人口の八割が学生である学園都市。ここでの平日は比較的静かなものである。  
学生・教師など多くの住人が各々の学校にいる時間には商店街や地下街の賑わいも薄くなる。  
この時間帯のみ、学園都市は静けさを手に入れるのだ。  
――もっとも、とある教師のマンションで居候生活を送る打ち止めや一方通行には関係の無い話なのだが。  
 
春眠暁を覚えず。  
そんな言葉の通りに少々寝坊をしていた打ち止めは、誰かに優しく頭を撫でられ目を覚ました。  
「打ち止め、そろそろ起きる時間よ」  
「……ふぇ……、ヨシカワ?ってミサカはミサカは、目をこすりつつ聞いてみたり」  
重たい瞼を開けると、そこには元研究員にして現在は打ち止めたちの暫定的な保護者の一人である女性、芳川桔  
梗がいた。  
「寝過ぎは身体に悪いわよ。愛穂はもう学校に行ってしまったし、わたしもこれから出かけるのだからそろそろ  
貴女たちにも起きてもらわないと」  
「はぁーい、ってミサカはミサカは寝惚けまなこでお返事してみる」  
言われてみれば、芳川の服装はいつも通りのやる気の無いジーンズではなく、どこかよそ行きの格好である。普  
段はしない化粧もしているようで、薄くつけた自然な色のルージュが彼女の涼やかな美しさを引き立てていた。  
ベッドから起き上がった打ち止めは目を丸くして芳川に問いかける。  
「……もしかしてデート?ってミサカはミサカは興味津々に尋ねてみたり」  
「そんな相手は居ないわよ。さて、わたしはもう行くから、一方通行を起こしておいてもらえるかしら」  
「えっ、えええ!?よっヨシカワは知らないかもしれないけどあの人にとって眠気は鬼門なんだよ!?ってミサカは  
ミサカはガクガク震えながら空色毛布を奪われた実体験から予測される身の危険をお知らせしてみたり!」  
ブラシで髪をとかしながらわたわたと早口で反論する打ち止めに対して芳川(これからデートの疑いアリ)は部  
屋のドアノブに手をかけながら、  
「大丈夫よ。もしあの子が寝惚けていたらキスでもなんでもして起こしてあげなさい」  
「大丈夫の意味が分からないしそもそもミサカの話聞いてないよね!?ってミサカはミサカはヨシカワの茶目っ気  
に戦慄してみる!」  
ちゃんと聞いてるわよ、と微笑みながら打ち止めの文句を受け流す芳川。「じゃあ、行ってきます」と言い残し  
て、彼女はあっさりと部屋から出ていってしまう。  
なんだか色々と言いたいことが言えないまま放置された打ち止めは、  
「……行ってらっしゃーい、ってミサカはミサカは釈然としないままお見送りしてみたり……」  
なかば呆然としながら、右手をひらひらと振るのであった。  
 
†††  
 
大きな音を出さないように注意を払いながら、打ち止めは寝室のドアをそっと開ける。  
あまり生活感のない部屋の中央付近に置かれたベッドの中では、白いシーツと同化するように髪も肌も真っ白な  
少年が眠っていた。端正な顔立ちは、普段とは比べ物にならない程安らいだ表情を浮かべている。  
(……黙ってる分には年相応のお顔なんだけどなぁ、ってミサカはミサカは声には出さずに思ってみる)  
などと思いながら打ち止めが静かに接近すると、それまで伏せられていた一方通行の瞼がゆっくりと開かれる。  
「っ……?」  
「あ……起きた?ってミサカはミサカは問いかけてみる」  
「……、」  
感情の抜けた赤い瞳が動き、目の前の打ち止めを認識すると、また直ぐに目を閉じてしまった。  
一方通行はそのまま規則的な寝息を立てはじめる。  
(うむぅ……普段警戒心満点なあなたがミサカの前でこんなに無防備になるのは、ミサカのことをそれだけ信頼  
してくれてるからなんだって思ってもいいのかな?ってミサカはミサカは自惚れてみたりするんだけど……)  
打ち止めとしては満更でもない心境ではあるのだが、自分は本来彼を起こしに来たのだった、と思い直して部屋  
のカーテンを勢いよく開け放つと、一方通行のベッドに潜り込む。  
「あなた起ーきーてー朝だよーもうすぐお昼だよーヨミカワもヨシカワもとっくに外出しちゃったんだからねー  
!ってミサカはミサカはハイパー目覚ましモードに移行してみる!!おーい!」  
「……………………」  
そのまま細い胴にしがみついてゆっさゆっさ揺さぶりつつも至近距離から叫んでみるが、低血圧な一方通行はわ  
ずかにうめき声を上げるだけで目を開けてくれない。叩いてもつねっても無視。まるで休日のお父さんと子供み  
たいな構図だった。  
 
