美琴×美鈴&詩菜  
 
 
ピンポーン  
御坂美琴「う……ん」  
ピンポーン  
美琴「う、私寝ちゃった? 今何時……って12時過ぎてるじゃ無い!? あんの不良母親、折角娘が帰って来てるってのに午前様とはいい度胸じゃない」  
ギュッ(ずっと抱いていた特大ゲコ太学ランバージョンのぬいぐるみ。何故か学ランの中のTシャツの柄がとある少年の物と同じ)  
ポスッ  
美琴「もう、家に帰って来てまで無視されるなんて……きっと全部アイツが悪いんだ。向こうに戻ったらきっちり決着を着けてやる……」  
ドスドス、ガチャ  
ドン!ドン!ドン!  
美琴「あの馬鹿親!? 近所迷惑ってものを知らないの!」  
ダダダッ  
御坂美鈴『みーこーとーちゃーん!! あーけーてー!!』  
美琴「う、うるさいっ! 今開けるから待っててよ! も、何でこんなに鍵増やしたのよ!? 電子ロックが2つに、機械式を4つも付けるなん……」  
美鈴『美琴ちゃーん!! 早く開けて欲しいなぁー!! でないとお母さん……きも゛ぢわ゛る゛ぐて吐くぅぅ……』  
美琴「あわわわわわわわわ!? ちょ、ちょっと待って待って、後少し、後もう少しで――」  
ビリビリビリ、ガシャガシャガシャガシャ、ガチャン  
美琴「よし、開い――」  
美鈴「みっことちゅわあああああああああああああああああああああああああああああん!!!」グワッシィ!!  
美琴「ひぃいっ!!?」  
美鈴「美琴ちゃん待ったぁー! ママ今帰って来たよぉー! 寂しく無かった? ねえママが居なくて寂しく無かった? ママは美琴ちゃん居なくて寂しい……ふわああああああああああん!!」カイグリカイグリ  
美琴「泣くな! コラ鼻水ッ、い、痛っ、それに酒臭っ、って、こ、こらっ!? アンタどさくさにまぎれて何処触ってんのよ!?」  
美鈴「良いじゃ無い親子なんだしぃ。別に美琴ちゃんさえよければ、美鈴って呼んでもいいのよん☆」  
美琴「ざ、ふざ、ふざけんじゃ無いわ――」  
美鈴「美琴ちゃん落ち着いて」フゥー  
美琴「ひあッ!?」  
美鈴「どう、落ち着いた? それとも感じちゃった♪」  
美琴「か、感じちゃったじゃ無いわよ! なに人の首筋に息なんか吹き掛けて――」  
美鈴「もう一回行く?」  
美琴「でええええええい! 止めんかこの酔っぱらい!!」ビシィィ!!  
美鈴「……痛いよ美琴ちゃん。暴力絶対反対、消費税値上げ反対」パタパタ  
美琴「消費税は関係無いでしょ……もう、少しは反省しなさいよね全く」  
上条詩菜「あらあら、御坂さん的にはお嬢さんとの久々のスキンシップはこれで良かったのかしら」  
美琴「え?」ビクッ  
詩菜「こんばんは。夜分遅くに申し訳ありません。それに家族水入らずの所をお邪魔してしまって」ペコリ  
美琴(え? 何でこんな所にアイツの母親がいるの!?)ドキドキ  
詩菜「ん? どうかしました?」ニコッ  
美琴「あ、言え何でも……こ、こんばんは」ペコ  
 
☆ ☆☆☆☆  
 
美琴「ど、どうぞ、ここ、紅茶です」カチャ  
詩菜「ごめんなさいね。こんな時間にお邪魔しちゃって」ペコリ  
美琴「い、いえ! 全然大丈夫です! それよりこちらこそ家の馬鹿お……母を連れて帰って来て頂いてありがとうございます」ペコペコ  
美鈴「気ぃーにしなくていいのよぉー。上条さんと私わぁ、マブの飲み友なんだからぁ……」ケラケラ  
美琴「アンタは少し気にしなさいよこの馬鹿」  
ベコン(お盆で一撃)  
美鈴「痛っ、これ以上ママを何に目覚めさせる気よぉ……」スリスリ  
美琴「目覚めるな! つかむしろ目を覚ますな!」グワッ  
詩菜「あらあら、御坂さんのお宅は楽しいですね。これ、頂きますね」カチャ  
美琴「あ、どうぞ」  
詩菜「あらあら、この香り……お嬢さんは紅茶の淹れ方でも勉強されているのかしら」  
美琴「え、まあ一応嗜みとして……」テレッ  
詩菜「まあ、美味しい。素敵ですわねお宅のお嬢さん」  
美鈴「私の娘ですもの」エッヘン  
美琴(そこは謙遜する所でしょ)ジト  
詩菜「羨ましいですわ。家にもこんな可愛らしい女の子が欲しいって先日夫とも話をしていたんですよ」  
美琴「え!?」  
美鈴「ほえ?」  
詩菜「そうしたら刀夜さん『当麻もすっかり大人になって私達の手を離れてしまった事だし』って私の手を握ってそう言うんですよ」  
美琴「は、え?」  
美鈴「それでそれで?」  
詩菜「帰って来る度激しくって困っているんですよ」ニコニコ  
美琴「思いっきりただの惚気か!!?」ガウウッ  
美鈴「羨ましい。すぐさま私もパパに電話しな――」ピポパ  
美琴「止めろこの馬鹿親ッ!!」ブン  
パッカァァァァァン!!(お盆を投げつける)  
 
☆ ☆☆☆☆  
 
美鈴「美琴ちゃん私お腹空いたー」  
美琴「何時だと思ってんのよ、太るわよ?」  
美鈴「大丈夫。その為にお酒しか飲んで無いから」ブイブイ  
美琴「空きっ腹にアルコールなんてアンタ死ぬ気!?」  
美鈴「これもママの美琴ちゃんへの愛の証なの。ジュ・テーム♪」チュッチュッ  
美琴「コ、コラぁぁ!! アンタはお腹空いてるんでしょおおおおおお!? ふ、ふざけてないで放れ、て」グイグイ  
美鈴「いやーん。ママは美琴ちゃんを食べる事に決めたんだからああああああああ!!」グイグイ  
美琴「ふざけんなコラ!? 大体お客様が観てんでしょ――」  
詩菜「あらあら、ひとを抑え込む時にはこの様にしたらどうかしら? えい」グイグイ、グリン  
ドサッ  
美琴「あ、あれ……? 何で私がソファーの上に……」  
美鈴「うふ、うふ、うふふのふ」ニヤニヤ  
詩菜「あらあら、もしかしてお嬢さん的には私悪い事をしてしまったのかしら?」  
美琴「伏兵か!?」ガガーン!?  
美鈴「美琴ちゃん♪」ニコォ  
美琴「あ、あは」ヒクヒク  
美鈴「いただきまあああああああああああああああああああああああす♪」ガバッ  
美琴「イヤああああああああああああぁぁぁあぁぁあアアアアアアアアアアアアアア!!」  
 
 
 
 
 

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