コスタリカの内線は、ステファニーにとって初めての地獄となった。
ステファニー達傭兵部隊は頭上から大量のロケット砲を浴びせかけられる事になったのだ。
寄せ集めの部隊は即日壊滅した。
仲間は皆、死体どころか、依頼主から支給された借り物のドッグタグも残らないような状態になった。
ステファニー自身五体満足でいられるのが奇跡と呼べるような状況だったが、その唯一の生存は自らの手で掴み取ったものではなかった。
大口径の対戦車ライフルが攻撃ヘリの燃料タンクを貫いたのだ。
それが砂皿緻密との出会いだった。
傷ついた彼女は砂皿に拾われ、命を救われた。コスタリカの内戦が終わってもステファニーは砂皿についていくことにした。
それは単純な憧れでもあったし、強いヤツの側にいる事が傭兵として生き残るための術だという打算的な考えがあったのも否定できない。
そして様々な戦場に参戦していくにつれて、ステファニーはふと疑問に思ったのだ。
彼女の方はともかく、砂皿にとっての利益は何なのか。
砂皿緻密というスナイパーは、元々チームを作らずに一人で行動する傭兵だ。味方に足を引っ張られて窮地に陥ったのがその原因らしいのだが、ならば、なおさら新米のステファニーを連れて歩く理由はどうなる?
あの男が単に若い女を侍らせておきたいなどという動機でそんな真似するとも思えない。
その理由について砂皿本人に直接尋ねる事はなかったが、ステファニーは砂皿の何気ない言動からおおよその事を推測していく。
もしかすると砂皿はスナイパーという生き方に疲れているのかもしれない。
彼はその仕事柄、ほぼ確実に人を死なせてしまう。
一方で、ステファニーの本領は超至近距離まで接近してから行う高速戦だ。
そしてその方法には、『必ず敵対者を殺さなければならない』法則など存在しない。
その選択の柔軟性は、殺し一本の砂皿からすれば、羨むべきものだったのかもしれない。
ステファニーの行動パターンを分析すれば、殺さずに事を収める戦術の組み立ても可能となるかもしれない。
・・・・・・もしかしたら寡黙な彼はそんな事を考えていたのかもしれない。
そう思ったときステファニーはこの人を助けたいと思った。
「ありがとうございます。砂皿さん!本当に助かりました!」・・・思ったところで実現出来るかは別問題であり、今の所はもっぱら彼女が助けられる側である。
ステファニーは砂皿に心から感謝していた。とある華僑系グループに暗殺を依頼されたのだが、(地上の目標を攻撃するくせに)地対空ミサイルをぶっ放すという大雑把極まりない方法をとって失敗したのだ。
本来なら逆恨みされてもおかしくないのだが砂皿が標的を殺し直す事で事なきを得たのである。
「・・・・・・」当の砂皿は何も言わない。
「いや、だからごめんなさいって言ってるじゃないですか!もう狙撃について口出ししたりしませんから機嫌直して下さいよ!」
「・・・・・・不機嫌にもなるさ。貴様が馬鹿をやらかしてその尻拭いをさせられた挙句に報酬無しなんてな」
「わー!分かりましたよ!私がもらった報酬から支払いますって!」
「・・・・・・貴様は私が仕事でどれだけ金をとるか知らないのか」この男、紹介料だけでも七十万である。
砂皿に対する負い目から内面世界で空回りするステファニー。やがてステファニーはあらゆる感情を消したフラットな表情を作ると、極めてクールな調子で砂皿に言った。
「わかりました。足りない分は体で支払います」
「・・・・・・貴様は自分が何を言っているか分かっているのか?」一方、何だか妙にスワッた目つきのステファニーを見た砂皿は、内心ちょっと焦っていた。ヤバい。調子に乗って追い詰めすぎたかも?
