必要悪の教会の女子寮に滞在させてもらっている上条。  
なんでいるのかは各自でお好きなマクガフィン(脳内補完)を  
 
「みんな食事の準備とか買い物やらでいないし、テレビは全部英語だし……不幸じゃないけど暇だぁー」  
 
暇を持て余している上条。  
テレビは解らない、知りあいも出かけているので、仕方なく置いてあった雑誌を写真だけでも眺めて暇をつぶそうとする。  
 
「えーと……マッサージか何かの特集かな?どこの国でもこういうのは変わらないんだな」  
 
適当にパラパラ眺めていく。  
すると、なぜか目を惹かれるページがあった。  
 
「……なんだかここだけ妙に気になるな」  
 
そのページとは  
 
「これは……足ふみマッサージだよな?」  
 
足ふみマッサージのページだった。  
写真を見た限りでは、『一点を除き』やっていることはただの足ふみマッサージのようだった。  
女性が靴下で寝そべっている男性の背中を踏んでいる。ただそれだけの写真。  
だが、ただ一つおかしな所があり、その一か所が異様に目を惹きつける。  
 
「なんでこいつはこんな幸せそうな顔で踏まれてるんだよ……」  
 
その写真の男はこの上なく幸せそうな表情をしていた。  
特集は何ページか続いており、他のページの写真では蕩けきったような表情を  
あるページでは歓喜に涙を流さんばかりの表情をしていた。  
 
写真の横には簡単な図解、そしてそれに付属するような細かい文字があった。  
恐らくやり方の解説なのだろう。  
 
上条には英語はほとんど解らなかったが、図解はどうみてもただの足ふみマッサージにしか見えない。  
なのにこの表情はなんなのか。  
 
 
(そんなに気持ちいいのかこれって?)  
 
 
疑問と興味がどんどんと膨らんでいく。  
と、そこに  
 
 
「ただいまでございますよ」  
 
買い物に行っていたオルソラが帰ってきた。  
 
「ああ、おかえり。結構多いな。やっぱり俺も一緒に行った方がよかったんじゃ……」  
「お客様にそこまでしてもらうのはどうかと思いまして。それにはぐれてしまったら大変でございますよ」  
 
なるほど、その通りである。  
英語も周辺の地理もわからない上条ではデパートの迷子どころか遭難クラスの迷い方になってしまうだろう。  
と、世間話をしていたら気づいたことがあった。  
彼女は元々上条の相手をする予定だったが、調味料が足りないということで買い物に行っていた。  
つまり買い物が終わった今、彼女の予定は特にないということである。  
 
だったら  
 
オルソラならば自分の疑問の解決を手伝ってくれるのではないだろうかと。  
 
「なぁ、オルソラ。ちょっと頼みたいことがあるんだけどいいか?」  
「私にできることでしたら、遠慮せずに仰って大丈夫でございますよ」  
「そうか。じゃあ遠慮なく」  
 
頷き、オルソラを正面から見る上条。  
 
「お願いだから踏んでオルソラ!」  
 
勢いよく頼み込む上条と  
 
「……はい?」  
 
当然な反応のオルソラだった。  
 
 
 
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜  
 
 
 
「はぁ、そういうことでございますか。」  
 
オルソラの性格故か、以前クラスメイトに「揉ませて!」と頼んだ時のような不良バトル空間は構築されず。  
理由の説明を求めたオルソラは上条の渡した雑誌をみて理解してくれたようだ。  
 
「その写真だとやったらと気持ちよさそうで気になってたんだけど、誰もいなかったしな。」  
「なるほど。でしたら、あちらに神裂さんの作った和室がございます。タタミの上なら横になっても大丈夫ですし、そちらでやりましょう」  
「和室もあるのか。つか作ったって寮改造して平気なのか?」  
 
神裂さんは半ば管理人さんでございますので。と説明してくれるオルソラについていく。  
するとドアではなく障子で遮られた場所の前につく。  
その障子をあけると  
 
「すげぇな。本当に和室だ」  
「神裂さんも「いい部屋ができた」とうれしそうでございましたよ」  
 
ワンルームほどの広さの畳敷きの部屋だった。ちょうど六畳のようだが、部屋に合わせたのか、それとも作ったとは部屋の方を畳に合わせたのだろうか。  
掛け軸とちゃぶ台、座布団の置いてある立派な和室だった。  
 
