はまづらは私が気付いていないと思っているらしい。何にとは言わない。悲しくなるから。
そもそも、きぬはたと2人して態度がおかしくなれば嫌でも気づく。後、時々感じた胸への視線が無くなってるし。
ソレを私が出来ないかお医者さんに聞いたら「禁止出来る根拠は無いが勧めない」と言われた。
大丈夫、ならやれる。
例え、私が壊れても取り返す。きぬはたには、渡さない。
はまづらを誘うのには成功した。
だけど、いざソレをする時に下になろうとしたはまづらに驚いた。思わず帰ってと言ってしまうほどに。
失敗したと思う。きぬはたのおかしなヤリ方を忘れさせてあげれば良かった。
それにしても、やっぱりきぬはたは許せない。自然に下になるって事は無理矢理したはず。それも、何回も。
確か、むぎのが体晶を持ってたから取りに行かなきゃ。それと何か武器も。
はまづらが愛してるのは私だけって言ってくれた。嬉しい。
「はまづらは優しくて、甘くて、素敵で、でも……嘘つき」
きぬはたに突き刺さった包丁に手をかける。そして、捻った。
醜い叫びが耳障り。はまづらに刺された時は受け入れたのに。
こんな包丁で刺した位じゃ人は死なない。やるなら、頭を刺すか抉らないと。
「な、私たちアイテムじゃ」
きぬはたがまだ喋れるなんて驚き。でも、頭は回ってないみたい。
「はまづらがロシアで言ってたよ。はまづらとむぎの、それに私でアイテムだって」
きぬはたの表情が面白い事になる。ほんの少し気が晴れたかも。
「だから、きぬはたはいらないの。ばいばい、『新チームのきぬはた』」
さ、はまづら帰ろう? むぎのも待ってるよ?
はまづらがぼそぼそと何かを喋る。内容は聞こえない。
「大丈夫だよ、はまづら。ここは学園都市だから直ぐに治してくれるよ」