夕方、小萌先生からの電話でインデックスが泊りがけで出かけてしまった。  
 なので、歯磨きも着替えも終えて準備万端の上条当麻は久しぶりに自分のベッドで……とは行かずにすごすごとバスルームに向かおうとしていた時の事、ベランダの窓ガラスを叩く音が聞こえて来た。  
 いぶかしむ上条の目に飛び込んで来たのはイギリスに居る筈の赤毛の小さな修道女。  
 確か名前は――、  
「アニェーゼ……? 何でこんな所に? ってか何故ベランダ!?」  
 首を傾げるも答えは出ない。  
 取り合えず上条はこっちを向いてにこにこと手を振る少女を部屋の中に招き入れると、開口一番疑問をぶつけてみた。  
「でお前何でここに居んの?」  
「ああ、その事ですか……」  
 そう言って視線を泳がせたアニェーゼに、上条もつられてかアニェーゼの視線の先を追った。  
(掛かりやした!!)  
 次の瞬間、電光石火の早業で上条をベッドに押し倒したアニェーゼは、押し倒した時と同じくらいの早業で上条の唇を奪うと、更には舌まで滑り込ませて上条の口の中を荒らし回る。  
 そしてどちらが自分の唾液か判らない程熱心に上条の口腔をねぶったアニェーゼは、やっと満足したのか口を離すと、  
「ミント味っすね」  
 そう言ってにやりと少女に、息も絶え絶えの上条は一言も返せない。  
「何でって顔してますね」  
 アニェーゼの問いかけに、上条は首を縦に振る。  
「最近脇役くらいしか出番が無いっすからね」  
 そう言ってもう一度上条の唇を激しく奪ってから、  
「さっきの質問の答えっすけど、今日は『夜這い』に来たんですよ」  
 アニェーゼはそう告げてから、  
「尺もあんまり有りやせんからどんどん行かせてもらいやすよ」  
「お……い……、尺って……何だ……よ……?」  
 アニェーゼは呆然とする上条のシャツを強引にめくると、うっとりとした目で引き締まった上半身を眺める。  
「細かい事は考えなくていいんすよ。考えるな。感じろ。ってやつっすか? おっ、上条さんの乳首発見!!」  
「ば、ちょっ――」  
 慌てて制止する上条より先にアニェーゼは上条の胸に吸いつく。  
「ッ!!」  
 アニェーゼがきつく吸い上げると上条の体がびくびくと跳ねた。  
「我慢しなくてもいいんすよ? 生娘みたいに鳴いてくれるとこっちも燃えますから」  
「馬鹿い、ッぅぅ!!」  
 途切れ途切れに言い返そうとした上条の声が悲鳴に変わる。  
「余計な言葉はいいんすよ。あなたはただ感じてくれてばいいんです」  
 そう言って乳首の爪痕に、今度は優しく舌を這わす。  
 さらに、そうする一方でアニェーゼは先ほどから太ももにあたる硬いものに右手の指を這わした。  
 驚いて咄嗟に足を閉じようとする上条の太ももを膝で押さえつける。  
「無駄な抵抗しないで下さいよ。言ったでしょ尺が無いって」  
 そう言いながら器用にスウェットの中に手を潜り込ませる。  
「うふふ。熱いっすね。火傷しそうっすよこの肉棒(ワンド)」  
「ううッ!!」  
 巧みな手淫に翻弄される上条。  
 細い指を絡めてゆるゆると扱かれる刺激を我慢しようと眉間に深い皺を刻んでいると、またも無防備な乳首を強く吸われた。  
 アニェーゼは快感の波に震える上条を上目にみながらニヤリと笑う。  
「いいっすよ。何度でも、何度でも逝かせてあげますから」  
 ――2人はまだエロス坂を登りはじめたばかりだ!  
 

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