻×一方通行(♀)のエロです。
少し未来の話で、インデックスは居候をしておらず、イギリスでみんなに愛されています。
キャラ崩壊には入らないと思いますが、一方通行が泣いています。
上記の設定が苦手な方は読み飛ばすか、【とある幸福の一方通行】で非表示推奨です。』
もう一度。
『エロあり・未来・If・鈴科百合子・上百合・ややキャラ崩壊注意』
学園都市の夜は治安が悪い。
闇が多くなると、それだけ目の行き届かない範囲が増えるからだ。
路地裏はそんな危険地帯の代表。
しかし上条はあえてそこを走り、不良達に襲われていた少年を見つけ、連れて逃げ回っていた。
「1分だ!! だからもう少し頑張れ!!」
「い、1分……?!」
上条の手には携帯が握られている。
たったの1コール。それが合図。
後は衛星から上条の現在位置を調べ、駆け付ける。それに必要な時間が1分なのだ。
「ぴゃっ、ああ!?」
不意につまずき、よろける少年に上条は足を止める。
いきり立った不良の1人が上条に向かって何かを飛ばした。
咄嗟に右手で庇おうとして、それが異能のものではなくただのナイフであることに気付いたときには、もう
避けられないところまで迫っていた。
(う、わ……!!!)
腕を掠め、肉が裂け、血の玉が汚い地面に小さなシミをいくつもつくった。
「は……?! な、なんで、俺が……?」
声と共に血をこぼしたのはナイフを投げた本人。
理解出来ないのも無理はない。投げたものが返ってくるなど、普通ではあり得ないのだから。
「ンだよォ。弱いモノいじめとか、つまンねェ遊びではしゃいでンじゃねェよ」
不良達は目の前に突如現れた白に立ち尽くす。
「お、お前、まさかあの超能力者の……?!」
「な?! ヒーローやってる超能力者って都市伝説じゃなかったのか?!」
「あ、一方通行かよっ?! ヤベェ、勝てるわけがねぇっ!!」
「あン? 違ェよ、俺はそンな大したヤツじゃねェ。ただの正義の味方の味方だよ。善人サマが守ろォとしてるモ
ン守ンのが今の俺の趣味でなァ、見逃してやンなら俺もオマエらを見逃してやろォと思ってたンだ……」
不良達は絶対に適わないであろう敵を前に弱腰になっていたが、一縷の希望に目を輝かせる。
「あ、ハイ、もう悪いことしないっス!!」
「だ、だから見逃し……!」
「勝手に話進めンなって」
ザワリ、と一方通行の纏う空気が不自然に揺れる。
「え、あの……?」
「オィオィ、わかンねェのかよ。見た目通り陳腐な脳ミソだなァ。俺の逆鱗に触れたンだよ、オマエら」
「は……?」
一方通行は薄く口を裂いて笑う。
それは露骨すぎて気味の悪いものだった。
「お片付け完了」
全員気絶したのを確かめて、一方通行はのんびりとした口調で言った。
その言葉に緊張が切れたのか、少年が座り込んだ。
「た、助かったー……!」
「よかったな! 一方[アクセラ]もお疲れ!」
「ン、相変わらずの不幸体質だなァ……」
「はは……助かったよ、ありがとうな!」
少年は顔を上げ、上条と一方通行を交互に見つめる。
「あの……」
「俺は何もしてないぜ? お礼なら一方通行に言ってやってくれ!」
「本当に、ありがとうございました!!」
「こンな時間に出歩いてンじゃねェよ。……ケガはしてねェな」
「あ、はい! 俺、急用で……ここ近道だったから……」
「そォかよ、ならさっさと行け。急いでンだろ」
少年が去って行った後、上条達も帰路につく。
「一方、今日は一緒に帰ろうぜー!」
「オマエに付き合ってたらバッテリーなくなンだろ。杖持ってきてねェし」
「えー、じゃあ……」
まだ寒さの堪える初春の夜、上条は一方通行を背負って歩く。
スイッチを戻した途端震えだした一方通行は上条のジャケットを羽織って、寒ィと文句をたれている。
「シャツ1枚はないだろ……」
「寒くねェし」
「そういう問題じゃないの!!」
ふと、一方通行の手が上条の頬に触れる。
どちらも負けないくらいに冷たい。
「…………」
「言っとくけど、俺は寒くねぇぞ? さっきまで走ってたし、これから風呂入るし、背中は、その……当たってるし」
「……ならいい」
2人分の呼気が白く煙って消えていく。
ぴったりと身体を寄せ、互いに温めあって、狭い星空の下を帰った。
とある大学の学生寮、そこが上条当麻の家であり、居候している一方通行の家だ。