「分かってます!自分で言うのもなんですけど容姿にはそれなりに自信あるんですよ。ベッドで一晩砂皿さんに尽くせばそれなりに価値はあるんじゃないですか?」
「・・・・・・、ふん」容姿に関して自信があるなら暗殺者なんてやっていないで、素直に舞台にでも立ってりゃ良いのに、と砂皿は思う。
「鼻で笑ったー!?私ってそんなに魅力無いですか!?」
「とりあえず落ち着け。貴様は恐らく正常な判断が出来ていない」
「私の恥をしのんでの申し出を何でそんな冷静に流せるんですか?何かムカツクじゃないですか!よ、ようし、分かりました。これから私の魅力を存分に見せつけてくれるわー!!」
その場で服を脱ぎ始めたステファニー。自ら言った通りのモデル体型とでも言うべき肢体が徐々にあらわになるが、変なテンションで脱いだ服を勢い良く床に叩きつけるとあっては色々と台無しである。
三十秒後、砂皿緻密の前でステファニー・ゴージャスパレスが一糸纏わぬ姿で仁王立ちしていた。
襲ってください馬鹿野郎と全身で表現していた。
「どうです!脱ぐと結構すごいでしょう私!」・・・・・・別に脱がなくても十二分にすごいのだが。
「見せつけるのは良いとして私にどうしろと言うんだ」あまりにもウェルカムすぎて逆に反応に困る。
「押し倒せよ!!そして抱け!!理性なんて失くしちまえー!!」というなり砂皿に抱きつくステファニー。
砂皿の顔が形の良い胸に埋まった。
歴戦のスナイパーもこれには面食らったらしい。そのスキをついてステファニーは砂皿のズボンに手を伸ばす。
「あ、何だちゃんと大きくなってるじゃないですか」
「・・・・・・私も一応男だからな」流石にこの状況で反応しないのはもう体質か性癖が異常な奴だけだろう。
「素直じゃないですね。私の事好きにして良いんですよ?」ね?と某バニー好きの無能力者辺りだったら鼻血を出しそうなほどキュートに同意を求めるステファニーは笑顔と共に砂皿に口付けた。
あまりの展開に頭が麻痺してきた砂皿はコイツを抱いてさっさと終わりにしようかと考え始めていた。
「んっ・・・」
唇を合わせ、じっくりと舌を絡め合う。
砂皿は手持ちぶさたな片手をステファニーの胸へと這わせ、それをゆっくりと揉みはじめる。
「ふぅ・・・んっ」 ステファニーは反応して思わず唇を離してしまった。
砂皿は、空いている方の乳房に舌を這わせ始めた。
「あ、ふぅっ・・・」
ステファニーの反応を楽しむように徐々に舌を登らせ、最後に一気に頂点の突起を吸い上げる。
「ひゃっ・・・ふぅぅんっ!」
一際高い声を発し、ステファニーの体が浮き上がる。
「貴様のこんな声が聞けるとはな・・・・・・胸、弱いのか?」
さらに強弱を付けて揉みしだきながら、囁きかける。
「は、んっ・・・」
ステファニーは顔を背けるだけで答えなかった。
「・・・」
両方の乳首を同時に指先で摘み上げると、さらなる嬌声とともに、ステファニーの体が仰け反った。
「私ばかり気持良くなるのは良くないんじゃないですか。」
心地よいその感触をいつまでも楽しむかのように胸の愛撫を続けていた砂皿だったが、
突然ステファニーが体を起こし、こう言い放つと砂皿の反り立つモノを掴むようにした。
「・・・・・・おい」
「今度は私の番です」
ステファニーは両手で砂皿の肉棒に刺激を与え始める。
「う・・・」
「ふふ、砂皿さんだって今にもはちきれそうですよ?我慢できずに垂れてきてるじゃないですか」
「・・・・・・最近はまともに解消する機会もなかったからな」
「あら、それなら都合が良かったじゃないですか」
なんだかんだで乗り気じゃないかとステファニーは内心で笑った。
砂皿を立たせたステファニーは、自らも咥えやすいよう膝立ちになり、その先端に舌を這わせる。
