ある山に赤鬼が住んでいました。こわ〜い外見をしていますが、人間たちと仲良くなりたいと思っています。
赤鬼「はぁ…あの子と仲良くしたいけど、僕は鬼だから怖がられるかも知れないな…いや、諦めちゃだめだ」
『こんなナリですがまだ子供です。君たちと仲良くしたいです。紅茶とクッキーを用意しているので遊びに来てください』
家の前に看板を立ててみましたが、だ〜れも来てくれません。
いん「お菓子!食べ放題かな、行ってみようよ!」
もえ「だめですよー!いんちゃんは可愛いから、きっと食べられちゃいます。君子危うきに近寄らず、です」
赤「何故だ、何故分かってくれない!僕はただ、君たちと話がしたいだけなのに!クソ、こんな看板…!」
青鬼「荒れているようやなー、赤やん?ボクに一つ策があるんやけど、聞く?」
赤「あかg…青鬼!?さ、策とはいったい!」
なんと青鬼は、「自分が悪役になるから、キミは正義の味方になるんや」と言い出したのです!
当然赤鬼は反対しましたが、「トモダチのためやー。これくらいなんともないでー」と、押し切られてしまいます。
青「うっはー!ボク好みの子がぎょうさんおるでー!お持ち帰り確定やーw おらぁっ、その手離しぃや」
父「そげbっ」
いん「うわーん、おとーさーん!」
土「た、たのむー!義妹だけはー!」
まい「あにきー…!」
青鬼が村で暴虐の限りを尽くしているところに赤鬼がやってきました。
もうだめだ、誰もが思いましたが、なんと赤鬼が村人を守ろうとしているではありませんか。
赤「待て!これ以上の悪さは許さない!(すまない、親友!)いでよ、イノケンティウス!」
青「うーわー。やーらーれーたー(頑張れよ、親友)」
青鬼を追い返したということで村人に受け入れられた赤鬼でしたが、あれ以来青鬼の姿を見ていません。
不安になり青鬼の家に行くとそこには、
『ボクと一緒にいると、またキミに疑いがかかるかも知れへん。ボクは旅に出るで。村の人と仲良ぉな』
『もう会えへんやろうけど、ずっとトモダチや。気張りや、心友』
置手紙だけが残されていて、青鬼の姿はありませんでした。
赤「くっ…僕は…僕は…うっ…うあぁぁあ…あああぁぁぁああぁあ!」
言葉のとおり、二人が会うことは二度とありませんでした…