「……うわあ一切合切スルーだよこの人……ってミサカはミサカは己の無力さを噛み締めてみたり……」  
さすがに疲れきった打ち止めはベッドの中でぜーはーぜーはーと息をつきながら小さな肩を上下させる。  
さてどうしたものか、と途方に暮れていた彼女は、  
 
『大丈夫よ。もしあの子が寝惚けていたらキスでもなんでもして起こしてあげなさい』  
そんな芳川の台詞を思い出した。  
 
「……どーしよっかなぁ、ってミサカはミサカはニヤニヤしながら悩んでるポーズをとってみたり」  
独り言を呟く打ち止めは、その顔に幼い少女らしからぬ小悪魔然とした笑みを浮かべる。『悩んでる』と口では  
言ってみても、実際のところは決まっていた。  
(あなたってば照れ屋さんだから、こんな時くらいしかおとなしくしてくれないんだもんね、ってミサカはミサ  
カは自分への言い訳の材料を探してみる)  
そんなことを考えながら、打ち止めは出来るだけ体重をかけないようにして一方通行の身体に覆い被さる。  
血の気が薄い彼の頬に、小さな両手を添えて頭を固定した。  
そして、吐息が混ざるほど近くまで顔を寄せると、薄く開かれた唇に自分のそれを当てる。  
「……っ」  
ぺろ、とその唇を舌で味わうと、わずかに彼のまつげが動く。拒絶するように唇が閉ざされたのも一瞬のことで  
、寝起きの心地好い倦怠感に懐柔され、一方通行はすぐにされるがままの状態へと流れていった。  
舌同士が触れる。  
打ち止めの方が積極的に絡めていくのに対し、一方通行はいつになく後手に回ったぎこちない動きだ。  
普段、こういった場面では『される側』な打ち止めにとって、そんな彼の反応は新鮮なもので、まるで女の子を  
相手にしているような気分だとも思ってしまう。  
(……なんだか可愛らしいなぁ……でもそんなことあなたに伝えたら即飛び起きて叩かれそうだよね、ってミサ  
カはミサカはお口チャックを心掛けてみたり)  
しばらく唇を重ねた後、息が苦しくなってきたところでようやく小さな舌を口腔から引き抜いた。  
「……ぷはっ、ってミサカはミサカは息継ぎしてみる」  
気付けば、夢中になって動かし続けた舌が痺れていた。普段受け身に回っていたので知らなかったが、一方通行  
の立場は好き勝手やっているように見えて実は意外と大変だったのかもしれない、と打ち止めはぼんやり考える  
。  
「……目、覚めた?ってミサカはミサカは聞いてみる」  
「……………………ざけンなクソガキ」  
額に手を当て、眩しそうに自分の目を塞ぐ一方通行の返事は随分と弱々しいものだった。まだ血圧は回復してい  
なさそうだ。  
「むー……ミサカ結構技巧を凝らして頑張ったのになぁ、ってミサカはミサカはさらなる修行の必要性を痛感し  
てみたり」  
「……、」  
色々と聞き捨てならない発言ではあったが、一方通行にはいつも通りの激しいツッコミをする気力も無いようだ  
った。  
と、その時、何かが打ち止めの脚を緩く擦める。  
「っ……」  
「……、えっと……」  
打ち止めの頬が、少し恥ずかしそうに染まった。  
実は、先程から彼女はコレの存在を認識していたのだった。則ち、熱を孕んだ彼自身を。  
それが朝の生理現象としてのものなのか、それとも自分の愛撫に反応してくれているのかは分からなかった(も  
ちろん後者なら打ち止めとしてはたまらなく嬉しい)が、とにかくそのまま放っておいてはいけないような気が  
した。  
「……ちょっと、ごめんね、ってミサカはミサカは一応断りを入れてみたり」  
「……オイ、」  
声を出すのも辛そうな彼が拒否するより先に、彼女は右手を布団に潜らせた。布地を軽く持ち上げる昂ぶりの先  
端に、ズボンの上から触れる。  
「――!」  
「や、動かないでっ、ってミサカはミサカはお願いしてみる」  
今度こそ逃れるように身をよじらせた一方通行。それを制止するように、絡めた指で優しく握りこむ。呼応して  
、彼の欲望が肥大していく感触が指先へと伝わる。  
打ち止めは宥めるように彼の額へ口づけると、  
「ミサカのせいで、こんなになってるのに……放っておけないよ、ってミサカはミサカは確信犯ぶってみたり」  
「……っ馬鹿、言ってンじゃねェぞ」  
返答は随分と掠れた声だった。せり上がる何かに耐えるような彼の表情はかなりレアなもので、もっと見ていた  
かったんだけど、と名残惜しく思いながら打ち止めは布団の中に入っていく。  
寝間着に身を包んだ一方通行の華奢な身体を伝い、頭を下腹部近くまて潜り込ませると、ズボンに手をかけた。  
 
