今日はバレンタイン・ディ。  
上条当麻が、『バレンタ淫ディの甘いワナ〜性なる夜はミサカとともに〜』というイベントに攫われた日。  
恋人同士、という関係になってから初めてのバレンタインということで、気合いの入ったチョコレートを打ち止めから一方通行がもらった日。  
英国では男性から女性にプレゼントを贈るものだと先の大戦等々で知り合った赤毛神父に言われて、打ち止めと付き合うことになったと報告したらきゃあきゃあ騒いだ保護者二人の意見を参考にして、  
学生がつけるような安価なペアリングを買ってきてその片割れを打ち止めに与えたところ、感涙された日。  
そんな夜のこと。  
 
一方通行は風呂からあがって自室のベッドの上でだらだらしていた。二つあわせて四万円程度の指輪の片割れは、シルバーの地にブラックシルバーのラインの入ったシンプルなもので、今はチェーンを通された状態で机の上に放置されている。  
普段の研究生活の関係もあって自分はリングを嵌めないと言ったところ、でも身に付けていて欲しいの!とペンダントのチェーンを渡されたのだった。  
 
(安物なのになァ)  
 
あんなに喜ぶのなら、もっとちゃんとしたものを贈れば良かった。そんなことを一方通行はつらつらと考える。  
と、大きな音をたててドアが開き、ベビーピンクを基調として、ブラウンのリボンと刺繍をアクセントにしたベビードールを纏った打ち止めがいきなり乱入してきた。そしていきなり宣言した。  
 
「今日はミサカがご奉仕します! ってミサカはミサカは大胆発言してみたり」  
 
一瞬こいつ何を言っているんだろう、と思考の沼に沈みかけた一方通行を無視して、打ち止めは下着ごと一方通行のズボンに手をかける。  
そして正気を取り戻し、ばか、やめろと制止し抵抗する彼を演算補助剥奪で黙らせると、打ち止めは問答無用で一気に引き下ろす。  
 
「・・・こうなってるんだ、ってミサカはミサカは男性の器官というものにちょっぴり驚いてみたり」  
 
ぽろりと零れ出てきたものをまじまじと見つめて、打ち止めは不思議なものを見るような顔つきになった。クリスマス以降何度か身体を重ねてきたが、いつも熱に翻弄されるばかりで、実は相手の性器がどうなっているのかきちんと見たことがない。  
一方通行の性器は、大きさこそ平均的だが、元来色素が薄いためもあって、淡い桃色に近く、どちらかというと二次性徴前の少年のもののような雰囲気をしている。また、全体的に体毛が薄いせいなのか、恥部には毛が生えていない。  
 
「変な形なんだねって、ミサカはミサカは思ってたよりも可愛い印象なことに意外性を見出してみる」  
 
つんつんとつついて、根元をきゅっと掴むと、びくんとそれは跳ね上がる。その反応に驚きつつ、打ち止めは記憶を辿りながら『ご奉仕』の方法を確認する。  
 
(確かこれを口に含んで舐めたり吸ったりすれば良かったんだよね、って、ミサカはミサカは思い出してみる)  
 
「先代将軍のユーラシア大陸が見てしがなっ!」  
 
「あ、演算剥奪解除してあげるねってミサカはミサカは早速実行」  
 
「〜〜〜っ! オマエ、何やってンだよオイっ」  
 
機能が返還された瞬間に抵抗を再開する一方通行を無視して、打ち止めはあむ、と手に握っていたものを食み、口におさめた。その感触に性器はぐっと質量を増す。  
 
「っ、」  
 
「ひもひイイ? っへみしゃははみしゃはは」  
 
「やめろアホ・・・っ」  
 
「やらー♪」  
 
打ち止めが声を出そうとして呼吸したり舌を動かしたり、あるいは否定の意を示そうとして首を振る動きも刺激となって、一方通行はぴくりと反応する。  
ぬるりとした口内は膣とはまた違った感触で、これはこれでかなり気持ち良い。が、こういった愛撫を彼女にさせる気はなかった彼としては、単に動揺をあおる材料にしかならなかった。  
 
(どォして、こォなった・・・)  
 