彼女は学園都市を巻き込んだ戦争が終結した後、偶然にも上条に拾われ、恋人兼家庭教師その他をしている。
一方通行は自分の行動に彼を模倣するほどに尊んでいたし、上条も彼女の過去や実験の経緯を知って黙って
などいられるはずもなく、自然にずるずると同棲を続けていた。
最初は男だと思い込まれていた一方通行も、彼の素質[ラッキースケベ]によって瞬く間に誤解が消え去り、手料
理とぬくもりと説教で固く閉ざされた心も開いてきた。
そうして、気が付けば約1年。お互いにいなくてはならない存在になっていた。
「はーーァ……」
それなりに広い湯船で、一方通行はぼんやり考え事をしていた。
静かだが、微かにキッチンから流水と皿のこすれる音が聞こえる。
上条が夕飯の片付けをしているようだ。
(幻想殺しっつっても、ナイフ一本防げねェンだよなァ……)
わかりきっていることなのに、一方通行の心は小さく痛んだ。
あの瞬間を見たとき、本当に心臓を握り潰されるかと思ったのだ。
あと0、5秒遅かったら、と考え、思わず俯く。
(弱くなったモンだな……)
常に最悪のパターンを考えられるのは、それを防ぐ対策を立てられるから良いことだ。
しかし、たかが想像で参っていてはやってられない。
一方通行は溜め息をついて、ふらつく身体を壁伝いに支えながら浴室を出た。
「一方、今日で丁度600だぞ!」
2人ともお風呂を終え、ソファーでくつろいでいる時、上条は手元の家計簿を見ながら嬉しそうに笑った。
上条が見ているのはいくら使ったかではなく、今日の日付の余白に書き続けてきた『助けた人の数』だ。
「映画館で立てこもったスキルアウトを一方があっという間に鎮圧した時はすごかったなー。一人もケガさせ
ないでさ……!」
「毎日、都市伝説になるくれェ偽善行動してりゃァ、そォなンだろ……」
「偽善偽善って……、その割に随分張り切ってねーか? お前、正義感強いと思うんだけどなぁ」
一方通行はコーヒーの空き缶をゴミ箱に放って、嘆息する。
(もォ600か……。本当に不幸に巻き込まれやすい体質だ……)
「どうした? なんかさっきから元気ないな……?」
「寝る」
「はいはい。じゃあ一緒に歯磨くか」
「人が歯磨いてンの見て楽しいンかよ……?」
一つしかないベッドに2人で横になり、薄明かりの中で顔を見合う。
「さてと、」
上条は少し恥ずかしそうな顔をしている一方通行ににじり寄り、抱きすくめた。
チュッ、と音を立ててキスをすると彼女の顔がふやける。
「さぁ、何を悩んでんのか上条さんに言いなさい! 言わないとキスするぞ!!」
「……? 何、ワケわかンねェこと言ってンンっ?!」
もう一度唇が触れ、次に舌が滑り込んでくる。
「……ン、っふ……ちゅ、……っ、は…………ンあっ」
唇を舐め上げ、口内を余すとこなく侵し、舌を絡めて吸い上げる。
一方通行がぎこちなく応えてきた頃、一層深くして片手を太ももに這わせた。
薄く、ゆったりしていて防御力の低いパジャマ越しに秘部を擦ると、一方通行はビクリッと跳ねる。
「ンゥ!! ……っふ、や……やァっ……ンちゅ、ンむむ………………っぷはッ、はァっ、はァあ……」
「もうイっちまうのかよ……?」
世界中で彼女にこんな命知らずな言葉を吐いて、生きていられるのは上条だけだろう。
最強を倒した彼の前でのみ、彼女は最強である必要がなくなる。
打ち止めには到底見せられないようなとろけた顔をしながら、一方通行は幸せそうに微笑む。
そして、綺麗な柘榴色の瞳から透明な雫がこぼれた。
上条がそっと目元を吸い上げると、一方通行の顔に悲しみの色が混じる。
「……俺は、弱くなってンだ。アイツを守りたい、のに……ッ!」
そう呟いて、乱れた呼吸はそのまま嗚咽に変わった。
一方通行は上条の腕の中でみっともなく泣いていた。
初めて抱きしめられた時から、日に日に涙腺が緩くなっていくのを感じている。
それまでは涙など忘れていたほどなのに、今では悲しいだけでなく嬉しくても幸せでも、痛みですら泣いてし
まう。
内臓がこぼれ出ないのが不思議なほどの大きな傷を負っても泣くなんて一瞬も考えなかったのに。
甘ったれていると気付いているのに、甘やかされるまま甘えていることが弱いと思う。
今、こうしていることが情けないのに、どうして身体は動かない?
