ソレは、動くことも話すこともできなかった。ひたすらされるがままだった。
ソレが抱いていたのは、不安感と、屈辱感と、そして少しの期待感。
ソレに向かって手が伸ばされ、そして無理矢理押し広げられる。
ソレは全てを曝け出させられて、なお何もすることができなかった。
そして、ソレは――
(ひっ・・・何、すんだよボケっ)
(やめろ・・・そんな無理矢理・・・痛っ)
(ば、角・・・角が、ごりごりっ・・・あたる・・・あ、ぁたるんだよ、ばかっ)
(も、もし、破裂、したら、真白に・・・なっちまうだろぉ・・・がっ・・・くう)
(・・・、だから、角っ・・・ぎゅうにう、パックの・・・・・・角が・・・そ、そこらめっ)
(テメェ何、して・・・っ?!)
(そ、そんな熱いの・・・ムリっ・・・っつてんだろーがっ!)
(そんな白くて熱いの、ぃっぱい、いっぱぃ、いれられたら・・・)
(俺も、中もっ、熱く、なっちゃ・・・う・・・、だろ? 稼動率的に・・・く、考えて)
(らめえええ、だからいれんじゃねえよボケええええええ)
(せ、せめて、もっと冷まして・・・からっ・・・う、いれて・・・くれよぉ・・・)
(・・・・・・くりぃむ・・・、しちゅ・・・っ・・・ああ)
(そ、そんなおっきいの、入るわけねえだろ?!)
(だめだめだめっ! 入る大きさ考えてみろよぉ・・・っ!!!)
(・・・! 変な、ぉとしてる、しっ)
(ばかっ、もっとらいじ、に、あつかえよお・・・・・・)
(っぶれ、ちまってんじゃねえか・・・すみっこがあああっ、アア)
(ほぉるけえきの、箱っ・・・かど、かどが・・・んのぉ、ばかっ)
(ちょ、ムリだろその量っ! 常識、的にっ・・・考えろお・・・っ)
(そ、どんどん・・・っ、どんどんはいって・・・くるよぉ・・・ムリぃ・・・)
(壊れっまう・・・こわれち、まう・・・やめっ・・・だめ、え)
(・・・っこの、じょーしき・・・知らずっ! アホだろ、てめぇ・・・、くぅ)
(こ、こんなに・・・いれんなよ・・・っ、ミシミシっ、ぃってんだろぉがぁっ)
(バカっ・・・・・・この量、アホぉ、アん)
(この、かふぇい、ん、・・・ちゅーどく・・・っ、があっ)
(・・・か、買ぃすぎ、だろっ・・・かン、こおひい・・・あふん)
「・・・なァ」
「何?ってミサカはミサカは返事してみる。買い物とかあけておいてくれたんだね、ありがとう!ってミサカはミサカはちょっぴり家庭的になったあなたにお礼を言いつつ感謝の気持ちをこめて抱きついてみたり。ぎゅっ」
「突っ込むのも面倒臭ェ。それはさておき、この冷蔵庫替えねェか? 何かよくわかンねェけど・・・無性にムカつくンだが」
「えー、学園都市最先端の『ていとうこ』シリーズ第三段にして、最も性能が良い『メルヘン冷蔵庫☆ていとくん』でしかも限定三台の羽付きバージョンでとっても可愛いのにってミサカはミサカはこの冷蔵庫を評価していることを表明してみる」
「羽とかいらねェだろォが」
「せっかく可愛いのに本物の羽みたいですごいのに、ってミサカはミサカはあなたにアピールしてみたり」
「掃除が面倒なンだよ。隙間に埃はいンじゃねェか」」
「『未元物質』製だから、丈夫で長持ちだし、あとあと半端な学生よりもすごいAIが入ってるから、中に入れたものに最適な温度をそれぞれに設定してくれるんだよ、ってミサカはミサカは説明書の受け売りの知識を披露してみる」
「すげェのは解るが、何かこォ・・・この冷蔵庫を破壊したくなる衝動が込み上げてくるンだよなァ・・・。そもそも『未元物質』って時点で気にいらねェ胡散臭ェ」
「むー、別にあなたのお金で買ってもらったものだし、あなたの自由で良いけど、無駄な出費は良くないと思うのってミサカはミサカは出来た奥さんらしく意見してみたり」
「・・・そォ言えば、三下の家の冷蔵庫がまた超電磁砲のせいで壊れた上に三下がまた入院する派目になったらしいから、そっちにこれを見舞いとしてやって、新しいのを買ってくりゃ良くね?」
「お姉様また壊したんだねって、ミサカはミサカはちょっぴり呆れてみる。うーん、ヒーローさんにはいろいろ迷惑をかけちゃってるし、それはそれで良いかもってミサカはミサカはあなたの提案を受け入れてみたり」
「じゃあ冷蔵庫見に行くかァ」
「ミサカはミサカはお出掛けの準備万端!」
(コレっ・・・ど、どんなプレイなんだよぉ・・・だい、っちい、に、アホ毛のガキめえええええええっ)ウィーンウィーン
おわり。