「うっ」
先ほどの仕返しとばかりに、しばらく弄ぶ。
「そろそろじゃないですか?…遠慮はいらないですよ」
砂皿のそれを咥え、唇と舌を使い緩急を付けて責め立てるステファニー。
「くぅっ、うぅ・・・」
上目で砂皿の反応を確認しつつ、空いた手で睾丸のマッサージを始める。
「くっ、・・・!」
砂皿の声に呼応してさらにスピードを早める。
「うっ・・・!」
声と同時に、砂皿の肉棒から白濁が迸った。
ゴホ、ゴホと数回咳をするステファニー。
その度、飲みきれなかった分の精液が口から滴り落ちる。
「・・・・・・悪かったな、大丈夫か?」
しばらくして、落ち着いたステファニーが笑いながら返す。
「想像以上でした。溜まっていたというのは本当のようですね」
「無理することはなかっただろう」
「ふふ・・・」
再び、砂皿の股間に手を伸ばすステファニー。
「さすがにまだ元気ですね・・・じゃあ」
自ら四つん這いの格好を取り、お尻を砂皿の方へと突き出す。
「・・・・・・よくやるな」
呆れたように砂皿はつぶやく。
ステファニーの秘裂は既に愛液で溢れていた。
中指と人差し指の二本でかき回しながら砂皿が言う。
「凄いことになっているな・・・・・・慣らす必要はなさそうだ」
「んっ・・・機会がなかったって点は、お互い様って事です・・・よ・・・っ!」
「・・・・・・」
顔を出していた陰核を軽く指で弾くようにする。
「ひぁぁっ!」
「挿れるぞ」
ステファニーがかすかに頷くのを確認し、砂皿は彼女の中に、自分のモノを突き入れた。
「やっ・・・あっ!」
一気に根本まで挿入し、ゆっくりと腰を動かし始める。
「はあっ、あ、あっ・・・」
徐々にペースを早めていくと、ステファニーの声も激しく、艶めかしくなる。
砂皿は、突き上げに合わせて揺れるその乳房を後ろから乱暴なほどに揉みしだく。
「あふぅっ・・・ひぁっ、あっ、ああっ!」
腰がぶつかる度にぐちゅっ、ぐちゅっと湿った音が周囲に響いた。
「やぁ・・・ああああんっ・・・!」
そろそろ限界を迎えそうだ。自分も、ステファニーの方も。
「そろそろ、出そう・・・だ」
「わ・・・私っ、も・・・もう・・・ひぁぁっ!」
「このまま出して・・・いいのか?」
「ええ、このままっ、このまま・・・中に・・・」
了解を取り付け、最後のスパートに入る。
ステファニーの奥の奥まで抉るように深く突き入れては浮かし、また突く。
腰を叩き付けるような勢いで、高速でピストンを繰り返す。
「ひぐっ、ふぁっ、あああっ、ダメ、もうダメぇ!」
「うぅ!」
「ああああああっ!」
二人はほぼ同時に絶頂を迎えた。
気が付けばお互いに汗だくになっていた。 七月の終わりに激しく行為をすれば当然である。
しかし不快感は無かった。むしろ行為の余韻で心地よかった。
「少しやり過ぎたんじゃないですか?」
「今さらだな」
「ふふ、それもそうですね」
「だけど気持ちよかったです。とても。今までで一番かも」
「・・・・・・そうか」
仰向けに寝転んだまま砂皿が答える。
「砂皿さんも満足できたみたいじゃないですか。良かった。」
そういうとステファニーは砂皿に抱きついたまま寝てしまった。
「・・・・・・」砂皿は呆れたが、起こすような真似はしなかった。
よくよく考えてみるとステファニーは結局何のために砂皿に抱かれたのか不明瞭なまま行為におよんでいた。
もっとも、今夜の件を「そういう関係にランクアップした」と捉えて良いのか、それとも仲間同士の一夜限りのスキンシップだったのかは
分かりかねるところではあるが、考えていても仕方がない。
「まぁ、こういうのも悪くはない」と砂皿は彼にしては珍しい独り言を呟き、眠りについた。