「まさか、例のごとく土御門に拉致られて乗せられた飛行機が嵐で海に墜落して、気がついたら無人島に流れ着いていたなんて。これは上条さん史上最大の不幸イベントですよ。ただ、一つラッキーだったのは」
「上条さーん、ウツボと蛸と鮫が焼けましたよ」
「飛行機に同乗していたのが五和だったことだな。手作りの銛で魚介類を獲って、火もあっという間に熾すとは流石天草式。でも飲み水の確保できるかな」
「この地形なら、あちらに小川があるはずです」
「魚だけで栄養足りるかな」
「さっき食べられる野草と果実を採って来ました」
「夜冷えそうだな」
「漂着した貨物から衣類を確保しておきました」
「……俺、五和さえいてくれたらどこでも生きていけるかもしれない」
「ええっ!!」