靴を脱いで障子の前に置き、和室に上がる二人。  
 
「では、そこに寝転がってくださいませ。なにぶん、やったことがないので上手くできないかもしれませんが……」  
「いや俺から頼んだことだし。俺もまともなマッサージなんて初めてだしやってくれるだけありがたいって」  
 
横になる上条。  
そして雑誌で内容を確認して近づくオルソラ。  
 
「では失礼するのでございますよ」  
「ああ、踏んじゃってくれ」  
 
上条の背中に白いストッキングで包まれたオルソラの足が乗り、体重がかけられる。  
 
フニ  
 
「お、おお!?」  
「あ、えっと重かったでございますか?」  
「あ、いや、悪い。そうじゃなくて……」  
 
足というのはよく蒸れるだのなんだの言われるが、それはしっかりと靴と靴下で保温されているということである。  
そしてオルソラは先ほど靴を脱いだばかりであり、つまり  
 
(暖かくて柔らかかったなぁ)  
 
大分温いのである。  
そんなものが背中に押しつけられたことで、ただ体重をかけて解すだけだと思っていた上条は予想外の感触に驚いて声を上げた、ということらしい。  
 
「あのー、続けても大丈夫でございますか?」  
「あ、ああ。頼む」  
「では……」  
 
フニ、フミ  
 
「お、おおぉう……」  
「気持ちいいでございますか?」  
「ああ……。これは癖になるかもしれない……」  
 
気持ちよさそうな表情で声を上げる上条と、優しく丁寧に踏んでいくオルソラ。  
しばらくそのまま踏んでいたが、雑誌を確認したオルソラが上条に聞く。  
 
「基本のマッサージ、というのはこれで充分のようですが、ここから続けていくのがあるようでございますよ。  
そちらはもう少し強く踏まなければいけないようなのでございますが……」  
「ああ、大丈夫だから続けてくれ。上条さんは気持ち良すぎてなんでもいいやって感じですよ」  
 
蕩けた表情でオルソラに身を任せる。  
そしてオルソラが「それでは」と言い、足を今までとは違う場所へずらし  
 
フミッ!  
 
「オウフ!」  
「きゃ!?」  
 
奇声を上げる上条。  
悲鳴を上げるオルソラ。  
 
奇声とともに上条が体を跳ねさせたため、思わず足をどかして下がってしまう。  
 
「あ、あの、本当に大丈夫でございますか……?」  
「ゴメン、今のは俺が悪かった!だから引かないでもう一度!」  
 
どうやら奇声は刺激の強さに驚いただけで気持ち良かったらしい。  
オルソラがソロソロと少しずつ足を下ろしていく。  
 
「では、イくでございますよ?」  
「……ああ、頼む」  
 
確認を取り合い、刺激に備える。  
そして  
 
フミッ!  
 
「クっ、ふおぉおぉ……」  
「あの、なんだか辛そうに聞こえるのですが……」  
「だ、大丈…夫、だ。続けてくっふおぉ……」  
「はあ。では……」  
 
フミッフミッギュ!  
 
「ぐあぁ、ふっ、くおぉ!」  
「……えっと。本当に大丈夫なのでございますか?」  
「だ、大丈夫……このマッサージ滅茶苦茶気持ち良くて声が出てるだけだから……」  
 
マッサージ写真の男の表情の理由を身をもって理解した上条。  
この先はしばらく音声のみでお楽しみください。  
 
 
フミッグイッギュッギュッ!  
「ウ、グ、ガアアア!?」  
 
フミ、フミ、ギュッグッ!  
「ふ、くお、はあああああ……ッ」  
 
ギュッギュッグッグイッ!  
「アグッ、ガ、アアアアッ」  
 
以下10分ほどスキップ  
 
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜  
 
 
激しいところは終わったのか、最初のような丁寧な踏み方に戻っている。  
上条も悶えず穏やかな表情だ。  
 
「最初はどんなもんかと思ってたけど……びっくりするほど気持ち良かったな」  
「びっくりしたのはこちらでございますよ。あんなに大きな声を上げられて、本当に大丈夫なのか心配したのでございますよ?」  
「ハハッ、悪い悪い。それだけ気持ち良かったんだよ」  
 
