9月4日(木曜日)…
シェリークロムウェルが学園都市に攻め込んできてから少し後の昼休み…ツンツン頭の少年、上条ははじめての幸運に心を震わせていた。
「いや〜上条さんは今日は幸運ですね〜まさかお金(10円玉)を拾う日が来るとはもうびっくりですよ〜」
上条は昼休みに外に出てみると、道で10円を拾った。
普通の人ならそんなに喜ぶ事ではないかもしれないが、上条は不幸体質である。
記憶を失ってから財布を落としたことは、10や20じゃすまないが、逆に拾うことは初めてだった。上条がまるで100玉を拾った小学生のように大喜びしていると、後ろから声をかけられた。
「あっ上条ちゃーん上条ちゃんに言い忘れてたことがあったのですよー」小萌先生が子供のように両手をふって上条を呼んでいた。
「小萌先生…なんでせうか」上条の長年の不幸に対する勘が、警告をあげていた。
「今日は用事があるので、先生は上条ちゃんの補習できないのですよー」
上条は小さくガッツポーズをした。だがこの世はそんなに甘くは無なかった。
「じゃっじゃあ今日は補習はなしでせうか?」
「まあそれでもいいんですけどねーでもそれだと上条ちゃんの進学は本気でやばくなってしまうのですよー
なので今日はほかの先生に頼んであるのですー」
上条はバカである以前に、不幸体質である、ただでさえ学校を遅れたりすることも少なくない、
その上、上条は今年魔術師だの学園都市最強だのに、巻き込まれて入院しまくっている。
もう冗談じゃすまないレベルで進学がやばいのだ。
「えっじゃっじゃあそのありがたい先生はどなたでせうか?」
上条はこの時点で、どうせ災誤なんだろう…こんちくしょう…不幸だ…と考えていたが、小萌先生から、予想もしない名を告げられた。
「黄泉川先生ですよー先生は初め災誤先生に頼もうと考えていたのですが、黄泉川先生が「私がやるじゃん!あの少年に聞きたいこともあるじゃん」っていってくれたのですよー
「そんな…黄泉川先生って警備員(アンチスキル)の仕事で入院してて退院したばっかりじゃなかったでせうか…大丈夫なんでせうか」
「大丈夫だっていってましたよーっていうより上条ちゃんのほうが無茶してたって先生はきいたんですよ…
ホントに上条ちゃんはいつも怪我ばっかりして」
『キーンコーンカーンコーン』その瞬間昼休みの終わりを告げるチャイムが鳴り響いた。
「まあわかりました。黄泉川先生ですね」上条は小萌先生の話に入り込んで無理矢理終らせて教室へ戻っていった。
放課後、教室に残っている生徒は上条だけだった。いつもは土御門と青髪ピアスも一緒なのだが、
土御門は学校を休み、
青髪ピアスは「小萌先生やないと受ける意味無いやん…かみやんガンバッ」と走り去っていった。
「それじゃ少年…補習を始めるじゃん」
黄泉川が自分から上条の補習を志願したのは理由があった。
9月1日から昨日まで黄泉川は病院に入院していたので、聞けなかったが、テロリストが侵入してきた理由を上条は知っているようだった、
それ以前にテロリストが狙っていたのは上条、変な服を着た少女、虚数学区の鍵、いずれも上条の周りにいた。
そして誰かを助けようとする時の上条の行動力、勇気、勘、あれは決して普通の生活を送っている高校生にはありえないものだった。
おそらく修羅場を幾つか経験しているはずだ。
黄泉川は、何故か上条の事が無性に気になった
黄泉川は上条に聞きたいことがたくさんあった。
だがそれを聞く前に言っておかなければならない事あった。
「あっ補習の前に言っとくじゃん」黄泉川は上条に深く頭を下げて、
「ありがとう…少年がいなきゃ私も私の部下も皆死んでたかもしれないじゃん」
上条は一瞬驚いた顔をしたが、いつもの彼では見れないような真面目な顔に変わり、
「いえ…顔を上げてください…先生たちがいなかったら、狙われてた俺や風斬、インデックスが死んでたかもしれません
