「『アイテム』復活……それは超構いませんけど」
そう肯定する様な言葉とは裏腹に、絹旗最愛は何処か不機嫌そうだ。
そんな少女に「そう、それならいいんだけど」と、その事を伝えた麦野沈利は肩を竦めてみせた。
ところが、
「ただ、1つだけ超言わせて貰ってもいいですか?」
「いいわよ」
すると絹旗は真っ直ぐ麦野――その背後を指さして、
「あの浜面の光景は一体何ですか?」
その指差す方向に麦野は大きなため息をつきながら視線を投げた。
そこには可愛らしい弁当箱を膝の上に乗せた滝壺理后と、そんな彼女を膝の上に座らせた浜面仕上がいた。
「はまづら、次は何を食べたい?」
「滝壺」
浜面の即答に滝壺は目を丸くすると頬を赤らめる。
「そ、それは駄目……」
「ちぇっ。それじゃあ『タコさんウインナー』」
「うん」
今度はまともな返事に滝壺は安心して浜面の口に真っ赤なウインナーをそっと運ぶ。
「ん、旨ひ」
滝壺はもぐもぐと言葉通りうまそうに咀嚼する浜面の姿を幸せそうに眺めたい。
すると食べ終えた浜面は、
「なあ知ってるか滝壺」
「ん、何?」
「『ウインナー』じゃあアレだけどよ。『ソーセージ』とか『フランクフルト』っちゃーあるモノを連想する『隠語』になるの、お前知ってるか?」
『隠語』――その言葉と押し殺した声に滝壺はまた顔を真っ赤にして、
「な、なんだか今日のはまづらはエッチ」
「あー、警戒させちまったか? それじゃあ後で教えてやるよ――次は『卵焼き』頼む」
「うん」
そうして気を取り直した滝壺は浜面の口に卵焼きを運んだ。
「あのバカップル……いえ、あの超浜面ブッ飛ばしてもいいですか? リーダーと言えども許せない事は有ります」
「奇遇ね絹旗。私もそろそろ限界ブチ切れそうな所だったのよ」
「それでは」
「ああ」
麦野と絹旗の2人は仲良く頷き合うと――、
「「はぁあああああああまああああああああづうううううううううううううううらあああああぁぁぁアアアアアアアアアア!!!」」