「上やんがフラグを建てた女の子たちが上やんの身体を狙っているらしいんだ」
上条当麻のクラスメイト、土御門元春にそう言われたのは1時間ぐらい前だ。
上条はすぐに理解ができなかった。
フラグなんて建てた覚えは一つもないし、なぜ身体を狙っているのかもわからない。
身体を狙う、というのはヤンデレという状態だろうか、理解できたのはそれぐらいだ。
しかし土御門の口調は雰囲気から見て、嘘をついているとは信じられなかった。
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上条はそのことについて悩みながら帰宅。
そこで奇妙なものを上条はみた。
白い修道服を着た少女が、包丁をベッドに何回も何回も突き刺しながら何かをつぶやいている。
上条は、驚かそうとしているんだろう、と思いながら声をかけた。
白い修道服を着た少女がこちらに気づき、包丁を持ちながら近づいてきた。
恐ろしくなり、玄関を疾風の如く走り出た。
下の道が視界に入る。茶髪のショートヘアの中学生がふらふらと学生寮を行ったり来たりしている。
多分アイツも俺を狙っている。そうとしか思えない。
そんな思いふけりも無駄にしかならなかった。
すぐ後ろに先ほどの包丁を手にした白い修道服を着た少女がいたからだ。
10分後には上条の玄関の前は血で真っ赤に染まっていた。
しかし、そこには死体もなにもない。あるのは微量の肉片だけ。
まるで複数の人間が大雑把に切って持って帰ったみたいだった。
その後の上条の姿を見たものは誰一人いない。