「上条当麻、これは何?」
「わかりやすく。説明して欲しい」
状況は最悪だった。
正面には表情が存在しない吹寄と姫神がいる。
もちろん、上条さんに相対して隙はない。
上条さんと彼女たちの間には数冊の本が置いてある。
口調は穏やかな物の背中に背負っているオーラはハッキリ言って学園都市最強の一方通行以上だった。
確かにこれは上条さんが悪かったのかも知れない。
だが、健全な男子高校生なら誰しもあることで上条さんだけではありません。
しかし、そんな言い訳が通じる状況でもちろんない。
「えっちな本です」
「ほほう。貴様はこんなものを読んでいるわけね」
「こんなものは。君には必要ない」
と言うか、何でこの二人はこんなに怒っているのだろうか?
えっちな本を学校に持ち込んだことに怒っているんだよな。
家に置いとけば腹ペコシスターに発見され噛み付かれることが確定なので
学校で早急に青ピに返却しようとしただけなのですよ。
二人に迫られながらどうやって逃げようか、助けを呼ぼうか考えたが
校舎の隅の空き教室で不穏なことが起きていることに気付いてくれる人なんていないだろうから
諦めるしかないと思っていた瞬間にドアが開いた。
指定の制服スカートは長いのに上着は短く、くびれたウエストとへそが見えている雲川先輩が現れた。
「相変わらず、お前は面白いことになっているんだな」とくすくす笑いながら詳しい状況説明を吹寄と姫神に求めた。
「と言うわけで上条当麻が二度とこんなものを読めないようにしたいんです」
「二度と。こんな本を読む気が。起きないようにしたい」
「断言すると、そんなことは簡単なのだけど」
「まさか、上条さんを性転換させるとかでせうか?」
「先輩、お願いします」
「流石。先輩は頼りになる」
「おい! 無視ですか!? この野郎!!」
「それで具体的な方法は?」
「上条君を満足させれば良いと思うのだけど」
先輩の言葉に静まり返った後ほど、吹寄と姫神と先輩がひそひそと相談してから
真っ赤になりながら吹寄が「貴様をこのまま放っておいたらあのシスターさんや常盤台の子を孕ませかねないから」と
姫神が「君は。次々と女の子に手を出して困る。だから。先に私が君に手を出せばいい」と
先輩が「お前が入学したばかりの頃、不良に絡まれている私を助けた時から気になっていたのだけど」と言って制服に手をかけだして──
半裸で力無く床に肢体を投げだしている三人を目の前にして責任取らないと駄目だよな。
この場合3人同時に付き合えば責任取ることになるのか、いや、それは鬼畜だろと悩む上条さんがいた。