何時も通りに訪れる平和な夜。手分けして子供たちを寝かしつけたオッレルスとシルビアは、キッチンのテーブルでコーヒーを飲みながら一息ついていた。  
 向かい合って座った2人は会話をするでも無く、黙ってコーヒーカップを口に運ぶ。  
 シルビアはタイムズ紙を読みながら、オッレルスはそんなシルビアと彼女が読む新聞を眺めながら、このゆったりとした時間を過ごすのが日課となっていたのだ。  
 所が、今晩は少し様子が違っていた。  
 その原因はオッレルス――椅子に座った時から目に見えて小刻みに体が揺れていて、それはまるでトイレでも我慢しているかの様に見える。  
 そんな相方の鬱陶しい様子に当然シルビアも気付いていたが、あれは多分『ワケアリ』なので特別に許しておいていた――いつその『ワケアリ』を切りだすのだろうとドキドキワクワクしながら。  
 そしてついにオッレルスが文字通り重い腰を上げた。  
「な、なぁ」  
「ん?」  
 椅子から立ち上がり身を乗り出したオッレルスに、シルビアは興味無下げに新聞を読みながら返事を返す。  
「きょ、今日なんだけど……、アレ、いいだろ?」  
「アレ?」  
「そうだよ、アレ」  
 未だそわそわと落ち着きの無いオッレルスに対してシルビアは表面上は冷静だ。そう表面上はだ。  
 やっと来たかとシルビアは内心思う。  
 初めて体を許した日から、この朴念仁の甲斐性無しは毎日自分を求めて来るのかと思いきや、事もあろうに自分を抱いてしまった自責の念で七転八倒したのだ。  
 そんな馬鹿をそれとなく叱咤激励調教しながら体を重ねて何回目になるのか。  
 最後の逢瀬から今日まで色々あって随分と間が開いてしまっていた。  
 さぁて今までの分をまとめて埋め合わせしてもらおうかとシルビアが新聞の陰でぺろりと舌舐めずりをしたその時、  
「あ、後さ……、今日は、その……俺にリードをさせてくれなぐっはああああああああああああああああああッ!?」  
 最後まで言い切る前に物凄い勢いで飛来した固い何かがオッレルスの顔面を直撃した。  
 オッレルスがそのままもんどりうってひっくり返る中、顔を真っ赤にしたシルビアが髪を掻きあげる。  
「明るい場所では誰の目があるか判らないからストレートに言うんじゃないって言っただろうが……、この大馬鹿野郎」  
 聖人の力に掛かればタイムズ紙が凶器になる。そんな事を思い知らされたオッレルスだった。  
 
 
 
