「…ここが、あなたの言う人が住んでいるところ?」  
「あァ」  
「…ねぇ、本当にミサカはこれからここで暮らすの?」  
「…心配はいらねェよ、あいつらならテメェみたいのでも喜んで預かるだろォよ」  
「…ねぇ、やっぱりあなたと一緒「ダメだ」……何でよ」  
「何度言やァわかるンですかァ? …俺はこれでも『暗部』の人間だ、足手まといは邪魔だってンだよ」  
「…………勝手に死んでろ、バカ」  
「それにあいつらと一緒にいりゃァテメェのそのねじ曲がった性格も少しはマシになるンじゃねェか?」  
「……第一位よりはずっとマシだって、あひゃひゃ!」  
「ヘッ…そォですかァ。 …まァ、警備員と『妹達』にかかわった科学者が一緒だ。何かあっても大丈夫だろ」   
「…………ねぇ、」ギュッ  
「…あァ?」  
「……………その人達、ミサカに優しくしてくれるかな……………」  
「………(『科学者』、か…地雷踏ンじまったか?)………安心しろ、あいつらなら信用できる」  
「………うん」  
「…とりあえず、先にガキが行って色々事情は説明してくれたハズだ。難しく考えるこたァねェよ」  
「…うん」  
「ほら、着いたぜェ」  
 
ガチャ  
 
「さぁ〜ん!!」  
ドアの向こうにいたのは、某世界の人のごとくおもいっきり変な顔をした警備員だった。  
 
「悪ィ部屋間違えたみてェだ」バタン カツカツカツ「ちょ、ちょっと…手…!」  
バン ドドドド「ま、待つじゃんよ一方通行! 冗談、ちょっと脅かしたかっただけじゃんよ!」  
「すンませン部屋間違えましたァ。人違いですゥ」  
「わ、悪かったって言ってるじゃんよ、だから………もう、これでどうじゃん!」グイッ   
「なっ、オイ…っ!」  
「どうじゃんよー、このボリュームは私以外にないじゃん?」  
「テッ、テメェこの、離しやがれ!」  
「嫌じゃんよ、やっと会えたのに簡単に離すわけないじゃん! 一方通行も久々なんだからたっぷりと味わえばいいじゃんよー」  
「な、何が久々…っっ!!」  
凄まじい殺気を感じ、とっさに一方通行は黄泉川を突き飛ばす。  
直後、さっきまで二人がいた場所−−−正確には黄泉川のいた場所に、数本の釘が突き刺さった。  
「…な、何しやがる番外個体…!?」  
その攻撃の主の方を見た一方通行は、思わず絶句した。  
そこにいた少女から発せられる気配。それは周り全てを凍えさせるように鋭く、それでいて凄まじい熱さを感じさせるものだった。  
そう、それはまるで。  
あの雪原で、初めてその少女に邂逅した時のような−−−  
「ねえ、一方通行。  −−−その人、誰?」  
 
 

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