上条×吹寄  
−13巻 放課後の体育館裏での草むしりにて−  
 
 乱闘騒ぎ(男の名誉をかけた聖戦)が上条の高校の数学教師・親船素甘に見つかり罰則を与えられる事となった上条達。  
しかし放課後の体育館裏に集まったのは上条ととばっちりを受けた吹寄の二人だけであった。  
 
上条(ふう…、延々と草むしりするっていうのもなかなか疲れるもんだな。もう手が痺れてきちまった)  
(そういや、吹寄のやつ握力を鍛える健康グッズとかも持ってんのかな?よし、ちょっと聞いてみるか)  
上条「なぁ、吹寄!お前の持ってるやつちょっと揉ませてくれねえか?」  
吹寄「なっ…!!………貴様はまたくだらない事をォおおおおお!!」  
上条「うぉ、ちょっと待て吹寄!いや待ってください吹寄さ…」  
 ガンゴンバキン!!骨の軋む嫌な音がした。上条の体が宙を舞い盛大に地面に叩きつけられる。  
 上条(なんだよ、吹寄のやつ。俺は何かまずい事でも言ったか?はっ、これがまさかツンデレってやつなのか…?いや違うな、吹寄に限ってそんな)  
 吹寄「……………………………………」  
 上条「……………………………………」  
 上条(ううっ、なんだかすごく気まずい)  
 吹寄「ねぇ、上条?」  
 上条「は、はい!吹寄様!何でせうか?」  
 吹寄「男の人ってもしかして小さい方が好きなの?」  
 吹寄(土御門はさっき『ひんにゅーばんざーい』なんて叫んでたけどこいつはどうなんだろ?)  
 上条(…?何の話だ?話の流れ的に健康グッズの事か??)  
 上条「そりゃ、お前。小さい方が色々便利だろうけど…」  
 吹寄「…………」  
 上条「俺は別に大きくても全然オッケーだぜ。いや、むしろ大きい方が良いかも(健康グッズの効果的に)」  
 吹寄「…………!そ、そうなの!?」  
 上条「ん?ああ」  
 上条(なんでコイツこんなに嬉しそうなんだ?)  
 吹寄「…じ、じゃあ仕方ないわね。他に誰もいない訳だし……ちょ、ちょっとくらいなら揉ませてあげても良いわよ…」  
 上条「サンキュー、吹寄!ってちょっと待て、なんでそこで脱ぐ!?」  
 吹寄「えっ、だって上は脱いだ方が揉みやすいでしょ?でも私だって恥ずかしいんだからブラは着けたままで我慢しなさいよね!」  
 上条「いや、待て吹寄!それは何だ?新手の健康法か?ってか揉むってナニを?」  
 吹寄「あーもうっ、ウダウダうるさいわね!私にここまでさせているのだから貴様は!いいから黙って揉みなさい!」  
 上条(うっ。そ、そうだ。あの吹寄が何の理由もなく胸を揉めなんて言う訳がない。そうこれは弱った握力を癒す健康法なのだろう。そう、俺の知らない健康法!  
で、でも良いのか?健康法のためとはいえ同級生の胸なんか揉んでしまっても。健全な男子高校生である上条さんはいつリミッターが外れてしまうか…)  
 
上条「本当に良いんだな、吹寄?」  
 吹寄「…うん。…いいから、早く……しなさいよね」  
 上条「じ、じゃあ」  
 吹寄「ひゃあ、あ…んっ」  
 上条「お、おい。変な声出すなよ!」  
 吹寄「だって、…仕方ないでしょ?男の人に触られるのなんて初めてなのだから…」  
 上条「初めてって、お前。やっぱりここで止めたほうがいいんじゃ」  
 吹寄「ううん、ここまでしちゃってるんだから。最後までして…」  
 上条(最後って、この健康法どうすれば終わりになるんだ?とりあえず揉み続けてみるか)  
 吹寄「ひゃ、あっああんっっ…ひぃっ」  
 上条「吹寄のすげえやわらかいな」  
 上条(ほんと、すげえ気持ちいい。手の疲れも知らないうちにとれていっちまってる)  
吹寄「そ、そんなことっ…言わないでよ……あっ」  
 上条「ブラ外して生で触ってみてもいいか?」  
 吹寄「えっ、ダメっ!それは…あんっ。ちょ、そんなところコリコリしないでぇ!」  
 吹寄(ひゃあっんっ、私ばっかりされっぱなしっていうのも納得いかないわ。今度はこっちから…)  
 上条「お、おいっ。吹寄!」  
 吹寄「知っているのよ、あんたがさっきからずっとココを大きく膨らましてる事を」  
 上条(こっ、これも健康法なのか−−−!いや、しかし待て上条当麻!この一線を越えてしまったら俺は、かけがえのない体験と引き換えにたくさんのなにかを失ってしまうだろう!)  
 上条「ちょっと待て吹寄!健康法なんかのために何もそこまでしなくたっていいだろ!!」  
 吹寄「えっ、最後までしないの?……あと健康法って何のこと?」  
 上条「何のことって。お前は雑草むしりで疲れ果てた俺の手を癒してくれるためにわざわざ体張ってくれてんだろ?  
欧米式だか『吹寄‘sブートキャンプ』だかなんだか知らねえけどよ。俺なんかのためにそんなことしてくれなくてもいいって!!」  
 吹寄「健康法…まさか『揉ませてくれ』って……健康グッズか何かのことだったのかしら…!」  
 上条「へ?もしかして何か勘違いしていらしたんでせうか…?上条さんは当初からその意図をもってお願いしたのでありまして。  
って、ちょっと待て吹寄。今度ばかりは本当に洒落にならない!いいから落ち着いてその右手に持っているものを下ろし…」  
 吹寄「…上条ォおおおォおおおお!!!!貴様ァああああああああああァあああああ!!!!」  
轟!!吹寄制理の持っていた一輪車(抜き取った雑草をゴミ捨て場へ運搬するために置いてあった)が振り落とされる。骨が砕かれる気味の悪い音が放課後の校庭に響き渡る。  
 上条(まずっ…このままじゃ本当に、死……)  
 吹寄「…えっ、ちょっと上条!!もしかして私やりすぎちゃった…!?」  
上条は薄れゆく意識のなか、このような地雷を二度と踏まないように肝に銘じておこうと努力する。  
しかし、その教訓を活かす機会も時間もこの少年にはもう残されてはいないことを、彼は知らない。  
 上条は最後の力を振り絞って顔を上げる。彼が最期に見た景色は上半身裸(でなぜかパンツを湿らせている)の吹寄制理の驚愕に満ちた泣き顔であった。  
 
−吹寄ルート DEAD END−  
 
 

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