湾内さんと泡浮さんからの情報ですが婚后光子に彼氏ができたそうですの。  
「へぇ。婚后さん美人だもんね。その彼氏はどんな人なの?」  
婚后光子を美人だと称えるお姉様の感性突っ込みたいところですが  
私も婚后光子と付き合うような人間がどのような方なのか興味がありますの。  
「婚后光子とその恋人はいつも放課後の公園で待ち合わせしていると聞きましたの」  
 
 
婚后光子がそわそわしながらベンチに腰掛けて恋人を待っているのをお姉様と私が茂みから覗いていると  
公園の入り口から黒髪ツンツン頭の殿方さんが駆け寄って来るではありませんか。  
私がお姉様をチラッと見ると例の如く電流がビリビリと漏れ──これ以上説明する必要はありませんの。  
「悪い悪い、待ったか」  
「そんなことありません。今来たところです」  
婚后光子は扇子で赤く染まった頬を隠してお決まりの台詞を言いましたの。  
そして、私の隣にいるお姉様が怒鳴り声を挙げながらどういうことなのよゴラァァァァと飛び出しましたの。  
ここで私がとるべき行動はお姉様の経歴に傷がつかないようにテレポートでお姉様をどこかへ飛ばすべきなのですが  
後日、殿方さんはお姉様にお仕置きを喰らうと予想できますのでこのままことの成行きを見守る方向でいきますの。  
 
「当麻様は白井さんと御坂さんとお知り合いでしたの?」  
相変わらず空気を読めずに呑気な質問をする婚后光子を尻目にお姉様は  
私の友達に手を出すなんて良い度胸ね!!と電撃を飛ばしていますの。  
殿方さんは知り合いというか腐れ縁というか白井!! こいつを止めてくれと仰りますが  
今の状態のお姉様を止めることは私では無理ですの。  
よって、お姉様と殿方さんを放置して婚后光子と会話を続けますの。  
「婚后光子は殿方さんとどういった経緯で知り合いましたの?」  
「うっふっふ。白井さん、私と当麻様の運命の出会いを聞きたいと仰るのですね。  
それでは聞かせて差し上げましょう。私と当麻様の出会いを」  
高々と宣言しながら婚后光子は殿方さんと出会った時の話を始めましたの。  
 
 
婚后光子の話を簡単にまとめると不良に絡まれいた婚后光子を殿方さんが助けたというわけで  
またかこの野郎とお姉様の冷たい視線が殿方さんに突き刺さりますの。  
ちなみに電撃も放出していますの。  
本当に殿方さんは修羅場というものが似合うというかざまあみやがれですの。  
お姉様と結ばれるのも許しがたいことですがお姉様を傷つけることも許しませんの。  
今回は……いえ、今回も修羅場にあって不幸だ―と言っていればいいですの。  
 

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