そんな気楽な会話をしながらマッサージを続けるオルソラと受け続ける上条。  
マッサージの内容を雑誌を確認したオルソラが「あら」と声を上げる。  
 
「どうやらそろそろお終いのようでございますよ」  
「あーもう結構やって貰ってるしな。なんかすごい肩とか楽になった気がするし」  
 
会話を続ける二人。和やかで穏やかな雰囲気である。  
だが、だからなのだろうか。和室に近づいてくる足音に気がつかなかったのは。  
 
「それじゃあ最後のマッサージでございますよ」  
「ああ。それにしても気持ちよk」ガラッ「シスター・オルソラ。料理当番のシスター・アガターとカテリナが調味料の使い方を教えて欲しい…と…」  
 
現在の状況  
 
笑顔で上条を踏んでるオリアナ  
笑顔でオルソラに踏まれてる上条  
障子を開けたアニェーゼ←New  
 
固まる三人。今この瞬間、幻想殺しさえも無視して時間停止魔術が発動した、と言っても信じられるほど見事に固まっている。  
 
真っ先に時が動き出したのは上条だった。  
 
「待てアニェーゼ!これには事情g「大丈夫ですよ少年。そんな慌てなくても平気ですって」」  
 
言葉を遮られた上になんだか優しい表情で見られた。  
私も上がらせてもらいますよ、と言いチョピンを脱いで和室に入ってくる。  
 
「あらアニェーゼさん。これはですね「シスター・オルソラも言わなくて問題ねーですよ。わかってますって」」  
 
オルソラの言葉を遮りながら二人の横まで歩いてくる。  
オルソラは「あらあら。言わなくても伝わるなんて素晴らしいのでございますよ」などと言っているが絶対噛み合っていないと上条は思う。  
 
「言わなくても平気ですけど、教えてーことは一つありますけどね」  
「教えたいこと、でございますか?」  
 
「ええ、踏みつけるときは」  
 
優しげな表情のまま、瞳に嗜虐的な光を宿す  
そして次の瞬間  
 
「これぐらい思いっきりやるんですっよ!」  
 
とてもタノシソウな表情で上条を踏みつける。  
 
ドッガアアアアア!!!  
「ゴ、ガアアアアアアアアアアアア!!???」  
 
あまりの衝撃に肺の中の空気をすべて吐き出してしまう。  
 
「意外、でもねーですか。あなたのこれまでの首の突っ込み方を考えれば。まさかこんな趣味があったなんてねぇ」  
 
グリグリと上条を踏みつけながら実にいい笑顔を浮かべるアニェーゼ。  
 
「いいですかシスター・オルソラ。こういうのは手加減なんてしないで思いっきりやってやるぐらいでも気持よくなっちまうんですよ」  
 
そしてそのままオルソラに講義を始めてしまう。  
そしてオルソラは  
 
「まあ。でも確かに『強く踏んでいた時』は、呻き声をだして我慢をしながら「とても気持ちがいい」と仰っていたのでございましたね」  
 
マッサージの講義だと思って聞いている。  
 
「ああ、なんか声が聞こえると思ったらずっとヤってたんですか。どうやら随分と筋金入りだったみてーですねぇ?」  
「いえいえ。実はお留守番して頂いた時に雑誌を見て興味を持ったらしく、今日が初めてだそうで」  
「初めてであんな嬉しそうな顔をしてたなんて随分と素質があったんですねぇ。ああ、それともシスター・オルソラが上手かったとか?」  
 
明らかに意図は噛み合っていない。しかし会話は半端に成立しているため余計おかしなことになってしまう。  
 
「アニェーゼ、明らかに勘違いしてるから話を……」  
「大丈夫ですって。しっかりと楽しませてあげますから」  
 
説得しようとする上条だが、そもそも話を聞いてもらえない。  
 
「ちゃあんと気持ち良くしてあげますから」  
 
笑顔を浮かべ足に力を込める。  
そう、絶対に逃がさないようにと押さえつけるかのごとく。  
 
「コッチも楽しませてくださいよ、っと!」  
「ギャアアアアアアアアアア!!不幸だ、ア、アアー!?」  
 
 
 
なお、この騒ぎは、寮の半管理人にして和室の支配者である神裂火織が騒ぎを聞きつけ  
あまりの惨状に新感覚日本刀つっこみアクションを繰り出すまで続いたそうな。  
とっぴんぱらりのぷぅ  
 
 

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