寝間着を少しだけたくし上げ、剥き出しになった臍の下に軽く口付ける。その時に一瞬、彼女の顎に勃ち上がっ  
た自身の先端が掠めた。  
毛布を上から被っているため、彼女からは一方通行の表情が窺えないのだが――ほんの少し、彼が息を詰まらせ  
たことだけは分かった。  
「……すぐ、楽にしてあげるね、ってミサカはミサカは言ってみる」  
ズボンをずり下げて、窮屈そうな下着からそっと彼自身を取り出す。  
単純な肌色とは異なる色、かすかに浮き出た血管、痛いぐらいに硬く張りつめた欲望。目のあたりにしたソレは  
打ち止めが想像していたよりもずっとグロテスクで生々しい造形をしていて、ほんの少し面食らってしまった。  
(……あれ?そういえば)  
ふと思い出す。  
過去二人は何度か互いを求め合ったことがある(とは言ってもその中でも文字通り『最後まで』したことは片手  
で数えるくらいしか無い)。だが思い返してみれば、今まで一方通行は一度も自身の欲望を打ち止めに触れさせ  
ようとすることが無かった。いつも彼のペースに翻弄されているうちに、こちらが何かをしようとする前にはも  
う全てが頭の中から綺麗に弾け飛んで、何も考えられなくなってしまうのだ。  
それはきっと、まだ幼い打ち止めを不必要に怯えさせないようにという彼なりの気遣いだったのだと思う。  
その事は打ち止めにとって嬉しくもあると同時に、何故だか哀しくもさせるものだった。  
「……あなたはもう少し、ミサカに弱い自分を見せてくれてもいいんだよ?ってミサカはミサカは切なくなって  
みたり」  
小さな声で呟いて、握り込んだ自身を浅くくわえる。想像していた程変な味ではなかった。  
「――、っ!」  
一方通行の身体が電撃に打たれたように震え、打ち止めの頭に手を置く。彼女を引き剥がすつもりでのことなの  
だろうが、緩慢なその動きでは意味が無いどころか逆に押さえつけているようにも見えた。  
布団の中での息苦しさを感じつつも、筋張った箇所を舌でなぞり、側面を掌で擦り、先端から順番に唾液で濡ら  
していく。  
その行為に没頭しながら、打ち止めは一人考え事をしていた。  
――大体において、一方通行は強がりすぎなのだ。  
いつも自分の業を一人で背負おうとして、自分一人で傷付いて、そのくせ他人にはその苦しみを見せようとしな  
い。  
打ち止めはそんな彼を、同じ一人の人間として守ってあげたいと、最初から言っているのに。  
自分だって、彼の力になれるのに。  
彼はいつだって、一人で受難の道を歩んでいってしまう。  
 
