みなさん今晩は、今日も今日とて不幸少年上条当麻です。  
ありのままに今起こったこと、もとい今起こっていることを話すぜ!  
昼寝してちょっと前目が覚めて起きようとしてるのに起きれない。  
うん、何言ってるか分からないと思う、自分でも分かんない。  
落ち着け、落ち着くんだ上条当麻。  
まずは現状把握をするんだ。  
幸運を断ち切る右手、切れそうもない手錠でベッドに固定。  
なんの変哲もない左手、違和感ありまくりな手錠でこれまたベッドに固定。  
大半の人と同じような両足、コンパスのように開かれてまたまたベッドに固定。  
簡単に言うと、いわゆる大の字で動けない訳だ、現状把握終了。  
 
「って、何の解決にもなりゃしねぇじゃねぇか!?」  
 
おかしい、自宅のお風呂場で寝てたはずなのになぜ自室のベッドで寝ているんだ俺は?  
インデックスが普段使ってるせいか女の子特有の良い匂いがしてドキドキしちゃうんですけど?  
…………こんな状況で何ドキドキしてんだ俺、落ち着け落ち着け。  
どうやら顔は固定されていないようで部屋を見渡すことができるみたいだ。  
時計を見やるともう夕方、帰ってきて風呂場に行ったのが昼過ぎだったから4時間以上寝てたことになる。  
 
「やっべぇ!!タイムセール始まってんじゃん!!」  
 
……何故ワタクシ上条当麻は自分が身動きできないこの状況下でセールの心配をしているのでせうか?  
考えてて涙目になってきた、パパン、ママン、貴方たちの息子は今にも泣いてしまいそうです。  
 
そんなことを考えていると上の方から声がした。  
もとい、自分は今寝転がっているのだ、声のした方向は居間の扉のとこからだろう。  
そちらへ目を向けると、安全ピンの塊ともいえる修道女が自分を見ていた。  
 
「ようやく目が覚めたみたいだね、とうま。待ちくたびれたんだよ」  
 
「……インデックス? 発言の意図はよく分からないけど俺拘束されてるからはずしてくれる?」  
 
「うん、それはムリなんだよ。だってそれしたの私たちなんだから」  
 
今の発言から考察すると俺をベッドにくくりつけた犯人はインデックスらしい。  
…………いや、まて、いまコイツなんて言った?  
 
「インデックス? 今のセリフもう一度言ってくれるか?」  
                             ・・・  
「だから、それをはずす訳にはいかないんだよ。それをしたのは私たちなんだから」  
 
確認しよう、分かりやすく5Wで表現すると○○が○○時○○で○○を○○のため拘束した。  
5W1Hって言葉があるけど小萌先生によると欧米なんかでは5Wで、日本において1Hが付け加えられたらしい。  
俺は最近イギリスなんかへのおでかけ(≒拉致被害)も多いのでグローバルになりつつあるのです。  
っと、思考が別方向にそれた、とりあえず現状を把握しなければ。  
5WにおけるWhoはインデックス含む複数犯らしい、他に誰がこんな真似してくれやがったのかまでは分かんないけど。  
Whenはまぁ寝てる間だろうな、Whereは言うまでもなくココで、Whatに当たるのはワタクシ上条当麻。  
それじゃあ何故? なぜ上条さんは拘束されているのでしょうか?  
 
「なぁインデックス、なんでこんな目にあってるんだ俺は?」  
 
「それは私じゃなくてこの人に聞くと良いかも!」  
 
インデックスがそう言うと、その後ろから誰かがが歩いてきた。  
同年代で、ラクロスのユニフォームのような格好をした金髪碧眼の美少女…………見覚えあるけど思い出せねえや。  
 
「おっひさ〜。ワタシのこと覚えてるかな?」  
 
ごめんなさい今思いだそうと奮闘中でございます…………えぇーっと…………。  
 
「反応ないってことは忘れてるわね、一緒に川へダイブした仲と言えば分ってもらえるかな?」  
 
一緒に川へダイブ? こんな美少女とそんな素敵経験この駄フラグ少年上条当麻にあり得るわけが…  
 
…そう言えば水深1メートルない川に飛び込んだな……。  
 
「フロリス?」  
 
「ご名答。当てても別に景品なんか無いけどね」  
 
名前を思い出したのは良いが状況は何も変わっていない。  
とりあえず何故に拘束されているのかを聞かなければ。  
 
「それじゃふろりす、約束通り」  
 
質問を浴びせようとしたところで急にインデックスがフロリスにこう言った。  
 
「あぁ、この建物の下に待ってるから行ってくれていいよ、手伝ってくれて助かった」  
 
「やった! それじゃあね、とうま、ふろりす」  
 
そう言い残し疾風の如く部屋から出て行ってしまった。  
今の会話から察するに、俺を拘束した首謀者はフロリスでインデックスは手伝った代価を受け取りにいった模様。  
 
「なぁフロリス、インデックスの奴はどこ行ったんだ?」  
 
「ん? 私の仲間とどっかのレストランに行ったんじゃない?」  
 
「レストラン? なんでまたそんなところに……アイツの喰う量は半端じゃないぞ、知ってんのか?」  
 
「知ってるわよ、ワタシ調査に調査を重ねてやっとこのプラン実行したんだもの。」  
 
「プラン? そうだ、なんで俺拘束されてるんだ? とりあえずはずしてくれないか?」  
 
「ダメにきまってんじゃない。インデックスっつー銀髪のシスターもそう答えてたでしょ?」  
 
どうやらまだ拘束されなければならないらしい。  
 

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