 それから十数分後……、2人の姿はベッドの上にいた。  
 生まれたままの姿で向きあう2人。  
 特にシルビアは隠す所など無いとばかりにオッレルスに向かって大胆に脚を開いて座っている。  
 そこに体を滑り込ませるように前かがみになったオッレルスはシルビアの顔を覗き込むと、  
「触ってもいいかい?」  
「駄目って言ったらどうするのよ、あんた?」  
「そりゃもちろん止めぎはあッ!?」  
 最後まで喋らせてもらえなかったオッレルスがベッドから転げ落ちると、シルビアは持ち上げていた脚をベッドの上に降ろしてため息をついた。  
「ふざけんなよこの。アンタはそれでもキン○マ付いてんのかこのオカマ貴族!!」  
 むしゃくしゃを解消する為にあえて汚い言葉を選んで罵る。  
(埃まみれの没落貴族のくせに……何処までいっても紳士なんだから呆れるったら無いよ、この馬鹿野郎は……)  
 シルビアはこんな男を選んでしまった自分の不幸を今更呪いたくなった。  
 一方そんな事を思われているとも知らないオッレルスが顎をさすりながらもそもそとベッドに戻って来た。  
「イテテ……、いきなり蹴飛ばすなんて酷いじゃないですか……」  
「ごちゃごちゃうるさい男だな……。それよりヤルのかヤラないのかハッキリしなさいよ」  
 シルビアの呆れと苛立ちをない交ぜにした言葉を投げつけられて、流石にオッレルスもムッとした顔をして押黙る。  
 久しぶりなのに誰のせい――もちろん自分のせいだなどとは思っていない――で先に進めないと思っているのかと憤りさえ感じながら改めてシルビアの脚の間に座りこむ。  
 だが月夜にキラキラと輝く金髪の生えた恥丘やその下の割れ目を見てしまうとそこは男だ。  
(き、綺麗だ)  
 もし口走っていたなら乙女の恥ずかし鉄拳制裁は免れなかっただろう。  
 気持ちも新たに右の内腿に手を掛け、左の指を割れ目の下の方に押し当てたオッレルスは、  
「やるさ。いや、止めたってやるぞ。やるって言ったら絶対にやる!」  
「だから一々変なセリフ言うんじゃないって――」  
 やっぱりオッレルスはどこまで行ってもオッレルスか。  
 その台詞の色気の無さにカチンと来たシルビアが拳を握る――だがそれより一瞬早く、男にしては繊細な指がシルビアの柔らかい部分を抉った。  
「いあ゛っ!?」  
 ビクビクっと震える体。そして未だかつて聞いた事も無いシルビアの悲鳴にオッレルスは驚いて顔を上げた。  
「どうあっだッ!?」  
 その鼻面にシルビアの拳が突き刺さる。  
「濡らせよこの大馬鹿野郎!! 女のそこはデリケートなんだよ!! 言われる前に気が付けこのとうへんぼく!!」  
「ほ、ほうでふか」  
 鼻を押さえて痛みを堪えながら頷いたオッレルスは指で触るのは諦めて、今度はシルビアの両脚に手を掛けるとその股間に顔を埋めた。  
 オッレルスの鼻先を恥毛が擽る中、予め唾液をたっぷりと含ませた舌を割れ目に沿って這わせて行く。  
「ん、ふ」  
 オッレルスの耳にシルビアの満足そうな鼻声が聞こえて来ると、  
(今度は大丈夫そうだ)  
 そう安堵すると共に、自信の無かった愛撫にも俄然熱が入り、一生懸命に一心不乱にシルビアのそこを舐め続ける。  
 
 やがて割れ目から生ぬるい独特の刺激のある味が強まって来ると、オッレルスは躊躇する事無く割れ目の中にも舌を滑り込ませて隅々まで余す所無く舌を這わせて行く。  
 一方シルビアの方はと言うと、  
「ふ、う」  
(それにしてもらしく無いくらいに下品な音を立てるじゃないか、貴族のお坊ちゃん)  
 耳を塞ぎたくなるような水音を聞かされながら快感の波間に漂っていた。  
 全身をぬるま湯に浸けこまれた様な、このふわふわとした感覚は彼とだけしか味わえないし味わいたくも無い、と先ほどの嫌な気分などすっかり吹き飛んでしまっていた。  
 それにしてもオッレルスの一心不乱な姿は、  
(犬を相手にしているみたいでちょっと背筋に寒い物があるわよね)  
 その割に顔に浮かぶのは嫌悪では無く愉悦の表情な辺り、やはりまんざらでも無いのだろう。  
「う、ん。上手いじゃないさオッレルスのくせに……」  
 珍しく……、本当に珍しくオッレルスをほんのちょっとだけ褒めたその時、  
「ふおか?」  
「!?」  
 オッレルスの相槌と共に突然下腹部に広がった圧迫感に思わず瞼の裏に星が飛ぶ。それがオッレルスが口を付けて喋ったせいだと直ぐに気付く。  
 そして予期せぬだけに完全な不意打ちを食らったシルビアは、逝かされそうになった羞恥に全身を朱で染め上げると、  
「く、口付けて喋んじゃ無い、中に息が入ってくんだろこのトンマッ!!」  
 しかしこの一言にオッレルスは、  
「どふぉのなふぁふぃ?」  
「ひ、い、しゃ、しゃべんな、て」  
「ふぁふぁはふぉふは?」  
「あひ、だめ、だ、あ」  
 一言ごとに拭きこまれる息によってぽこぽこと膣が膨らんで、シルビアの下腹部はまるで風船でも入っているかの様になる。  
(この、調子に乗って、オッレルスのくせにぃぃいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい……)  
 快感の涙を浮かべたまなじりをキッと吊り上げたシルビアが震える拳を握り締めたその時、  
「ぷはっ」  
「あッ!?」  
 口を放せばどうなるか判っているのにこの男とか下腹部に力を込めて耐えなくてはとか、そんな考えが頭を過ぎった気がした。  
 だがしかし実際には、  
 