…こちらこそ助けてくれてありがとうございました…」黄泉川が顔を上げると上条は笑顔だった。それはやさしい笑顔だった。
黄泉川の鼓動が無意識のうちに高まっていった。
「じゃあそろそろやるとするじゃん英語の教科書だしてP115をあけるじゃん」
少し顔を赤らめていたが、彼は鈍感なので気付かない。
「えっ…なんでせうかこの長文は…」
(やばい、やばすぎる、全く分からん…補習がこんなに難しいって反則じゃないでせうか)
上条にとってしんどい補習が始まった。
「もうこんな時間じゃん…時間が経つのは早いじゃん」
補習が始まってから2時間ほどたっていた。
黄泉川が教えるのがうまいのか、それとも上条がこれ以上なく真剣にやっているのか、それともその両方かは分からないが
いつものペースなら3時間ほどかかるところを2時間で終わらせれたので上条は普通に驚いている。
「そういえば何で黄泉川先生は体育教師になろうとおもったんですか、先生の教え方すごくわかりやすいと思うんですが」
上条は素朴な疑問を聞いてみた。
「ほかの教科じゃ生徒しごけないじゃん、だからじゃん」
上条はその時確信した…この人はSだと
「じゃあ今日の補習はこれで終わりじゃん」
黄泉川は補習を引き受けた初めの理由をわすれかけていた。
補習で初めは全然分かっていない上条に一からをしえていたので結構疲れていたからかもしれない。
「あっしまったじゃん…小萌先生に『わたしといてくださいねー』って渡されたプリント、職員室に忘れてたじゃん、とってくるから待ってるじゃん」
「あっそれなら職員室前でもらいますよ、待つのひまですし」
待つのが暇というより実は補習が終わったので、早く帰ってスーパーで買い物をしたいからなのだが。
「じゃあいくじゃん!競争じゃんよ」
「つまんないじゃん」
黄泉川は競争しようと言っていたのだが、上条の「先生怪我治ったばっかりじゃないですか、危ないですよ…」
と言う上条の正論に負けて二人並んで廊下を歩いていた。
「そういえば、うちのクラスのやつが昨日に上条が不良に追いかけられてたって今日いってたじゃん…何があったじゃん」
「あーそういえば昨日追いかけられましたね、でもそんなのは上条さんの日常の一つなので気にすることはありませんことよ…」
上条が少し寂しそうな苦笑いを浮かべてそういった。黄泉川は上条がそんな表情を浮かべるのが悲しかった、なぜだか分からないがいつも笑顔でいて欲しいなと思った。
それから一分二人は無言だった。
「上条はどうして学園都市に入ったじゃん」
黄泉川はこの空気に耐え切れなくなり軽い気持ちで適当に上条に質問した。
「う〜ん秘密です…親父から聞いただけで…自分はあまり覚えてないですし…」
上条は何げなく時計を見た。そして気付いた、少し急いでスーパーにいったら卵の特売に間に合うということに。
「先生すいません、ちょっと急いでいいですか今なら特売に間に合いそうなんです!」
「あ、ああ、いいじゃんよ…じゃっ走って競争じゃん!『ええそこまでいそがなく』よーいスタート!」
上条は駆け足で行こうと考えていたのだが、黄泉川が走り出したのであわせて走った。
二人のスピードはほとんど一緒だったが、スタートの差で黄泉川がリードしていた。
しかし階段を走って登っている時に、黄泉川の足が急にふらついた。
やはりまだ体が本調子ではなかったのかも知れない。
「やばっ」黄泉川が危機感を感じた瞬間、足を躓かせ黄泉川の体が中にういた。
黄泉川は目をつぶった。やはり調子が悪いのか、受け身をとろうと体が動かない。
その瞬間黄泉川は誰かに優しく抱きしめられた。
誰かは、すぐ分かった…この場所には自分のほかには上条しか人がいない。
その瞬間黄泉川は、気を失った。
上条は黄泉川から一メートルくらい斜め後ろにいた。
「やべえ…」黄泉川が足をふらつかせているのが見えた、
