何でこんな事になった。その疑問が俺の頭を占めていた。
いつものように、滝壺のお見舞いに行った。当たり前の事だ。
病室で絹旗と鉢合わせた。別に珍しくはない。それからが問題だった。
うさぎのぬいぐるみの耳から滝壺のバニー姿を想像して鼻血を出しちまったんだ。
ちなみにバニーだからじゃない、滝壺だからだ。と、帰り道で絹旗言ったところ、「滝壺さんが再入院するような真似は超控えて下さいね」と言われた。
まあ、それだけなら、笑って頷けたさ。実際帰ったら処理するつもりだったし。それをあいつは、「滝壺さんの為にも適当なお店で超無様に発散してきて下さい」とか追加しやがった。
だから、俺は言ったさ。「そんな金は無い! あったら滝壺に何かプレゼントする」と。
まあ、ここまでなら、絹旗風に言えば、「超キモい童貞の叫び」で済んだだろうな。あるいは甲斐性なしか。
その先がいけなかったんだろうな。「だから、絹旗。お前が相手してくれよ」なんて言っちまったのが。
次の瞬間には失言に気づいて、空を飛ぶか地面に埋まる覚悟はした。まあ、もしかしたら壁に打ちつけられるかもとも考えたかな。
「良いですよ。滝壺さん相手よりは超健全です」と言われたのは意外だった。
鏡見ろと言いたくなったのを堪えて、「お前の体じゃ無理だろ」と努めて冷静に返してやった。
絹旗はあろうことか、俺の下半身に視線を移して、鼻で笑った後。「超余裕そうですけど?」。流石にむしゃくしゃして来た俺は、「泣いても止めないで良いのならヤルか?」と言っちまった。
そして、今に至る訳だ。
流石に絹旗を連れてホテルには行けないから、アイテム時代の隠れ家の一つにいる。場所は滝壺の入院している病院のすぐ近くだ。シャワーとベッドさえあれば、後必要なモノは買って行けば良いでしょうとは絹旗の談。ちなみに絹旗は今、シャワーを浴びてる。
絹旗が服を脱ぐ音で俺の息子が興奮したのは秘密だ。こんな時、ホテルならテレビでも見て暇を潰すんだろうけど、ここにはそんな気の利いた物は無い。
だから、緊張しちまうのも仕方ないだろう。
渇く喉を潤す為に、絹旗の買ってきた袋を漁る。
避妊具だけは俺が買いに行かされたが、それ以外は絹旗が買ってきた。理由が、俺のセンスで買わせるとロクな物を買わなそうだからって言うのはムカついたが、金銭的な負担を考えて我慢した。
絹旗の方がよほど金持ちで、なおかつ彼女にしか分からないこだわりがあってもおかしくない。それを買ってこいと言われるよりはマシだ。
案の定、袋の中は良くわからなかった。確かに飲み物や食べ物だが知ってるものは一つもない。
流石にヤバそうなドリンク剤は避けて、数本あった小型のペットボトルの内一本を開けて飲む。マズいとは言わないが、微妙だな。
バスローブ姿の絹旗が風呂場から出てきた。その姿を見た途端、俺の息子はいきり立ち、心臓は鼓動を速め俺を急かす。
「さあ、浜面の番ですよ。超童貞臭さを少しは、」
最後まで言わせず唇を奪った。おかしい。何で絹旗がこんなにも魅力的に見えるんだ。
「絹旗、悪い。我慢出来ない」
言いながらズボンを脱ぐ。そそり立つ男の証を見て、絹旗は一瞬目を丸くした。
「浜面にしてはマシですね」
そんな、言葉さえかわいい強がりに思える。
「じゃあ、入れるぞ?」
何かを忘れているような気がしたが、思い出す余裕はない。頭が沸騰しそうだ。
何か言いたそうにした絹旗に口付けると、一つに繋がった。
そこはあまりにも狭かった。まるで俺の物が絞り切られてしまいそうにも思える。
息がまともに出来ずに苦しそうにしている絹旗がとても可愛く見える。どうしたんだ、俺?
疑問とは別に下半身はさらなる快楽を求めている。
「浜面、ちょっと待って下さい」
いつもの調子は微塵も無い、あまりにも弱々しい声に俺の息子は有頂天になり、ゆりかごのドアをノックした。
息を吐き出し、必死に何かに耐える絹旗。とてもかわいい。ほめ言葉が単調なのは理解しているが、それしか浮かばない。
ゆっくりと入口近くまで引き、奥まで一気に戻した。
それだけで息子を高みへ案内しそうだった。確かに狭いが凹凸に削られる感覚は筆舌に尽くしがたい。
「絹旗、イッちまいそうだ」
絹旗の顔が恐怖で陰る。普段は見たことが無いな、こんな表情。
「もっと、色んな顔を見せてくれよ」
小ぶりというより無い胸に手をかける。先端に触れると表情が変わる。それをつまめと、思いっ切り引っ張れと囁かれたきがした。もちろん、俺は従った。
絹旗は弓なりに体を逸らして声にならない叫びを上げた。
それと同時に圧力が高まり、息子が絞り取られた。
射精感に浸るはずが、圧力が下がらない事に恐怖を覚える方が先だった。さらに細かく震えて……いや、具体的に言おう。痙攣してないか。
引き抜こうとするが、絹旗が痛がるだけで無理矢理というのも無理そうだ。
俺は、その日見た、絹旗のかわいい顔を忘れない。と同時に滝壺の絶対零度の目も忘れられない。