 
『ぶぴぴ♪ ぶぷっ、ぶぶ、ぶびびびびびび……』  
 
 
 割れ目の奥の秘穴から下品な音を立てて空気が漏れる。  
 だが漏れるのは空気だけでは無い。粘っこい汁がぴぴぴっとオッレルスの顔に降り掛かる。  
「は、あ……」  
 下品なメロディーを奏で終えたシルビアが体の力が抜けたかの様にがっくりと頭(こうべ)を垂れた。  
 オッレルスが下から覗き込めば、そこには涎を垂らした惚けた顔が。  
「シルビア?」  
「……アンタ、後で体中に漆(うるし)の恐怖を……」  
 
「ひぃッ!?」  
 あの日の恐怖と痒さが甦って来てオッレルスは顔を引きつらせる。  
 しかし今の彼には恐怖を上回る感情――シルビアへの抑えきれない欲望があった。  
「シルビア」  
「あ、何よ?」  
「お前のここ」  
 そう言ってオッレルスは、つい先ほど恥ずかしい音色を奏でたシルビアの秘穴に人差し指を掛けてるとくいっと取引っ張ったのだ。  
「ひ、ふ」  
 再三の愛撫で解れた穴が肉を覗かせて伸びると、シルビアは短い悲鳴を上げて体を震わせる。  
 その後もぐにぐにと弄びながらオッレルスは、  
「どのくらい広がるのかなあ?」  
「あ、ぅん゛」  
 一際乱暴にぐるりと掻き回されてシルビアは悶絶した後、涙目でキッとオッレルスを睨み付けると、  
「……後で覚えてな」  
「いひぃ!? か、覚悟しておきます……」  
 やはり心の底に刻まれた恐怖は中々拭えないらしい。  
 それはともかく――オッレルスの頼みをと言うか馬鹿な提案を渋々受け入れたシルビアはまんぐりがえしと言う無様な格好をさせられていた。  
 その引き締まった真っ白な尻を抱き抱えたオッレルスは、右の人差し指を天を向いてぱっくりと口を開けた割れ目の、そこに開いた肉穴にあてがうと、  
「1本」  
 ズブリと第一関節まで埋め込んだのだ。  
「ん」  
 敏感な部分に感じる違和感にシルビアが小さく声を上げるが、オッレルスは構う事なく人差し指に添う様に中指を、  
「2本」  
「んん」  
 そしてゆっくりと掻き回す。  
「んっ、ぅぅ」  
 何かを我慢するような押し殺した声にオッレルスは満足げにニヤリと笑う。  
「じゃ、次は3本に挑戦だ」  
「一々説明するな馬鹿」  
「……すいません」  
 そんな拍子抜けする様なやり取りの直後、シルビアは敏感な部分を押し広げて指が入り込んでくる感触を味わう。  
「はふ」  
 先ほどとは比べられない圧迫感と、多分複数の指が入り込んだせいか、あちこち同時に引っ掻かれて上手く快感を処理出来ない。  
「ん、ん」  
 勝手に淫口がオッレルスの指を締め付けてしまう。体がオッレルスを求めてしまうのが恥ずかしくて両腕で顔を多い隠すと、  
「シルビア」  
「……何よ。つ、次4本、でしょ?」  
 するとオッレルスは困ったのと悪戯っぽい笑みをないまぜにした顔をして、  
「いや、実はもう4本入ってるんだ」  
「!?」  
 その言葉にギョッとして天を見上げれば、親指を残した全ての指が恥丘の向こうに消えて……。  
 