そしてその直後落ちてきて気付いたら自分の斜め下にいる。違和感を感じた。黄泉川が気を失っていることに気がついた。
上条が真後ろにいたなら止められたかもしれないが、そんなことも言ってられない。
「うおおおおおおおおお」
気がついたら上条は飛んでいた。腕を掴み引っ張りそして一瞬のうちに黄泉川の頭を庇いつつ自分がクッションになるように体勢を入れ替えた。
上条と黄泉川は階段から転がり落ちた。
気がついたら黄泉川は、階段の下にいた。
(あれ…あそこから落ちた割には、衝撃が少なかったじゃん)と一瞬、黄泉川は考えたがすぐに何故か分かった。
上条が下にいた。自分の頭をまるで頭を撫でるかのように優しく右手で庇い、左手は何のラッキーか黄泉川の胸を包んでいた。
「ああ…助けてもらったじゃんか…」
上条に触られている所が妙に熱く…気持ち良い…こんな事は初めてだな…と思ったとき自分の顔が液体で濡れていることに気がついた。
触ってみると、赤かった。
恐る恐る上条の顔を見た。
上条は頭から血を流して、気を失っていた。
「かっ上条…だいじょうぶじゃん?上条…上条おおおおおおお」
〜四時間後〜
「また入院か…不幸だ…」
夜10時時、上条当麻は4時間ぶりに目を覚ました。
「君は、本当によく入院するねえ」カエル顔のあの医者が上条の顔を覗き込んで言った。
「そういえばインデックスちゃんと、赤髪の神父さんがきて手紙を君に置いていたよ。これだね」
「はあ、ありがとうございます」上条は封筒をやぶいて、手紙を取り出した。
『とうまへ、とうまはまた誰かのために無茶をしたんだね!もういいかげんあきれてくるかも!…それと、ステイルが来て私の知識がいるって
イギリス清教から、呼び出しがあったんだよ!初めはとうまも一緒に行くつもりだったけど、とうまは入院してるからステイルと行く事になった
んだよ!!一週間で帰ってくるかも!あ…けっして、イギリスに行ったら好きなだけご飯が食べられるって聞いたからじゃないんだよ!
PS 私は心配したんだから、帰ったらおぼえてるんだよ!』
(これステイル大喜びだろ…)と上条は思った。まあ実際ステイルは喜んでいたのだが…
「よく考えたら、明日から久しぶりにベットで寝られるじゃねえか…あ…でも退院できるかな…」上条家では、上条はいつも風呂場で寝ている。
まあインデックスはベットで寝ている時いつでも上条のスペースを開けているのだが…上条はインデックスが来てから、ベットを使った事が無い。
「ああ、あと君の怪我だけどね応急処置完璧だったし、まあ一応頭の怪我だからキチンと調べて、明日の夕方には退院できるね、じゃあ」
そういってカエル顔の医者は病室から出ていった。
「はあ…ありがとうございました」上条は一応上半身を起こして頭を下げた。
「…そういえば黄泉川先生大丈夫だったかな…胸、見た目よりでかかったな」
実は落ちた直後は意識があり手の感触を覚えていた。上条は健全な男子高校生であるわけで、そんな感触を思い出したら最後顔がどんどん赤くなり
ついでに体の一部も大きくなる。
「はあ…こんなこと、考えてる場合じゃねえだろ、俺」そう呟きながら上条は眠りについた。
「これが黄泉川先生の家か…でかすぎる…小萌先生の家の何倍あるんだよ」
上条は退院後すぐ黄泉川の家(マンションの部屋)の前に来ていた。ここで黄泉川にここで勉強を教えてもらうのだ。
なぜそうなったかと言うと
上条の退院の1時間前、黄泉川は病院に来ていた。
「上条…大丈夫じゃん?私のせいでごめんじゃん…あと助けてくれてありがとう」
黄泉川は今にも泣き出しそうな顔でいった。
その顔を見た上条は胸が張り裂けそうになった。なぜかはまだ彼にはわからない。
「先生のせいじゃないですよ…もともと急ごうって言った俺が悪いんですし、俺、体だけは丈夫ですからあと1時間で退院です」
