真っ暗な室内。その室内のベッドの上で絡み合う2人の影が窓から差し込む微かな光に浮かび上がる。
衣擦れの音と荒い息遣いだけが聞こえていたその中に少女のか細い声が……。
「んっ、ね……、はまづら」
艶を含んだその声に、全裸の少女を組み敷く様にして豊かな膨らみを一生懸命に唾液塗れにしていた浜面仕上は顔を上げた。
「どうした? 痛かったか?」
胸を吸い過ぎて真っ赤に腫れ、そこに浜面自身の唾液が塗されヌラヌラと光る唇。その淫卑な姿が何故か愛おしい――滝壺理后はそう思いながら、
「右ばっかり……左も……」
そう言ってまだ手付かずの乳房を持ち上げる。
「お、そうか」
言われるままに左の乳房にかぶり付き、既にしこっていた乳首を舌の腹で押し潰す様に転がす。
「ん、ふ、ん」
やがて左右の乳房とも真っ赤になるまで舐め上げた浜面は、
「なあ滝壺」
「……ん、入れる?」
「いや、その前に……」
と急に言いにくそうに視線をさ迷わせた少年の姿に滝壺は頭を持ち上げて、
「何? はまづら」
「あ、うん……」
「言って」
静かだが有無を言わせない空気を感じて浜面はやっと重い口を開いた。
「……見ていいか? あ、いや、べ、別に嫌なら……」
恥ずかしいやら何やらでしどろもどろになりながら、それでもそっと太もも内側を撫でた浜面。その行為に滝壺は頷いて、
「はまづらが見たいって言うなら」
「ホ、ホントか!? あ、いや、ごめん……」
「大丈夫だよ、はまづら。ね……」
一見浜面への言葉の様で、実は滝壺自身火が出る程の恥ずかしさを押し殺すため――そして滝壺は顔を背けると自ら脚を開いた。
大事な部分を無防備に晒し、今はそこに息遣いを感じる。心臓が張り裂けんばかりの恥ずかしさ。
「どうかな? 他の子と変わらないと思うけど?」
しかし浜面から返事は無い。
「ね、はまづら。もういいでしょ? はまづら、そんなに一生懸命見たって面白くないでしょ? はまづら、ね、キスして。胸を触って。はまづら、ねえ、はまづらってば……」
一抹の不安があっという間に膨らんで、らしくも無く饒舌になる。嫌われるのでは、浜面をがっかりさせたのでは……だかそれは敏感な部分をヌトっとなぞり上げられた事で一気に吹き飛んだ。
「ひッ!?」
顔を上げれば股間に顔を埋める浜面と目が合う。
「駄目ッ! はまづらにそ、や、させるため、見せた、ん、じゃ、は、ん、な、くふっ」
珍しく言葉を乱れさせる滝壺の姿に浜面は興奮した。もっと聞きたい――その思いが舌先の動きを更に激しくさせる。
だが滝壺としては恥ずかしいから聞かせたくない。
「ん、ん、ん、ん、ん、ん」
自ら口を塞いで声を押し殺す滝壺。しかしそれは直ぐに浜面に気付かれてしまい、腕を引き剥がされてしまう。
「や、だぁ」
「滝壺、お前の声がもっと聞きたい……」
「はま……」
浜面は最後まで聞かずに再び滝壺の秘所に唇を付けた。
「あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、あああああああ……」
今度は口を塞がずに、我慢する為にシーツをにぎりしめるが、
「だめ、だめ、だめ、だめだめだめだめだめだめだめだめだめ……」
押し上げる様な高揚感に自然と零れる声は何を否定するのか。太ももで浜面の顔を挟みその髪をグシャグシャに掻き混ぜながら嫌々をする様に首を振る。
やがて体を縮める様に丸めた滝壺は、
「はあッ」
ビクッと体を震わせたかと思うとぐったりとベッドに四肢を投げ出した。虚ろな瞳で快楽の熱が退くのを待っていると、
「はあはあはあはあ……」
「どうだった?」
デリカシーの欠片もない浜面に、滝壺はけだるげな流し目を向けた後、
「……いじわる」
その瞬間浜面は脳天に雷が落ちた気がした。可愛い、今の滝壺は当社比二〇〇倍は可愛いくて、そんな滝壺を……、
「滝壺ぉ!!」
浜面は荒々しくのしかかるといきり立った自身を滝壺の秘所に押し付けた。
その余りの豹変ぶりに滝壺は慌てふためいて、
「はまづらぁ!? わ、私、まだ逝ったばか……」
「駄目か?」
そう聞かれて断るはずが無い事は浜面も知っているのに、
「……いじわるっ」
「ごめっ」
謝るならしなければいい、でもしたくなってしまう……それもこれも好きだから、愛しているから。
そしてそれはちゃんと相手にも伝わっていて、
「大丈夫だよはまづら。ホントは私、嬉しいから……」
恥ずかしげにそんな事を言われると、また悪戯心に火が着いて……、
「今なん……」
て言った――そう言い切る前にキスをされた。
「分かり切った事を聞き返すのは格好良くないよ? 男は黙って行動あるのみ」
滝壺の言葉……浜面はその言葉を素直に実践した。すなわち――、
「ああッ!! はまづらッ!! いいッ、いいよッ、突いて、もっと強くッ、吸って、ああッ、いい、いい、もっと、もっとぉぉッ、好きッ、はまづらッ、大丈夫、はまづらの好きにぃィィ――――」
無言でガンガン突き上げられた滝壺はあれもなく自分を曝け出していた。
その行為は滝壺が許容を超えた快感にむせび泣いても止む事は無く、意識を無くしてしまうまで続けられたのだった。