・・・あの時、あの雪原で。倒す筈だった彼に助けられた恩を返そうと必死の行動。いつしかそれは  
自身に芽生えた始めてのプラスの感情、強烈な恋心だと番外個体は気づく。  
しかしいくら必死のアプローチをしても、遂に二人だけの時間を獲得しても、  
彼の笑顔からはあの少女の影がちらついている。  
 
”何故ミサカには心を預けてくれないの?"・・・考えると頭が割れそうになる  
”何故あの子はあなたを振り回すの?"・・・かつて雪原にて暴発した負の感情が心をもたげる  
”何故あの娘なの!私はこんなに支えているのに!愛しているのに!!私だってミサカなのに!"...プツン  
 
「・・・ウフッ ウフフッ そうだ・・・そうだよ。あなたは悪くない。あなたは被害者。アイツがいなければ辛い  
逃避行なんか無かった筈。あなたをあんなに追い詰めることもなかった。」  
 
「・・・助けなきゃ。あの雪原であなたが救ってくれた様に、今度はミサカがあなたのヒーローになる番だから。  
待っててね、すぐ何とかしてあげる。助けるわ」  
 
助けるわ助けるわ助けるわ助けるわ助けるわ助けるわ助けるわ助けるわ助けるわ助けるわ助けるわ助けるわ  
助けるわ助けるわ助けるわ助けるわ助けるわ助けるわ助けるわ助けるわ助けるわ助けるわ助けるわ助けるわ・・・  
 
彼女はそう呟くと、助けを求めている最愛の彼の元へ向かった。  
魔術にでも使うのかのような鉄釘と可愛らしいワンピース少女の写真を使ったオブジェを空間に残して。  
 
そのオブジェ脇には作品名が殴り書きされたメモ紙が挟んであり、こう記されていた。  
 
 
 
「「    お    ま    え    の    せ    い    だ   」」  
 

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