できるかぎりの笑顔で上条は言った。黄泉川のそんな顔を見たくなかったからだ。
「本当にごめんじゃん…あっそうじゃん退院したら私ん家来るじゃん、家で今日の授業と補習分教えるじゃん、あとお礼とお詫びに飯も食っていくじゃんどうせ夜まで居るんだし、一人分も二人分もてまは一緒じゃん」
黄泉川は笑顔に戻り上条にとっては嬉さ半分嫌半分の提案をした。
「嬉しいです。でもそんなのいいんでせうか…」上条は実はメチャクチャ嬉しかったがちょっとだけ理性が邪魔をした。
「いいじゃんいいじゃん、子供はそんなの気にしちゃ駄目じゃん、じゃ家で待ってるじゃん」
黄泉川は凄いスピードで書いた地図を上条に渡し病室からでていった。
そして上条が退院してすぐに探して今にいたる。
『ピンポーン』
上条がチャイムを鳴らすと中から黄泉川が出てきた。黄泉川は私服…ではなく、いつもどうりのジャージを着ていた。
だが、学校で見るより少し綺麗で色気があるように感じる。
「おお上条!まってたじゃん!さあ中に入るじゃん」
「おじゃましまーす」
上条は中に入って驚いた、ロリ担任の部屋とは比べられないくらい片付いていて綺麗だ。
「おお…部屋綺麗ですね」上条が呟いたら、
「上条が来るからちょっとだけ掃除したじゃん」と黄泉川が微笑んでいった。
「まっじゃっそろそろ勉強始めるじゃん…」そういわれた瞬間上条は疑問に思った。
(そういえば、普通の家に黒板は勿論、ホワイトボードもないよな…どうするんだ…)
「じゃっ上条ここに座るじゃん」黄泉川が言った場所はイスが二つに大きい机が一つしかなかった。
(えっ…これって)上条が恐る恐る座ると、黄泉川が普通に横に座った。
(近いですって…近くで見たらさらに胸でかく見えますって、俺、顔赤くなってないよな…やばい…手がふるえてきた)
普通の男子高校生ならあたりまえの反応だが、上条は手が震えるレベルで緊張していた。だがそれは黄泉川も同じだった。
(やばいじゃん思ったより全然近いじゃん、思ったより体つきがっしりしてるじゃん、やばい顔火照ってきたじゃん)
黄泉川も上条も顔が赤くなってきている。
顔を見るのは恥ずかしいので黄泉川は上条の右手をみた。その手は震えていた。黄泉川は気付いたらその右手の上に自分の手を重ねていた。
「なっ先生…」(やばい…手が震えてるのばれた?)
「やっぱりこんな美人の先生と二人っきりじゃ緊張するじゃん?」
上条の手を触ると黄泉川の緊張は引いていった。上条も触られたらすぐに震えが止まった。
だがすぐに上条の右手に違和感を感じた。
(…何か普通と違うじゃん?)上条の右手をとり、袖をめくってみた、違和感の正体がすぐに分かった。
見なければ良かったと少し後悔した。
上条の右手は肘にかけてズタズタだった。
右手全体に切り刻まれたかのような跡が残っており、指の皮はめくれた跡だらけ、爪もほとんど剥がれた跡が残っている、掌は傷が重なりすぎてボロボロになっている、手だけでこれなのだ、身体中の傷の数は数え切れないほどあるだろう…
上条は初めドキドキしていたが、すぐに傷を見られていると気付いた。
「上条…何があったじゃん…」
黄泉川も一応警備員として、少しは学園都市の裏側をしっている。いろいろな怪我もしてきたし見てきた、
だがどんな事をされたらこんな傷がつくのか黄泉川でも考えられない。
「ああ〜この傷はですね、小さい時に出来た傷なので覚えてないんですよ、まあ心配しないでください」
上条はどうやってごまかすか迷ったが、自分が今思いつく限り一番怪しまれないようにぎこちない笑顔でごまかした。
だが上条はこの傷がどうやってついたかは知らないし、ある意味嘘では無い。
しかし黄泉川は警備員の経験のおかげで、
最近の傷か、昔の傷かぐらい見分けがつく、この傷が最近ついたものであることぐらいすぐに気付いた。
(やっぱり言ってくれないじゃん…やっぱり暗部がらみじゃん?)