一体いつになったら彼は、隣にいる自分の存在に、頼ってくれるようになるのだろう?  
 
せめて、お互いに体温を共有できる今だけでも彼を孤独から解き放ってあげたい。  
そんなことを考えていると、自然と彼を追い込むことに夢中になっていく自分に気が付いた。  
苦いものが舌の上に滲み、口に納まった彼の全体が一際大きく膨らむ。  
限界が近付いているのだと、なんとなく悟った。  
「っ……く……」  
艶っぽい声が一方通行の喉から漏れ、打ち止めの頭に当てられた手に、思わずといった様子で力が込められる。  
くしゃ、と茶色の髪が少年の細い指にかき混ぜられ、それが彼女にとっては少し心地好かった。  
ほんの一瞬だけ唇を離し、打ち止めは言葉を紡ぐ。  
「ん……、ここで、出していいよ、って……ミサカはミサカは、言ってみる」  
ふざけるな、と吐息混じりに返ってきた憎まれ口。  
(強情だなぁ)  
苦笑しながら、彼女は唾液や先走りで布団越しのわずかな光を照り返す昂ぶりへと口付けた。  
根元のふくらみに触れて、ラインをなぞるように指を上へと這わせ、彼の絶頂を誘う。  
くわえた先端の過敏な場所に捻り込むように舌を押し当て、止め処なく迸る先走りを塞き止める。そんなほんの  
少しの意地悪をした後、ちゅ、と音が鳴るほど強い力で吸い上げた。  
それでもう、一方通行は限界だった。  
「――……ッッ!!」  
どくんっ、と自身が強く脈打ち、内包していた欲望の全てを打ち止めの口腔の中にぶちまけた。  
「ん、んんぅ……っ!?」  
二度、三度と不規則な鼓動を刻みながら噴水のように溢れ出した白濁は彼女の喉へと直接注ぎ込まれ、打ち止め  
が目を白黒させているうちに口いっぱいに満ちていく。蒸せそうになりながらも、彼女は全部飲み下そうと必死  
で喉を動かすが、それが追い付かずにいた大量の白濁が唾液と混ざりあいながらも逆流して唇から零れ落ち、彼  
女の口許とそれにくわえられた彼自身を白く染めあげていった。  
 
「けほっ……こほ……苦、い……ってミサカは、ミサカは……」  
軽く咳き込みながら、打ち止めはやっと尽き果てた彼自身から口を離した。息苦しさと恍惚で、酩酊でもしたか  
のように涙が滲む。白く泡立った残滓が、先端と唇とを歪に繋いでいた。  
それが自然に切れてしまった後、べとべとになってしまったこの顔をどうしようか、と打ち止めが今更ながら少  
々悩んでいると、ぐっ、と身体を布団の中から引き上げられた。  
一方通行だ。  
少し汗ばんだ額に前髪が張り付いていて、今は荒い呼吸を無理矢理に静めている。  
彼は熱を孕んだ瞳で打ち止めをきつく睨むと、彼女の唇を強引に塞いだ。  
彼女の口許を自身の白濁でひどく汚してしまったことに小さな嫌悪を抱きながら。  
「ん……はぁ……っ」  
唇を離すと、打ち止めの頭は彼の薄い胸板へと抱き寄せられた。  
「……」  
かすかに聞こえる心臓の音に耳を傾けながら、彼女は問いかける。  
「……目、覚めた?ってミサカはミサカはさっきと同じ質問をしてみたり」  
溜め息の影に隠すようにして、馬鹿野郎、と小さな声が返ってきたことに、打ち止めは嬉しさを隠せずにいた。  
 
