「…………」
「きぬはた?」
「――っ!? な、なんだ滝壺さんですか。超驚かさないでくださいよ」
「きぬはた、今隠したのって、もしかしてチョコレート?」
「……超何のことですか? きっと超勘違いですよ」
「……バレンタインの日にきぬはたが同じ包み持ってるのを見たけど」
「っ!? そ、そんなはず超ないです! あの日は一日中滝壺さんが浜面にくっついてたせいで渡す隙なんて――あ」
「…………」
「…………」
「……ごめんなさい」
「……謝らないでくださいよ。自分が超惨めに思えて来るじゃないですか。……まあ実際超惨めなんですけど」
「…………」
「…………」
「……きぬはたなら、いいよ?」
「――え?」
「好きな人と通じ合えないのは辛いもの。きぬはたがそんな思いをするのは、いや」
「……超馬鹿にしないでください。私にだってプライドってものがあります。……大体、なら滝壺さんはどうするってんですか」
「どうって、今まで通り。はまづらと二人きりだったのが三人になるだけ」
「……超正気ですか?」
「…………」
「……ほら、やっぱり超口先だけじゃないで――」
「……はまづら、激しい。気持ちいいけど、毎日だと身がもたない。……助けて」
「…………………………………………………ゴクリ」