黄泉川は悲しい気持ちになった、まだ暗部がらみか決まったわけじゃないが、上条が何かに巻き込まれているようだ、
まだそんなに付き合いは長くないが、黄泉川も暗部の事は少し知っているので相談して欲しいと思った。
「……そうじゃんか…まあ何かあったら私に相談するじゃんよ…じゃあ教科書117Pあけるじゃん」
また食事の後にでもゆっくり聞いてみようと考えた、さすがに問い詰めて暗い空気で勉強を教える気にはならない。
「〜だから〜〜〜になるじゃん」
黄泉川は初めの緊張が嘘のようにリラックスして教えていたが、
(やばいですって、近いですって、ひじ…胸にあたりそう…息があたる…)
ごまかした後上条はすぐに元に戻りやっぱり集中して出来なかった。
「はあーじゃ今日のところはこれで終わりじゃん」
夜八時上条はやっと今日習った範囲まで勉強できた。
本当は7時半ぐらいの予定だったのだが手が触れる、胸に肘があたって無言で二人とも赤面したり
とくに上条がなかなか集中できず、まあ男子高校生なら当たり前なのだが…
「結構遅くなったじゃん…今日のご飯はハンバーグじゃん」
上条はご飯を御馳走になるというコトをすっかり忘れていた。
「大好物ですことよ…でも本当にご飯頂いてもいいんですか?…二人で?」
こんな事を言っているが実は結構嬉しく楽しみにしていた。
女性の手料理なんて上条は初めてである。
母親に作ってもらった記憶も消えているし、あの居候が料理なんて作るはずが無い。
「いいじゃんいいじゃん子供が細かい事気にするなじゃん、まあすぐできるじゃん」
黄泉川が台所でテキパキと材料を切って肉をこねて料理の下ごしらえをしている、全て切り終わった直後彼女は炊飯器を取り出した。しかも3個
そしてそれぞれの炊飯器に米、野菜、ハンバーグ、デミグラスソース、ジャガイモを入れてスイッチを押した。
上条は結構料理が得意である。料理本もたまに立ち読みする。
しかし炊飯器を一回のご飯で3個も使うなんて聞いたことが無い
学園都市の炊飯器は凄まじく性能が良い、10分程度で白米が炊き上がるし、色んな料理も作れる。
しかし上条は一回の食事で3個も炊飯器を使うなんて見たことも聞いたこともなかった。
「炊飯器…多いですね」
上条が聞いてみると
「炊飯器が一番手っ取り早くて好きじゃん」とのことだった
「出来たじゃんよー煮込みハンバーグじゃん」
黄泉川はできた料理を上条の前に並べていく、上条の目の前の料理は炊飯器で作ったとは思えないほど美味しそうだった。
「おお…こんな美味しそうな料理を食べさてくれるとは…上条さんは感激でございます…」
上条が涙目になりつつ、子供のように両手にナイフとフォークをもってうきうきしている。
ちなみに勉強中は教えにくいので隣に座っていたが、食事は向かい合わせで食べるようだ。
「上条は何飲むじゃん」黄泉川が冷蔵庫を探りながらいった。
「あっ何でも結構でせう」
「じゃあこれで良いじゃんね」
「良いですよー」見もせずに上条は言いながら振り向いた。
見るからに冷えてそうなビールを瓶で3本とコップ2つもっていた。
それは違いますよね、黄泉川先生が飲むやつだよねーと考えていたが黄泉川はそれを机の上に並べて
そのうちのコップ一つとビール瓶を上条の方に置いた。
「じゃあ、食べるじゃん」
「…あのー先生…これは…」上条はビール瓶を指差していった。
「何でも良いって言ったからビールじゃん…駄目じゃん?」
黄泉川が教師とは思えない事を不思議そうに言った。
「…まあ未成年なんで遠慮しときます」上条が苦笑いしながら言った。
結局上条はウーロン茶、黄泉川はビール3本飲んだ後ワインまで飲んでいた。
続く