「はぅ、あ、んんッ!!」  
 自らの身に起こった出来事の卑猥さにシルビアは白い喉を見せて軽く達した。  
 ぴくっぴくっと痙攣しながら白濁した蜜を零す肉穴。  
「なあシルビア……、まだまだ余裕がありそうだな?」  
 オッレルスはそう言うと4本の指を差し込んだままぐるりぐるりと確かめるように中を掻き回した。  
 そのたびにシルビアはびくびくと小刻みに痙攣しながら、  
「あっ、す、好きにすりゃいいじゃないよ……、ん、こ、今夜は、アンッ、アンタがリードするんだろ……」  
「……じゃあお言葉に甘えて」  
 そう言うとオッレルスはシルビアから指を引き抜いた。  
 中をズルリと擦られてうっと呻いて眉間に皺を寄せるシルビア。  
 抜き取られた指に絡み付く粘っこいぬめり……それが光を浴びて輝くさまを眺めたオッレルスは、今までの右手に代えて今度は左の指を4本揃えると、面、裏、とぬめりの源に擦り付ける。  
「あふっ、あ、ふ」  
 続いてぬめりの残る右の指にも。  
「あ、あ、ああ……何勿体付けてんのよ……早く……」  
 焦れたシルビアの声。  
「言われなくてもこっちも準備オーケーだ」  
 そして、その言葉を合図にしたかの様に合計8本の指が敏感な部分に押しあてられると、さしものシルビアも緊張感にグビッと喉を鳴らした。  
 そして遂にズブリと指が秘穴に潜り込む。  
「ぎ」  
 狭い穴が広がって、そのかつて無い圧迫感と引き裂かれる恐怖に自然と声が漏れる。  
 悲壮感に歪むシルビアの顔……それでもなお指は深く、秘肉を割り開き、入り込む。  
「いや、い、や、ぁぁ……」  
 言葉の通り嫌々をする様にシルビアが頭を左右に振るが、結局オッレルスは指の第二関節辺りまで指を埋めてしまった。  
「あぅぅ……」  
 虫の息のシルビア。身動ぎひとつで逝きそな状況に正気を保つ事さえ難しい。  
「は、ぅんッ……」  
 波をまたひとつ何とか乗り越えて、  
(嫌だ……逝くならオッレルスと一緒に……)  
 普段の彼女なら絶対に考えもしない無意識故の真実の叫び。しかし――、その気持ちを汲む事無くオッレルスはシルビアの秘肉を左右に割り開いてしまった。  
「!!」  
 本来感じる筈の無い場所に感じる空気の感触にシルビアがカッと目を見開く。  
(駄目ッ……)  
 しかし続いて体に広がる暴力的な快感の荒波は簡単にシルビアの心を吹き飛ばし、  
「ああ……、あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ」  
 断続的な喘ぎと共に、オッレルスの指を食い千切らんばかりに締め付ける。  
 その秘裂から吹き上がる潮はオッレルスの顔にもシルビア自身の顔にも掛かる。  
 やがて締め付けが弛んだ所で指を抜くと、真っ赤になった指に付くのは白濁したぬめり。  
 舌を吐いてぐったりとしたシルビアに、オッレルスも正気に返って青ざめる。彼女を怒らせるとどうなるか……誰よりも骨身に染みて判っているのが彼なのだ。  
「シ、シルビア?」  
「ぅ……」  
「シルビア、ごめん。その、ちょっと調子に……」  
 