はっきり言って、打ち止めのフェラは下手だ。カリから先を口に含んで、飴か何かを舐めるように口の中を転がしているだけで技術もへったくれもない。しかも歯があたってたまに痛い。  
添えられた手でさえ、ただ支えているだけで、すいたり裏筋をなぞったりといったことをする気配もない。  
まあ巧かったら巧かったでショックで死にたくなるので、ここは密かに『妹達』と手を組み、打ち止めがMNWから得る情報に関してフィルタリングしていた自分を褒め称えたいところだが。  
しかしこの場合は、稚拙でろくな知識も技術もないくせに、気持ち良くなってもらおうと一生懸命な姿に思わずきゅんとなってしまうタイプのご奉仕らしい。  
しかも頑張っているのは打ち止めなのだ。  
 
(・・・・・・・・・)  
 
未熟な少女が頑張っている姿に思わずもっと幼かった頃の彼女に行為をさせているような錯覚までして、ご奉仕している打ち止めの頭上で一方通行は頭を抱える。  
・・・実は小さい頃を思い出した瞬間、射精感がちょっぴり高まったという事実に、死にたくなるような罪悪感を久しぶりに覚えた。  
相手が苦悩していることも知らず、打ち止めは口内のものをひたすらぺろぺろしていた。最初の状態と比べて熱く質量を増したそれは、単純に快感のパロメータのようで面白い。と、じわりと口内に苦味が広がった。  
 
(? これが『射精』ってやつなのかな? ってミサカはミサカは首を傾げてみたり)  
 
それは所謂『先走り』というやつなのだがそんな知識は彼女にはない。くりくりと舌先で先端の孔を刺激されて、うっと息を詰めた一方通行は限界が近いことを知る。さすがに口内で出すことは避けたい。  
 
「〜〜〜っ、離、せっ」  
 
「んんー」  
 
「やだ、じゃねェよバカっ」  
 
声を上げようとした結果かかった微振動と、離さないという決意なのかさらに激しさをました動きが引き鉄となって、瀬戸際に立たされた一方通行は、吐精の直前に無理矢理打ち止めの口内からそれを引き抜いた。が――  
 
「「?!」」  
 
そのことにより、跳ねた性器から吐き出された白濁が飛び散って、かえって彼女を散々な状況にしてしまった。何が起こったのかよく解っていない打ち止めは、きょとんとした表情を浮かべている。  
紅潮した頬と白い精液のコントラストが鮮やかだが、そんなことを考えている余裕は一方通行の頭にない。  
 
「「・・・・・・・・・」」  
 
髪や頬、口元、そして細い頤を伝って、可愛らしいベビードールに包まれた打ち止めの豊かな胸元までも汚してしまっている。その光景は扇情的だが、欲が煽られる以上に幼さの残る可愛らしい顔を汚してしまった罪悪感の方が勝ってしまう。  
 
「悪ィ・・・今拭く」  
 
なんともいえない気まずい沈黙を打ち破って、ベッドサイドのティッシュボックスに一方通行が手を伸ばしている隙に、打ち止めは特に何も考えていない様子で、つ、と口の端にかかった精液を掬い取った。  
 
「・・・これ?」  
 
きょとりと小首を傾げた後、そのまま彼女はそれを口に含んだ。  
 
「! 何やってンだよオマエ」  
 
一方通行は乱暴な動作で口に含んだ指を引っ張り出し、そしてティッシュでぐりぐりと拭い取る。  
 
「・・・苦い、美味しくない、変な味ってミサカはミサカは訴えてみる」  
 
「アホ。当然だろ」  
 
彼女の若干期待はずれといった様子のコメントに対して、彼は己が汚してしまった部分を丁寧に拭きながら、こちらも苦々しげな様子で返答する。使用済みのティッシュをベクトル操作で華麗にゴミ箱に放り込むと、一方通行は深々と溜め息を吐いた。  
 
「――でェ? 打ち止めちゃンは今日は何のつもりだったのかなァ?」  
 
「えーと、バレンタインだからってミサカはミサカは眉間に皺を寄せているあなたにとびついてみたり」  
 
「やめろボケ。意味解ンねェ」  
 
「じゃあ、次は胸でするね! ってミサカはミサカは」  
 
「やめろォォォおおおおおお」  
 
恋人達の夜、バカップルの攻防は終らない。  
 
 
 
おわり。  
 
 
 

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