久しぶりに黒子と初春は風紀委員の仕事が非番だったので
美琴は駅のそばの喫茶店店で黒子、初春、佐天と駄弁っていた。
新しいシャンプーとリンス、そして旅行の計画が話題。
少女たちの平穏な時間はある一件のメールで壊れた。
雑談の最中、黒子の携帯電話が鳴り、黒子は受信したメールを読むと美琴に訪ねた。
「お姉様は今度の週末はお暇ですの?」
「何? どうしたの?」
「お姉様がよくおいかけましているあの殿方さんが以前にお姉様が見たいとおっしゃっていた映画のチケットを貰ったそうなので───
「はぁ!? あの馬鹿からメールが来たの!? って言うか、何であいつがあんたのメアドを知っているのよ!!?」
美琴の怒声に黒子は戸惑いながら答える。
「殿方さんから携帯の番号とアドレスを普通に聞かれたからですの」
「普通に聞かれたからですって!?」
「ええ、そうですの。何かおかしいことでもありますの?」
黒子はどうして美琴が慌てふためいているのか理解できなかった。
美琴と上条の仲を考えれば携帯番号の交換程度のことはしてるはずなのに何故ここまで怒り心頭なのか理解できなかった。
「男の人とメールだなんて白井さんモテモテー」
「佐天さんからかっちゃだめですよ」
「初春さん、佐天さん、ちょっと黙ってて!! 黒子と大事な話があるから!!」
「「はっ、はい……」」
「ねぇ、黒子。あの馬鹿としょっちゅう電話やメールをするの!?」
「2、3日に1度メールするぐらいで頻繁にするわけではありませんの」
「へっ、へぇ……」
「お姉様安心してくださいまし。別に殿方さんとお付き合いしてるわけでも好きあっているわけでもありませんの。私はお姉様一筋ですの」
「で、でも……あいつとメールするんでしょ……私、あいつとメールなんてしないもん……」
「遠慮なさらずにお姉様もメールぐらいしてみれば良いと思いますの」
「だって……」
「お姉様の携帯から殿方さんに映画の返事をしてみてはいかがでしょうか」
「うん……黒子の携帯貸して……」
「いえ、ですから、私の携帯では無くてお姉様の携帯で返信をしますの」
「だから、黒子の携帯を貸してって言ってるの」
「どういうことですの?」
「……………私はあの馬鹿の携帯番号もメアドも知らないのよ!! それにあいつから番号を聞かれたこともないのよ!!!」