そんな彼女に、上条はむしろのんびりしたような口調で告げた。
「……声、出していいんだぞ? 泣くのは弱さじゃない」
「なン、で……っ?」
「だって感情は出さなきゃ溜まってくだろ? どんな人間でもいつかは溢れるし、それでも我慢してたら壊れち
まう。初めて会ったときのお前の笑顔はそうなんだよな? どうにかしてほしい、助けてほしいって、心の奥底で
叫んでたんだろ……? なのに気付いてやれなくて、ごめん……」
一方通行は言葉を失った。
いつからだっただろう、負の感情を快感にすり替えて笑うようになったのは。
骨が折れる音を聞いて、血液が飛び散る様を見て、何が可笑しくて笑っていた?
「うっく……、うゥっ……」
「俺は、一万回ぐらい泣いてもいいと思うんだ。それくらいお前も傷ついてる……。むしろ泣ける場所があるな
ら、それは強さだと思うぜ? どんなにしんどくたって、ここに戻ってくるまで踏張れるだろ!」
「……一、万」
一方通行はしゃっくりをしながら反芻する。
「それで、一万人くらい救ってやればいいんだ。一方にはその力があるし、お前だってそのつもりで毎日頑張っ
てるんだろ? 黄泉川先生は風紀委員入れってじゃんじゃん騒いでるけど一方は形から入るの好きじゃなさそ
うだし、それこそ偽善だとか言うよな!」
「ぐす…………なンか、話ズレてねェ?」
「人の話に文句つける余裕があるのかよ……、どーせ上条さんは大学生になってもおバカですよーだ」
「いや、馬鹿とかの話じゃなくてェ……」
一方通行はいっぱいいっぱいな頭で黄泉川がどうだとか考えていると、回されている腕に力がこめられ、上条
を見上げる。
気が付けば、涙は止まっていた。
「俺、ちゃんとお前を幸せにしてやれてるか……?」
「うン……」
「そっか……、よかった!!」
「当麻ァ」
「ん、何物欲しそうな顔してんだよ?」
「馬鹿」
どちらからともなく唇が重なれば、悩みも迷いもなくなった2人は止まらない。
上条は深く口付けたまま、片手で一方通行のパジャマのボタンを外していく。
覗く最近成長の著しい膨らみを手のひらでしっとり包んで、色素のない桃色の先っぽを口に含む。
「ぐ……、あゥっ……!」
恥ずかしいのを堪える姿が可愛くて、上条は夢中になりながら一方通行の弱いところを優しく刺激していく。
「ふ……っ、ン……、ァ、あっ!」
「本当、感じやすいよな……?」
触れられた経験の少ない一方通行は、愛しい人に触れられることに過敏に反応してしまう。
くすぐるようにお腹を撫でながら、ゆっくりその下へ手を這わせていく。
「はぁっ……ん、濡れてる わかるか……? ほら」
「〜〜ッ!!」
くちゅくちゅ、といやらしい水音を立てて秘部に指先を挿し入れる。
わかるも何も、自分自身のことなので一方通行はもう平静ではいられない。
これから起こることを思わされ、余計に身体の内側が熱くなった。
パジャマごと下着を脱がせ、上条も手早く自身の準備を整える。
一方通行は真っ赤な顔で、そろそろと脚を開いて上条を受け入れた。
こんな顔は打ち止めも見られないだろうな、と少しだけ優越感に浸って、硬く反り立った自身をねじ込んだ。
「ひゥッ!! うっ…………うゥあっ!!」
「ふっ……、あ、あぁっ、すっげーヤバい、動くぞ!?」
「ンっ、あ、あァっ!!」
何も考えられないまま求め、高め合い、お互いに絶頂を予感する。
「ンァっ、当麻っ、当麻、俺ッ、もォ……!!」
「はっ、はぁ……俺もっ!! 一方……っ、一方、イって!!」
ひときわ激しくなるピストン運動に、ただ必死に頼もしい背中にしがみつく。
「くっ、うゥあああああァァァッ!!!」
「…………ッッ!!!」
心地よい疲労と余韻を味わいながら、上条は後始末もそこそこで一方通行にキスをした。
「ン……当麻ァ?」
「黙ってたけど、お前が泣いてんの、らしくなくてメチャクチャそそります……!」
「……理不尽から守って、幸せにする云々はどォした」
「あ、むくれるなよ。つまり俺はどんなお前も好きだってことだ! ……もう寝るか? 明日もあるしな」
「……祝日じゃねェか?」
「あれ? じゃあ、打ち止めんとこでも遊びに行くか。何したい?」
「ン……と、打ち止めと、黄泉川は仕事か? あと芳川とオマエとゲーム……今度は勝つ……からァ」
そのまま気持ち良さそうな寝息を立てはじめた一方通行に布団を掛け直して、上条は小さく吹き出した。
「平凡な欲求だなー! まぁ、幸せそうでなによりだ」