†††  
 
一方通行はご機嫌斜めだ。  
さっきからずっと、彼はいつにも増して不機嫌なのだった。  
「……」  
「……おーい、ってミサカはミサカは言ってみる」  
「……」  
「……ねーごめんってばー、もう機嫌直してご飯食べようよ、ってミサカはミサカは提案してみたり」  
「黙れ。っつーか誰が不機嫌にしたのか分かってンのかクソガキ」  
「……悪いのは『寝惚けてたらキスしなさい』ってミサカに助言したヨシカワだもん、ってミサカはミサカは責  
任転嫁の言い訳をしてみる」  
「ソレで終わってなかったのはどォ考えてもオマエの独断だと思うがなァオイ?」  
「あうっ」  
リビングのソファに腰掛ける一方通行からデコピンを喰らい、打ち止めの小柄な身体が後ろにのけぞる。  
「ひどいよーっそんなこと言いながらさっきはあんなに気持ち良さそうに身悶えしてたくせに、ってミサカはミ  
サ痛たたたたたたたぁごめんなさいごめんなさい頭グリグリやめてー!ってミサカはミサカは絶叫してみる!!」  
先程までのベッドの中でのひとときが嘘のように、いたっていつも通りの雰囲気に戻る二人。あの時の名残とい  
えば、喉の奥にまだ少しだけ、苦い引っ掛かりを感じるくらいだった。  
彼女はあの時、別に何も特別なことをしているとは思わなかった。いつも彼がしてくれる愛撫を、こちらから同  
じようにやり返したまでだった。つまりは、技巧も順序も全部彼の受け売りで、彼自身が打ち止めに教えたよう  
なものなのだ。だが目の前の学園都市最強はその言い分では納得してくれないらしい。  
ふてくされたような様子でソファに体重を預けている彼の横で、打ち止めは同じように腰かけた。  
相手が何も言わないのをいい事にぴったりと寄り添い、一方通行の低めの体温を堪能しながら口を開く。  
「嫌だったの?ってミサカはミサカは尋ねてみる」  
「……、」  
一方通行はそっぽを向いたままだ。それが照れ隠しなのかどうなのかは、打ち止めには分からない。  
それでも、いつもは年上の余裕を崩さない彼に一杯食わせてやることができたことが嬉しくてたまらない打ち止  
めは、してやったりといった調子で上機嫌に足をばたつかせていた。  
やがて、暫く黙っていた一方通行が一瞬だけこちらを向き、低い声でポツリと呟く。  
「……オマエ、今晩覚悟しとけ」  
「ちょっと怖いお誘いの予感ッ!?ってミサカはミサカは今夜のあなたのねちっこさを想像してハラハラドキドキ  
してみたり!」  
思わず両手で自分の腕を抱き締める打ち止め。もしかすると今夜は相当泣かされるかもしれない。  
……もちろん、嫌という訳では全くないのだが。  
明日腰が砕けちゃったらどうしよう、などと少しだけ心配しながら、打ち止めは改めて隣の少年に向き合った。  
大事なことを忘れていたのだ。  
「あのね、言い忘れてたことがあったんだ、ってミサカはミサカは意味深な微笑みを浮かべてあなたの顔を見つ  
めてみたり」  
「……ンだよ」  
えへへ、と照れ笑いを浮かべてから打ち止めは、およそ彼には似合わないような、ごく平凡な言葉を口にした。  
 
「――おはよう、ってミサカはミサカは朝のご挨拶をしてみる!」  
 
END  
 

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