 すると突然シルビアの瞳からボロボロと涙が零れだす。  
「シルビアっ!?」  
「オ、オッレルスぅ……わた、しぃ……、切ない……」  
 枯れて、涙声で、何とも頼りのない――普段観た事もない弱々しい彼女の姿にオッレルスは言葉も出ない。  
「ぐすっ……、わたし逝っちゃった……ひとりで……。我慢したよ……がま……したのに……ヒクッ」  
「……シルビア」  
「してよ……オッレルス……私を抱いてよ……」  
 そして両手を広げるシルビア。その姿にオッレルスはグラリと来た。  
 こんな俺を……、半端で迷惑を掛け通しの俺にまだ手を差し出してくれるか、と男冥利に痺れあがる。  
「シルビア」  
「オッレんむぅッ」  
 シルビアに最後まで喋らせまいと唇を塞ぐ。彼女をこれ以上貶めない為に……。  
 舌と舌を絡め、指と指を絡める。押さえ付け、貪る様な乱暴な愛撫をシルビアは嬉々として受け入れる。 オッレルスは1度唾液塗れの唇を離すととろけたシルビアの瞳を覗き込んで、  
「どうすればいい? 俺はお前にどうしたら……」  
「抱いて。強く……アンタがしたいように抱いて……私がアンタの相方だって……アンタはいつも私の所に帰ってくるって……思えるように……」  
 そしてシルビアは自ら頭だけを上げるとオッレルスの唇に舌を差し込んだ。  
 ただそれだけでオッレルスは自分の分身が爆発しそうになるのを感じた。  
 実際に触れてみれば先端からの先走りの粘っこい汁が指に絡み付く。  
(……シルビア)  
 心の中で呟いた筈なのに、目の前のシルビアの瞳は頷くかの様に瞬いた。  
 それが合図になった。  
 オッレルスは手に掴んだ分身をシルビアの割れ目にあてがう。  
「ん、ふ」  
 シルビアが鼻を鳴らすのを間近で感じながら上下に自身とシルビアのぬめりを混ぜ合わせる。  
 やがて焦れたシルビアが「ん、んっん」と腰をくねらせ始めた所で、  
(いくよシルビア)  
 その合図に舌を強く吸う。  
「ん゛っ、ん゛ん゛っ」  
 そして舌に気を取られて動きが止まったシルビアを、オッレルスは一息に分身で貫いた。  
 腰がバチンと打ち付けられる……だがその一瞬前に先端が同じ固さの肉とぶつかる衝撃にオッレルスは痺れた。  
「く、ぅお」  
 シルビアと合わせた唇から我慢の声が漏れる。流石に一刺しで逝ってしまっては彼女に申し訳が……。  
 しかし、  
「ふん゛ぅ」  
 オッレルスの声と重なる様にシルビアも声を漏らす。だがこちらは歓喜の呻き――奥の奥までミッチリとオッレルスを感じた瞬間、その彼が逝きそうな雰囲気を感じてもう我慢は要らないと悟ったのだ。  
(い、く……)  
 シルビアは躊躇わず逝った。  
 それに伴いシルビアの中がギュッと締まる。的確に、絶妙なポイントポイントを締めあげる。まるでオッレルスを搾るためだけに有るかのように。  
「あ゛」  
 オッレルスの中で何かが弾けた。それは分身の中を明らかに存在感を主張しながら駆け上がる。  
 瞬く間も無く駆け上がり、先端をミリッと押し拡げると――、  
「「ん゛、ん゛、ん゛ん゛」」  
 
 吐き出す快楽と満たされる快楽に2人のくぐもった嬌声が合わされた唇から漏れる。  
 やがて腰のしゃくり上げが止まるとどちらとも無く唇を離した。  
「俺……」  
 オッレルスはすぐにでもシルビアに我慢出来なかった事を謝りたかった。  
 だがシルビアは、  
「アンタ……最高だよ……だから……ね♪」  
 かくして――、  
「うむっ……」  
「あふ、あ、ぅ、ぶ」  
 共食いするかのようなキス。  
 ベッドの上で胡坐をかいたオッレルス。その腰に向かい合う様に座ったシルビアは、天を突く肉槍に刺し貫かれる。  
 グチュグチュと響くのは結合部から洩れ出る愛のメロディー。  
 そして2人は互いの全てを貪り合った。月明かりの差し込む寝室で、やがてその狂態をみかねた月が姿を隠すまで……。  
 
 
 
 シルビアは目を覚まして真っ先にベッドの隣をまさぐった。  
(……居ない)  
 続いて窓に視線を移せば、オッレルスが窓を開けた側でこっくりこっくり船を漕いでいる。  
 その姿にキッとまなじりを吊り上げたシルビアはオッレルス目がけて枕を投げつけた。  
「ぐはッ!! シ、シルビア、起きたのかい?」  
「起きたのかいじゃないこの大馬鹿野郎!! 何でアンタは私の側じゃ無くてそんな所に居るんだ!!」  
「い、いや、ちょっと夜風に……」  
「つべこべ言ってないでこっちに来いッ!!」  
「は、はい、すいません」  
 シルビアの剣幕は凄まじく、言う事を聞いても聞かなくても酷い目に会わされそうな雰囲気だが、かと言って逆らえる筈もなく……。  
「お、お手柔加に……」  
 そい言って所在無げにベッドの上に正座するオッレルス。  
 そんな彼を睨み付けたシルビアは、次の瞬間体に巻いていたシーツを捻り鞭のように振るうとオッレルスの首に巻き付けたのだ。  
「!!」  
 何のリアクションも取れないまま引き寄せられたオッレルスは、  
「ん゛!?」  
 乱暴にシルビアに唇を奪われた。  
「クソッ……何でこんな大馬鹿……」  
「……シルビア」  
 オッレルスに抱き締められたシルビアはそれ以上何も言わない。  
「お前は俺の最高最強の相方だ……。これからもよろしくな……」  
 
 
 
END  
 

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