第一位の過保護が度を越している件については、言い出したらきりがないので置いておくとして。
すべてから守れと預けられたちっこいガキを見下ろしながら、ミサカは思う。
彼の、一度懐に入れた人間に対する妙な甘さはなんなのだろう。
(他人に自分の大切なものを預ける、人によっては信頼と呼ぶらしいソレ、ねえ?)
そう定義するには、どうも幼いというか。
子供が大人の言うことを素直にきいてしまう妙な無垢さを感じさせるそれを、ミサカは「甘さ」と形容してみる。
ばっかじゃねえの。
ばっかじゃねええええええええええええのォ!?
目も当てられないことになるよ、って忠告したはずなのにね。
「なーにどうしたの番外個体、ってミサカはミサカは尋ねてみる」
ぱちぱちと長い睫毛を上下させ、警戒心ゼロの笑顔で問いかけてくる最終信号に内心溜息を吐く。
いくら相手が女とはいえ、ソファの上に押し倒された状態で、違和感や危機感がなさすぎるってものだろう。
むしろ「遊んでくれるの?でもプロレスごっこはリーチの差がありすぎて不利だってミサカはミサカは以下略」という期待がありありと見えるあたりもう駄目だ。ガキだ。
うっかり萎えそうになる悪意をかき集めて、笑みに乗せる。
ぐっと身を乗り出して距離を詰めた。息がかかるほど近くで誘いかける。
「ミサカと“も”シてみない?」
太腿、って言っていいのか分からないほど細い脚に手を置いて、ぐるりと円を描く。
「ふにゃっ?」
びくっ、と勢いよく腰が引けた。
おお、びーんかーんじゃない。これだけで感じちゃったのかにゃーん?
最終信号がやっと身を固くし、恐る恐る窺うように見上げてくる様にぞくぞくする。
いいねぇその表情。つついていじって撫でまわしたいね。うずうずするね。
なめらかな内腿を滑らせてスカートの中、下着越しのふくりと丸い恥丘を撫でて囁きかける。
「―――― キモチイイこと、知ってるんでしょ?コウガクの為にミサカに教えてよぅお姉チャン」